端枝に紅と白との梅しぐれ 庸晃
白梅へ杖の音してのぼり坂 庸晃
梅林の色も薫りも風運ぶ 庸晃
この文章は2008年3月7日の記述です。
今日は早朝より梅を見に綾部山梅林に行って来ました。兵庫県龍野市の瀬戸内海側にある二万本の梅林です。主に梅酒や梅干用に昭和43年12月に植栽されたもので本来は観賞用ではありません。ですが、大きい花のピンクや白、小さい花の白やピンク、真っ赤なもの、青みががった白、黄色がかった白と多彩でした。ここには歌碑や詩碑、それに句碑と目を見張るものばかり。実はわが師でもある伊丹三樹彦の句碑を写真に収めるのが目的でした。頂上にある三樹彦句碑には二句が作者の自筆でありました。
そぞろ歩は善相ばかり 梅の花
杖つくもよし どこまでも梅薫る
作者中年期のもので、この地での嘱目句です。自己主張の最も普遍化された私性の強く濃ゆく表現された句には、自然の景色とも溶け合って心を素直にさせてくれるものでした。梅林の頂上付近に句碑は建てられ瀬戸内海を見下ろすように設置されていて心和めるものでした。この時、若い男女がこの句碑の横に立ち記念撮影していたのが印象的でした。