月の出る夜は ―SACRA ついのすみか―

昔、札幌で歌ってた人が期間限定で書いてみます。
オバタですが、何か…?

【小話】 あの曲の聴きどころ 「ナーダムがやってきた」

2015年12月24日 | ついのすみか小話

うわー、師走だ、クリスマスだ、紅白だ、とか考えるだけで気もそぞろ。

そうだ、再販のスケジュール?予定?がぼんやり入ってきました。
皆様のお手元に届くのは2月。2月だそうです!わーい!

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ずいぶんと更新が遅れましたが今回は2曲目の「ナーダムがやってきた」書くよ!

この曲は、昔ライブで見た方ならびに初盤をお持ちの方はご存知だと思いますが、オバタ、歌ってません。
幼稚園のお遊戯で使う「鈴」を振っていただけなんであります。
踊ってたかな? 転んでたかな?
どうだったかな?

つまり、ギターとダルシマーと鈴のインストゥルメンタル。

当時はちっとも知名度のなかった(失礼!でもホント)、ハンマーダルシマーという楽器の素晴らしさを伝えたい!と、組み入れた曲だったとおもいます。

「ナーダム」というのはモンゴルで夏に催すお祭りのこと。
国を挙げてのデカイお祭りです。

モンゴル広いからあっちこっちでナーダムするみたいですが、やはり首都ウランバートルでの開催は別格なよう。
それはそれは盛大に馬が走ったり、力自慢の男たちがモンゴル相撲とりまくったり、にぎやかでワハハな感じです。

そんなナーダムを想起して生まれた曲ですから、とても明るく仕上がりました。

最初から最後まで、テンテケ、テンテケと楽しげ。
健さんがずーっとずーっとメロディー弾いてますので、ダルシマー界の方は正座しちゃうかもしれませんが、健さんきっとそういうの喜ばないのでラクにいたしましょう。

Aメロ、Bメロ、コード進行、ここでブレイク!とか、そういう基本的なものは高橋氏のオリジナル。
ですが、1番2番と繰り返していくうち、どんどん華やかになっていくダルシマーのメロディーは、健さんが即興で自由に弾いていたものです。

何度もライブやったので、そのたび演奏が違ったはず。
健さんいろいろ試してみた。
たくさん試した。
きっとおうちでもたくさんためしてたとおもう!

でも収録の際にはさすがにコレと決めておこうという話になります。
健さんが何パターンか弾いてみて、高橋氏が「あーいいですね、それにしましょう」と選んだフレーズを、一発録りに備えていっぱい練習しました!健さんが!

合同練習もいっぱいしたので、最終的に決まったゴキゲンなメロディーはオバタも全部、耳で覚えたよ。
練習のとき一緒にメロディー歌ってたら、健さんダルシマー弾きながら「はは、すげー」って笑ってました。ええ、自慢ですとも。

でも目の前であの緻密な演奏を見ていた人としては、こちらこそ言いたい。健さんスゲー。

ダルシマーの音色をみせびらかす、いや、聴かせびらかすため、深みのある低音から繊細な高音まで幅広く使って、刻んだり、つないだり、トゥルルン♪したり、当時の健さんのダルシマー術がぎゅっと詰まっています。

健さんが楽しく弾いてる感じもきっと伝わるとおもいますよ。

そしてこの曲、カッチリ終わりません。なんとなく消えていきます。
なぜならば、次に「馬車夫の恋」で始まる中国民謡メドレーが来るため、それを予兆させる終わり方になっているのですね。

中国民謡メドレーは4曲でひとつですが、「ナーダムがやってきた」は、それらの壮大なイントロでもあり、かつ独立した、ダルシマーのための1曲なのであります。

いま思い出しても、健さんのダルシマーがタリラリトントン…と終わって静かになったところへ、馬車夫の恋のせわしないイントロが遠くからやってくるのが聴こえますよ、脳内で。

おそろしい構成。…って、オバタ、自分たちのCD、自分で聴き過ぎだな!しかたない、好きだから。
好きでなければ、再販のお願いにノコノコとネットに出てきたりしないし、自信もってオススメもいたしません。

「ついのすみか」は本当にいいアルバム(にしていただいた)です。参加していた本人がいうのだから間違いありません。
1曲ずつ取り上げてもこりゃ素晴らしいと今でも感じ入ること多々ありますが、初盤をお持ちの方はいま一度、その「全体の構成」も含めて、聴きかえしてみていただけたらなー、とおもいます。

そしてな、なんといってもこのアルバムのすごいところはな、曲数たくさんあるけど、全部とおして聴いても35分ぐらいなんだ!
でも何度でも繰り返して聴ける。それこそ1日じゅうでもリフレインできる。

その理由は…アルバムの半分がやさしさで出来ているから…

ってちょっとうまいこと言ったつもりになったところで、今日はこのへんで。
ナーダム!メリークリスマス!良いお年を!


