心の友だち

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吃音の話11~母音の発音( 続き)

2016-09-09 15:57:50 | 吃音(50音別)

今回は母音の発音を例に、発声しようと思ってから実際に声になって出る
までの過程をみていきます。吃音の症状が現れている場合は、この過程
のどこかが間違っているということです。
ご自身の欠点を把握しましょう!

[あ]を発音します。

1. 鼻から息を吸う。・・・・口から吸うと、吐くときに鼻がつまる可能性があ
ります。また、発音しようと思うあまり、息を吸うことを忘れている人もいます。
(これは練習なので、鼻から息を吸うようにしてください。実際に他人を前に
したときは、口から吸っても、詰まらなければ問題はありません。)

2. 息を吐き始める。・・・・いっぺんに吐いてしまわないこと。胸が膨らんだ
状態をキープします。息を吸い終わってから吐き始める所で一時的に呼吸
が止まりますが、止めることを意識せずに、吸ったらすぐなめらかに出し始
めるようにしてください。
筋肉がこわばっている人はここで詰まってしまいます。

3. 声帯を振動させる。・・・・振動というより、ちょっとのど仏に力が入る感
じです。息を少しずつ吐こうとすると声帯に少し力がかかります。
(これは、声門下の空気圧が少し高くなるためです。)

2と3はほぼ同時ですが、ほんのわずか2の方が早くなります。
これを逆にしようとしている人がいます。まだ息を吐き始めていないのに、
のど仏に力をいれている人です。
吐き始めるという切り替えがあって、それから3になるのです。
吐き始めることで声帯の緊張を最小限に抑えることができます。

4. [あ]の口形をつくる。・・・・下アゴをさげ[あ]を発音します。舌や軟口蓋
を使うことはないので、それらが発音の邪魔をしないように注意してくださ
い。

234はほぼ同時ですが、微妙に2→3→4の順番になっているので気をつ
けてください。なぜなら、息が肺からノドを通って口から出て行くからです。

吃音の人は、この順番ができていないことが多いのです。
[あ]の口形は作っていても、息を吐きはじめていない。
声帯も振動させていない。
[あ]の形を作るのはいちばん最後です!

(この原則を守れば、[あ]を発音しようとして大きな口を開いたまま固まっ
てしまうということはなくなります。)

(補足)
健常者でも、息を吸った後、口形を作ってから吐き始める人もいます。
発音に対する不安がなければ、どのように発音しようと本人の自由ですが、
ちょっと違和感があります。
吃音者がこの真似をすると、上に書いたように、とてもみっともない結果に
なります。声が出ないときは、ポーカーフェイスで、「しゃべるつもりがない!」
といった感じでごまかすのもテクニックのうちです。

 (参考)朗読練習用の文章です。

   「イキのいい、いいイカがはいりました。イカめし用
    にいかがですか。」


*この記事は、『吃音の話~その11(母音の発音)続き』(2015・12・08)を
加筆・訂正したものです。



  


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