Knitting Academy

編み物と音楽を中心とした趣味の記録です。

最近の『毛糸だま』

2011-01-26 22:00:59 | 編み物

昨年冬号当たりからの『毛糸だま』の変化には正直言って舌を巻いている。編み物を始めた5、6年前くらいからずっと購読しているのだが、単なる編み物カタログを越えて、編み物雑誌として読めるように進化を遂げたように感じる。

まず表紙の写真からして違う。中身の写真は更に違う。これまでモデルさんがヌボーっと立って作品をただ大きく見せるだけだったのに対し、動きを感じさせるポーズを取り入れている。さらに、少し引いたアングルで撮っているで自然とバックが写り込むのだが、そこに置かれる小物達にも細心の注意が払われている。全体的にカントリー調の雰囲気にまとめられているような気がするが、それは好みが分かれるところであろう。個人的には好きですけど。

また、内容的にはデザイナーさん達を大事にする姿勢が見て取れる。彼らの編み物に対する想いなどが紹介されていて、それだけでも好感が持てる。海外のニットデザイナー達が個人名を強く主張できているのに比して、日本のデザイナーはごく一部の人々を除いて出版社に取り込まれて没個性化させられてしまっているな、と考えていたので、これは間違いなく良い傾向だと思う。インターネットの普及と共にどの分野においても才能ある個人が頭角を現してくるのは自然な流れだし、いつまでも出版社(もしくはスポンサーである企業)主導の体勢は続かない。今回の『毛糸だま』の変革を、来るべきデザイナーと出版社の相互関係の先取りと見るのは早計だろうか。

変化を好む人もいれば、安定を望む人もいる。万人にとっての正解は無い。ただ、今回の改革は時代の変化を取り入れた自然な流れだったのだと思う。非常に長い歴史を持つ編み物は、技術的には既に飽和してしまっているのかも知れないけれど、まだこうやって少しずつでも変化して行く可能性を残していると考えると、意外とまだまだ行けるのかも知れない。


紡ぎ車自作プロジェクトー苦闘編ー

2011-01-08 20:47:36 | 編み物

新年、いきなり苦闘編です。ひとまず、どこまで出来たかと言いますと、

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こんな材料を用意してみました。上からφ6 mmのアルミ棒(中心の軸)、φ12 mmのアルミパイプ(引き込み口用)、中段左からホームセンターで売っていた電気関係の部品(用途不明、内径12 mm)、オイレス#80 1206(注油不要のベアリング)、桧材で作ったもので、元はW:30, D:9, H:160にφ10 mm, φ6 mm, φ10 mmの穴をあけ(裏側は中心にφ12 mm)張り合わせたもの。φ10 mmのアルミパイプ2本、ファルカタ材を直径12 cm, 9.2 cm, 6.4 cmに切断した後、断面を三角形のヤスリで削ってベルトの溝を作り、3枚重ね合わせたもの。その下はオイレス#80 0603です。

組み合わせると、こんな感じになります。

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今回の最大の目玉は、ボビンの通っている中心軸の両端にネオジム磁石という強力な磁石を装着しておき、右側のプーリーから左のフライヤーまで動力を伝達するというアイデアでした。これだとプーリー部分を外さなくてもボビン部分がガポンと外れての交換が出来るので、かなり便利な代物になるのではないか、と期待してました。しかし、確かにボビンの重さを支えてはくれるのですが、回転させると磁石同士が滑って空回りしてしまい、大失敗。磁石の間に摩擦の大きいサンドペーパーを挟んでみたりもしたんですが、さすがに直径6 mmという小さな面積では難しいようです。

そこで考えたのが、以下の配置。

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プーリーを左側に持ってきました。こうすれば、ボビンを外す時にプーリーが邪魔にならず、交換が容易になるはず。しかも、プーリーとフライヤーを直結できるので手間のかかる工作も無くなります。ただしご覧の通り、これだとボビン側のプーリーとフライヤー側のプーリーの位置が離れてしまいます。多分、単一の動力源からそれぞれに動力を分割しなければならないんだろうな。それぞれにベルトの張り具合を調節する機構を備えなければならないし、果たしてこれが最善の策なのかはもう少し考えてみる必要がありそう。