【小話】 あの曲の聴きどころ 「中国民謡メドレー」

2015年12月05日 | ついのすみか小話

いや、決してサボっていたわけではないんです。

どうしたものかと考えていたんです、本当です。

 

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聴きどころを次に、と思っていたのは「馬車夫の恋」で始まる「中国民謡メドレー」。


馬車夫の恋(新疆民謡)が突出してご好評いただいているのは大変うれしいのですが、やはりそのあとの3曲「お姫様~ふらり~春来ませり」まで聴いていただいてこその、このメドレーなんじゃないかと、youtubeあたりで聴いて、他人事のように今さら感じ入るところもあるのです。

これは、美しいな。うん、美しい。もう認めちゃおうっと。

謙遜ばかりしてても中途半端になるだけだしね。誇りをもって申し上げますよ。美しいです。


馬車夫の恋は単独で1記事にしたのですが、残り3曲を1つ1つ書くべきか、まとめて書くべきか、迷っておりました。

うーん、やっぱり、まとまってこその美しさなんだと思う、このメドレー。


毎回くりかえし言うのを失念しておりましたが、まずは札幌で3人で一発録りしております。

さすがに4曲いっぺんじゃなかったですよね…1曲ずつ録ったはず。

じゃないと日が暮れるヨ! 絶対誰かミスる!…って前にもどっかで書いたな! すまない、誰かオバタにもっと語彙を…!


で、奥慶一さん編曲による、それは素敵なオーケストラを、あとから乗せていただきました。

ありがとうございます。

すっごい大変だと思うんです、目の前にいるわけでもない3人の、勝手な呼吸で演奏してる音源にあとから乗せるなんて。

なのに、曲それぞれのニュアンスをドスコイと受け止めていただき、メリハリも素晴らしく、もう本当に感謝としか。…オバタにもっと語彙を…!

(特に好きな箇所はと聞かれましたならば、春来ませりのフルートでしょうか。フルートだけあって、フルフルフルとても美しいです)


さて、このメドレーはタイトルどおり、中国のいろんな地方の民謡がベースになってますよ。

お姫様は、安徽(あんき)。←読めなくて今wikiさんに聞いたというテイタラク

ふらりは、四川。

春来ませりは、広東。


ですが。

どれが中国のどのあたり?すら、オバタは知らず考えもせず、能天気に歌っておりました。

今ならネットを使えば場所や土地柄など知ることはできるのでしょうが、当時のオバタには情報がほぼなかったです。



高橋氏から歌詞とか譜面(あったかな?)を渡された時点でもう「高橋フィルター」を通ってるので、オバタとしては、これはどこの民謡だ、これはドコソコの…といった「知識で歌う」必要がなかったんじゃないかな。今思えばですが。

日本の歌も、どこの歌も同じく、好きなように歌うだけで、その…なんていうんでしょう、必要だったのは…知識ではなく…、か、か、感性?(自分で言っちゃうとイタイじゃないか…誰か助けてくれよ…笑)


感性といえば聞こえはいいですけど、要は「融通のきかない歌フィルター」です。オバタを通すとこうなっちゃう。


いやしかし。
お姫様の「揺れ+多幸感」とか、ふらりの「寂寥失望感」とか、春来ませりの「歓喜バクハツ感」とか、ソコソコええじゃないか…と思うんだ、今聴いても。

当時のオバタの歌、良かったデスネ!


春来ませりは、前のふらりが暗い感じの曲調だったのが一気にパンッとはじけて明るくなるんですが、この感覚はおそらく雪国の民なら余計に身体でわかると思います。

寒く暗く冷たい冬をひたすら耐えて、春を待って待って待って、うわー春キター!(TT▽TT)ダァー!です。


前にもどこかで書きましたが、北海道は1年の半分が冬でできているので、春を実感した瞬間というのはもう、タマランものがありまして、その感じはよく出てると思うの。

そのあたり、聴いてね♪


そして各曲にいろんな工夫をしながら彩りを添えてくれた健さんのダルシマー。


おそらく健さん、さまざまな奏法を、SACRAで試行錯誤したはずです。

何せ、高橋氏は健さんにほぼ「丸投げ」でしたから。

見てました、曲によっていろんな工夫してくれてたこと。

記憶が確かならば、ダルシマーと歌がケンカしないよう、音色を柔らかくするために、ハンマーに何やら巻いてみたりとか、してくれてました…よね?


さらに記憶が確かならば、お姫様が某航空会社のCMソングとして候補にあげていただいたけど採用には至らなかったエピソードあり。

採用されたのはおのまさとしさんだったとおもいますそりゃもうかてるわけがないのでくやしくもなんともない


お姫様はお年寄りと子供に特に好かれたようです。あのフワフワなイントロで酔っちゃうよね!(by 加藤ストリングスさん)


しかしなー当時のオバタの声は我ながら良かったと思うのですよ。

ずっと聴いてたら好きになっちゃうレベルだと思うよ! でも誰も言い寄ってこなかったぞ! なんでだ。

歌ってないオバタはガラッパチなオッサンだからか。そうか…。


もうコレ、何が聴きどころなんだかわかんない記事じゃないか。まことに申し訳ござらぬ…!