心の友だち

人付き合いが苦手な人のためのブログです。
コミュ障・吃音・赤面・あがり症などで悩んでいる方はご訪問ください。

吃音の話 73~ 矯正所に欠けていること(4)

2016-02-29 11:36:10 | 吃音

次は、「ゆっくり話しましょう!」です。

「ゆっくり話す。」ことは、とても大切なのですが、そのた
めには、まず、気持ちがリラックスしていなくてはなりま
せん。
これから話し始めようとするときの心がまえとして、
「ゆっくり話そう」と意識することは大切ですが、彼のよ
うに発音筋が硬直状態になっている場合は、まず筋肉
の緊張を取らないと、ゆっくりと話すことはできないの
です。
(もちろん、軽い吃音なら、ゆっくり話そうと意識する
だけで治るでしょうが、彼は重症なのです。)

森田療法・自律訓練法・認知行動療法などは、心身の
緊張を解消するのには良い方法ですが、実践の場で
詰まった状態になったときには、まったく効果がない
のです。「今現在、その詰まって困っている人を、どう
やって救うのか」が示されていないからです。

「病院へ行っても治らない!」
「矯正所へ行っても治らない!」
というのは、まさしくこの点の認識が、施術者側に欠け
ているからなのです。

実際の場で詰まったときはどうすればいいのでしょう
か‥‥。
詰まりを解消するには、「呼吸法」を使うしかないので
す。「それしか方法がない」とすら言えます。
それ以外の方法は、話し始める前までの、言わば「準
備段階」での方法です。

声が詰まっているときは、息の出口がふさがっていま
す。声帯が閉じている、舌と軟口蓋が上がっている、
唇が閉じている。このうちのどれか(または全部)でし
ょう。
その「閉じている」状態を解消するためには、そのうち
の一か所に穴をあければいいのです。

もっとも穴をあけやすいのは、「鼻」です。
鼻から息を抜くことで、他の個所の緊張も小さくなって
きます。鼻から息が出たということは、声帯が開いた
ということであり、軟口蓋が下がったということでもあ
るのです。2か所は通ったわけです。

次に、「え~」なり「あ~」を言えば、舌が下がり、唇が
開くことになるので、そのまま続けて言いたい言葉を
持ってくることで問題は解決するわけです。




吃音の話 72~ 矯正所に欠けていること(3)

2016-02-29 09:58:57 | 吃音

「矯正所に欠けていること(1)」で、途中で詰まってしま
う大学生を取り上げました。
それに対する先生のアドバイスがまずいという指摘もし
たのですが、説明不足だったような気がします。

「必ず出ます。深呼吸をして、ゆっくり話しましょう!」の
どこがまずいのか、考えてみましょう。
というのは、このアドバイスは一般の人が決まって言う
一言だからです。

まず、「深呼吸をする」のはダメです。
「深呼吸をしてリセットすればいい」と思いがちですが、
これをすると、また最初の状態に戻ってしまい、初めの
一音で詰まります。現在詰まっているということは、そ
の音が本人の言いづらい単語なわけです。
何度深呼吸をしてもダメなのは、彼が証明しています。
(軽い吃音の人は、これだけで治る場合もあるでしょう
が‥‥)

「必ず出ます。」というのは正しいと言えます。
詰まった状態のままでいたら、呼吸ができずに死んで
しまいます。
言葉が詰まったとき、発音できるようにする最も簡単
な方法は、「ずっとそのままでいる!」ことです。
発音筋が緊張しているので、大きな声が出るはずで
す。20~30秒もすれば、苦しくなって我慢できなくな
るでしょう。水に潜る時ほどたくさんの空気を吸ってい
るわけではないので‥‥。

だから、言葉が詰まっても「必ず出る!」のです。
そう、深呼吸しないかぎり!
ただし、出るまでに時間がかかるということです。
詰まったとき、「このまま出ないのではないか」と心配
し、不安になる人もいるかもしれませんが、そういうこ
とは絶対にありません。
苦しくなって、必ず息を吐き出します。
その時まで待てば、声は必ず出るのです。

  ~ 続く ~




強い心を作る~3

2016-02-26 13:33:33 | 心の健康

以前、乾布摩擦と冷水摩擦を取り上げましたが、実行
されていますか。
今回は[三点倒立]を説明します。

ご存じのように、三点倒立とは、両手と頭を使った逆立
ちのことです。
頭を使わない普通の倒立でも、血流が良くなるので、
落ち込んだ気持ちを前向きに切り替えるには効果的
なのですが、頭を使うことで頭頂部に強い刺激が加わ
り、元気回復効果はさらに強くなります。
(壁を使って行なってください。)

