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どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

落書きのラブレター。

2008-10-08 | Sandstorm
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なぜ言葉はこんなにも何も伝えられないのだろう。
なぜ言葉は本当のことを伝えてくれないのだろう。
言葉は単なる便利で大雑把な記号でしかなく、どんなにどんなに積み重ねても、大切なことを思い通りに伝えられなくて。
こんなにも。
こんなにも。
こんなにも、首の後ろのもどかしい気持ちで。


あのときの音、匂い、目に映ったもの、温かさ。
全てはやがて旋律となり、言葉はその甘美な旋律に乗って、私のなかに吸い込まれていく。
でも言葉はとても弱くてすぐに風化し、その意味は一定の方向に勝手に向かってしまうものだから、やがてはいつも真実すらも見失ってしまう。
私のなかで起こったこと、順番、あのときの額の熱さのわけ。
たかがそんなことをもを忘れさせる。
本当はもっと大切なことだったはずなのに。
誰も言葉を信じすぎてはいけない。
誰も私を信じすぎてはいけない。


私のなかの、少しずつ降り積もった気持ち。
頭のなかを一枚の写真のように切り取ることはできないのと同じように、私の言葉はそれを全てに表すことはない。
嬉しさも悲しさも、怒りも寂しさも、伝えたいことはいつも同じではないのに。
まるで百億の昼と千億の夜をひとつひとつ思い出していくように途方もない。
近づいて近づいて、それでもまた空を見上げる。
そして、私はどんどん無口になる。
無口になる。
もしかしたら何も語らないことでしか、これまでの全ての想いが生きる術はないのかも知れない。
そして何も語らないことが、一番本当のことを伝えるのかも知れない。
そんな錯覚。
それはまるで世捨て人のよう。
あまりにも多くのことがありすぎた。
そしてそれがたぶん、大なり小なり、みな歳を重ねていくということなのだろうか。


ただそんな意識とは裏腹に、まるで無関係であるかの如く、今日も世界は言葉の洪水だ。
否応なしに毎日毎日押し寄せてくる。
私に降り注ぐ言葉のシャワーを、自分は正しく感じることはできているだろうか。
ふと、不安になる。


なぜ言葉はこんなにも何も伝えられないのだろう。
なぜ言葉は本当のことを伝えてくれないのだろう。
言葉は単なる便利で大雑把な記号でしかなく、どんなにどんなに積み重ねても、大切なことを思い通りに伝えられなくて。
こんなにも。
こんなにも。
こんなにも、首の後ろのもどかしい気持ちで。


今日も私は、言葉で世界と繋がっている。
言葉と戦いながら。
言葉に癒されなから。
言葉で伝えられないもどかしさに悶えながら。
言葉ではなく、生きてみせようと、もがきながら。
愛しく思えばこそ。
私は、だんだん無口になる。
そして、ただどうしようもなく、はにかんで笑ってみせる。


・・・

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