はい、ちょっと間があいてしまいました。
聴きどころ、いきましょう。ひっそり。
前回までの流れでもうバレバレですが「ケシの花」です。
ついのすみかの1曲目「南冥行~蘭の舟~ケシの花」のラストであります。
記憶が確かならば、ライブでも同じように、この曲順で演奏していました。
それぞれ独立した楽曲としても聴けるものですが、あえて、3つをくっつけたメドレーとして、ひとからげ。
レコーディングはさすがに3曲いっぺんではなく、1つずつだったと記憶しています。
(3つ全部つなげて一発録りしてたら日が暮れるヨ。絶対どこかで誰かがミスるヨ!笑)
さて。
「南冥行」でちょっと南への憧れみたいな雰囲気を出し。
「蘭の舟」では何だか独りでムニャムニャといい気分になって海へ出て行き。
この2曲は、琉球からの、東南アジア(多分ね)。
オバタ的には、この2曲は「水っぽい」です。
暖かくて湿気の多い、低いところを、スーッと行きます。もう、川面・海面スレッスレです。
ところが「ケシの花」は一転、空気の薄い高山に咲き乱れる花畑へワープ(古っ)。
高橋氏に確認したわけじゃないので真意は不明ですが、オバタ的には、天山(てんしゃん。中央アジア、でいいのかな)あたりの、ものっそい高地に、青空の下、見渡す限りに咲いてるケシの大群落、なイメージ。
ケシの花は「ひなげし」です。言い換えたとたんにアグネスが「おっかのうえー」って、頭の中で歌いだします。
ケシの花は「ポピー」でもあります。「くーるまにポピー♪」の芳香剤CMなつかしいな。
いや、こんなこと書いてたらぜんぜん進まない! はてしない! なるべくかいつまんで…。
「蘭の舟」で海に出て、星なんか眺めちゃってネムネム…。
で、ふと気づくと、ぜんぜん別の場所に飛ばされているのです。
ぽつんぽつん、と始まる高橋氏のギターで「…あ?…ここドコ?」と目覚めた時点で、きっとかなりあの世に近くなっちゃってて、いわゆる「三途の川」状態でしょうか。
眼前に広がる広大なケシの花畑に、歌も半ば茫然としております。
おかしな感覚かもしれませんが、この曲には「音」を感じない。
音楽なのになぜ、と問われてもうまく説明できないんですが。
雲が流れていったり、風がそよそよ、ぐらいの動きはあるんだけど、なんていうかなあ、「静止画」あるいは「無」のような。
「も う ぜ ん ぶ お い て き ち ゃ っ た よ …」。
歌詞も少々、イッチャッてます。
空から子供歌い出したら幻聴だし。
ついに神様おりてきちゃうし。
聞きかじりですが、天山のあたりには神様の別荘地があるらしいので、たまにコソッと降りていらっしゃるんでしょう。
日本で言えば出雲の国みたいな? 10月が「神無月」ではなく「神在月」になるっていう…ちょっと違うか、うん。
映像的なイメージはすごく美しく、光っぽいキラキラ感のある曲ですが、ラストにまた高橋氏のギターがぽつんぽつん…と鳴り、なんか、死んじゃったのかオレ…な気分になります(笑)。
で、でもね、そうよ、大事なことを書かなくては!
2番あたりから、そーっとバックで鳴ってるアコーディオンは、cobaさんです(小林靖宏さん名義)。
ああ、ありがてえ、ありがてえ…。
と言いますか、cobaさんだけです、この曲で乗ってもらってるの。
基本、3人の音だけです。
2番あたりから、といえば、健さんのダルシマーの、それはそれは美しい音色が聴ける箇所があります。
♪たかいやまの「うえの あかいけしのはたけ」←ココらへん
3番では
♪あかいけしの「はなよ あおいそらのしたで」←ココらへん
ももも、もーう、ファンファンファン…って昇降するのがとても綺麗で、イチオシ・ニオシの聴きどころ。
前の「蘭の舟」の記事でも書きましたが、まさしく天上のものとしか思えない響きなのであります(怒り新党のはなわみたいになってきた)。
間奏ではすぐメロディ弾いたりできちゃうし、ダルシマーって本当に、幅広い。
でも「健さんならでは」の工夫がいっぱいあったことも、覚えてますよ、フフ。
ついのすみかは「南冥行~蘭の舟~ケシの花」で、ある意味「はじまって、おわっている」のかもしれません。
1曲目で完結て…。
そんな、とっても贅沢なんだけど商業主義には乗らないぜ的な、粋なつくり(裏返せば、金かかってる割にちっとも売る気なさそうな…)ができたのも、1991年という「時代」がまた、背景にあったのではないかな、とは、思うところです。
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