精神をきたえる目的で頭頂部に刺激を加えることは、
古くから行なわれています。
修験者や修行僧が滝に打たれるのもそうです。
頭・首・肩にかかる刺激はとても強烈です。
慣れないとすぐにギブアップしてしまうでしょう。

剣道では、竹刀をを真上から振り降ろし、脳天をねらう
「面(めん)」という技がありますが、「抜き面」をやられ
ると、防具の布があってもその痛さはすさまじいものが
あります。
その痛さに耐えるのが、精神をきたえることになるので
しょう。

頭の筋肉の緊張や、視神経の疲れがとれるのでお勧
めです。
ただし、吃音の人はかえって筋肉がこわばる可能性が
ありますので、発音筋などが硬くなると感じたらやらな
いでください。




吃音の話 71 ~ 矯正所に欠けていること(2)

2016-02-26 11:08:57 | 吃音

その矯正所では、まず先生のお話が30分ほどあり、
その後、呼吸法と朗読練習が30分続きます。
ウォーミングアップができたところで、一人ずつ立って
5分ほどのスピーチをします。
内容は自由です。
それが終わると、先生は退席し、生徒同士の自由討論
の時間になります。討論というより雑談と言った方がい
いかもしれません。
そして、終了時間になると、また先生が入室してきて、
最後のあいさつをして終了となります。

日曜・祭日以外は毎日あり、自分の都合のつく日に行
くことができます。
夜7時~9時までです。

月・水・金は、対人恐怖症などの精神・神経症状がある
人の日、火・木・土は吃音者の日になっていますが、ど
ちらの日に出席してもいいことになっています。

神経症の人が吃音の日に来ることはないのですが、吃
音の人は神経症の日にも出席した方がいいようです。
吃音は恐怖症の一種だからです。

ただ、出席しても先生のお話を聞いてから、ひとりづつ
スピーチをするだけなので、効果があるのかどうか疑
問があり、吃音者で出席しつづける人は少数です。
吃音だけで週3日もあるので、それ以上というのはきつ
いのでしょう。

しかし、吃音の日には技術的な話だけになってしまい、
恐怖症の仕組みや対処法については触れないので、
根本的に解消しようと思うなら、やはり無理をしてでも、
神経症の日のお話は聞いておくべきだろうと思います。

神経症のお話は、主に「森田療法」についてです。
先生ご自身が、長年吃音で苦しんだ人で、森田療法に
よって治ったため、それを実践されていたわけです。
ただ、森田療法は入院療法がメインで、費用も時間も
かかるので、お話を聞いただけでどの程度効果がある
ものか、はなはだ疑問なのですが‥‥。

先生ご自身は、入院療法で治ったのかもしれません。
それに、ひと言で「吃音」と言っても、その症状も原因
もさまざまです。みんなが先生と同じであるわけでは
ないのです。

自律訓練法も行なうのが良かったのではないかと思い
ます。生徒は毎日継続的に来ており、しかも2時間も
あるのですから‥‥。
その点が残念でした。

* 矯正所の内容を細かくご紹介するのは、地方にい
  て通所できない人のためです。
  「いったいどんなことをするのだろう。」
  という疑問もあるでしょうし、
  「はたしてその方法で治るのだろうか。」
  という思いもあるでしょう。

  都会で生活していて、あちこちの矯正所を知って
  いる人にもひとつの例として参考になるのではな
  いかと思います。




心身のリラックス訓練法(第二)あたたかい⑥

2016-02-25 17:52:10 | 自律訓練法 (心身のリラックスのために)

あたたかいイメージとして、方法1では「血液の流れ」を、方法2では「ひなたぼっこ」を取り上げ
ました。今回は、それ以外の方法を見てみましょう。

[方法3]湯上がり
お風呂や温泉にゆったりとつかり、身体のコリも取れました。
部屋に戻り、椅子に腰かけてのんびりしましょう。
神経の緊張も取れて、リラックスしています。
全身が火照っています。
(特に、意識を向ける腕が、身体の他の部分よりはあたたかいとイメージしましょう。)

[方法4]大きな暖炉
椅子にゆったりと腰かけて、大きな暖炉にあたっています。
薪(まき)を使った暖炉です。
あたたかい炎が揺らめいています。
部屋の中はとてもあたたかくなっています。
暖炉の熱があなたを包んでいます。
全身がポカポカとあたたかくなってきました。
腕に注意を向けると、あたたかくなって、少しふくらんできたように感じます。

*目を閉じて、リラックスして行なってください。
*最初に「重い」感じを出してから、「あたたかい」に入ってください。

● あたたかい感じが実感できたら、もう一方の腕でも行なってください。
  全身に広げていく順序は「重い」の時と同じです。