「★京難民」
某雑誌の書評を見て購入したのだが、その書評にあったとおり怖い怖い「ホラー小説」だった
普通の生活を送っていた学生が、親の破産を機にあっと言う間にホームレス(難民)になっていく様はリアルで本当に怖い
絵空事ではなく誰にでも起こり得ることだから、尚更真に迫ってくる
社会のセーフティネットである国・企業・家庭の3Kが機能しなくなっていることが問題であることをこの本は暗に警告している
国は混迷を極め、企業はその煽りを受け業績は上がらず、家庭は核家族化が進む中、最後は一人ひとりが現実を受け止め、何を為すべきかを考えて生きていかなくてはならないのだろう
その個々の生き方を難民の長(おさ)的な老人はホームレスとなって苦悩する主人公を諭す
「過去はひとを縛り、未来はひとを惑わす。おまえには、いまがあるだけなのに、何を思いわずらう」
「きのうにこだわり、あすを夢見て、きょうを忘れる」
人は過去や未来に執着するあまり、今を生きることを忘れ、なかなか新たな一歩が踏み出せないのではないか
それは自分への執着であって、人のために生きる、つまり利他の精神の中にこそ、進むべき道が見えてくるのかもしれない
550ページ余だが展開の速さに一気に読める作品
ホラー作品を読むには少々涼しくなり過ぎたが、最後は暖かみを感じさせてくれる
是非ご一読を
「危★管理・記★会見」のノウハウ
本屋で見かけて、時宜を得た本だな~と思い購入
「★機管理」という言葉を作り出した(らしい)筆者の豊富な経験談がちりばめられていて、非常に読み応えのある一冊だった
「責任と犬と新★記者は逃げると追ってくる」「悪い報告は真っ先に上げなければいけない、上は聞いたら叱ってはならない」「自分の優位性に胡坐をかいて、他人の感情や空気が読めなくなっている偉い人ほど失敗する」などの下りは至極納得
読み終えた感想は、ある一線を越えた案件についての記★会見というのは、生半可な準備では対応は難しいということ
リスクと捉えてどこまで平時に準備出来るかなのだが…
業務運営上の危★管理と違って、特異な専門性を求められる対応だと思う
現実に起こったことを想定して訓練するのも難しかろうと思うし…
筆者は有事に備えて「コン★ライアンス・オフィサー」を育成することが大事と説く
個人的には、巻末の解説にも共感w
我が国のNewspaperへの警鐘をならしてゐる
・日本の新★を読んでいて常々不思議に思うことがある。よその国の政府は紙面でなじることはない。そのくせ自分の政府となると豹変する。
・日本には政治家はけなすもの、政府は叩くものみたいな伝統がある。根をたどると★聞が生まれた頃の明治維新政府との確執にまで遡れる。
・米国でも英国でも新★は国益を考え、それを世論に訴える役割を担っている自覚がある。対して日本の★聞は国家にとって何が重要かを世論に問いもしない。逆に自国政府を批判し、ときにはむしろ米国案に同調した。
・加藤寛治は日英同盟破棄の先も見通せない新★の危うさを嘆いた。今の★聞もまた日本の明日を見ていない。なのにそれをさっぱり忘れ、危機感を持たない。
正に同感である。
震災発生前後、何人かの著名人の口からこの本の名前が出ていたのを思い出して、Amazonにて購入
先日のお江戸出張の機中でほとんど読み終えた
帰りの飛行機では、多少アルコールが入っていたこともあり、クライマックスの辺りで不覚にも泣いてしまったww
全体を通して感じるのは、明治男性のストイックさと「無私」の精神(文中には「維新後、めっきり(そういう人間)は少なくなった」などと書かれているが)
現代人は自分の欲求が各人の行動の全てになっているが、世のため、人のために生きることの尊さを主人公永野信夫の一生を通して訴えている作品
本書は、基督教と不可分だけど、信者ではなくとも読み応えがある内容となっている(ちなみに私も信者ではございませぬ)
是非、ご一読を
「塩狩峠」 三浦綾子
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4101162018/ref=oss_product
Amazonで知って購入したのだが、読んでいくうちにひきこまれてしまった
昭和初期の中学生コペル君が身の回りに起こる出来事や叔父さんとのやり取りを通して、大人への階段を一歩一歩登っていく
抱く疑問や悩みが凄くピュアで、「自分もいつかそんなことで悩んだっけ」と共感を覚える
読み終わって、清々しい気持ちになれました
少年少女向けといっても読みごたえある内容
特に「おじさんのNote」は毎度示唆に富んでいるから、読んでいて「ふむふむ」と唸ってしまうw
また、丸山眞男氏が書評(正確に言えば、著者の追悼文)を寄せておられることにも驚いた
丸山先生と言えば、恐れながら大学の卒論のテーマで「日本の思想」を参考にさせていただくなど自分が尊敬する方のおひとり
その丸山先生も「君たちはどう生きるか」を読んで感銘を受けておられたなんて…
(まぁ、俺の一方的な感慨なわけですが)
老若男女を問わず、多くの人に読んでもらいたい一冊
11月26日付日経新聞スポーツ欄コラム「アナザービュー」
スポーツ選手の重心の取り方についての記載
肉体が接触する競技では、骨盤の操作による重心点の瞬間的変化を効率よく使えれば別の世界が広がる、のだそうだ
相撲とは重心の崩しあいであって、相手の重心を捕まえ崩せば、美しく技は決まる
だから、相撲古来の稽古で重力感覚を身につけた白鵬は盤石の強さをみせるのだと
他方、メッシも重心移動の達人
ドリブルの最中でも重心軸がぶれないから、運動エネルギーのロスが少なく、高速ドリブルにつながる
あまりの速さにDFはメッシの残像にタックルするような感覚なのだそうだ
重力を味方につける
なかなか素人では簡単にはいかない技だよねww