「こんな脚本よくもまあ思いつくもんですね…」
はい、二本目。こちらは公開初日の本日(ってか日付変わってる…)鑑賞です。
菊池凛子がアカデミー助演女優賞ノミネートって事でひたすら話題になったこの作品。でもジャンル的には大衆向けじゃないし、なんか話題性だけがやたらと先行してる気がしないでもないのでちょっと不安でした。でも監督は21gのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(映画好きじゃない限り絶対覚えられない名前ですよね)だし、ケイト・ブランシェットでてるからその時点で観る事決まったも同然ですがね。そんなわけでこちらの作品。
バベル
BABEL
上映時間 143分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2007/04/28
ジャンル ドラマ
映倫 PG-12
キャッチ・コピー
神は、人を、分けた。
監督: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:
ブラッド・ピット
ケイト・ブランシェット
ガエル・ガルシア・ベルナル
役所広司
菊地凛子
「アモーレス・ペロス」「21グラム」の俊英アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、旧約聖書の“バベルの塔”をモチーフに描き出す衝撃のヒューマン・ドラマ。モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本、それぞれの場所で孤独な魂どうしが織りなす愛と哀しみ、再生への希望の物語が同時並行で鮮やかに綴られていく。日本から役所広司とともに参加した菊地凛子が各国の映画賞レースを賑わせ日本でも大きな話題となる。
モロッコ。険しい山間部を走る一台のバス。そこに乗り合わせた一組のアメリカ人夫妻、リチャードとスーザン。壊れかけた絆を取り戻すため二人だけで旅行にやってきた。ところが、遠くから山羊飼いの少年が放った銃弾が運悪くスーザンの肩を直撃する。血まみれの妻を抱え、医者のいる村へと急ぐリチャード。一方、夫妻がアメリカに残してきた幼い子供たちの面倒をみていたメキシコ人の乳母アメリア。息子の結婚式に出るため帰郷する予定が、夫妻が戻らず途方に暮れる。仕方なく、幼い子供たちも一緒に連れてメキシコへと向かう決断をする。やがて事件を起こしたライフルの所有者として、最近妻が自殺したばかりの東京の会社員、ヤスジローの名前が浮かび上がる。そんな彼の女子高生になる聾唖の娘チエコは、満たされない日々に孤独と絶望を募らせていた…。
公式サイト
すごい評価するのが難しいです。文字通り、「問題作」って感じでしょうか。
でも素晴らしいです。私は好きですね。かなり好きです。腑に落ちない点も少しありますが、それを補う素晴らしい脚本。それにタイトルがいい。「バベル」…これほど的確なタイトル珍しいです。そしてアンサンブル演技。これがいい。
とにかく上映時間がすごい短く感じるほど夢中になりました。全く飽きなかった作品。
ってか絶対感想まとめられません。まあ頑張ってみよう。
脚本
本当まずはこれ。この脚本。素晴らしい。とにかく素晴らしいのです。なんでアカデミー賞とれなかったのかね?ま、実際つっこみたい所もありますけど充分すごい。
話の展開、場面展開、順番、構成がとにかく巧みなのです。
どことなくテーマと言うか描き方が「クラッシュ」に似てる気がしました。多数の人間の人生が些細な事で複雑に絡み合いもつれていく…こういう群像劇っぽいの大好きです。
そしてこの監督の醍醐味であるパズルのように破壊された時間軸。しかもこの作品では時間だけでなく場所もバラバラ。それが徐々に合わさっていく様は本当心地よいです。
人間は言語を操る事ができる動物ですが、実は言語に操られているのではないかと感じました。伝えたい事が伝えられない。世界はバラバラなのでしょうか。
なんか言いたいことがまとまりません。まとめられないです。
さて、東京が舞台になってますが日本人から観ると多少の違和感を感じてしまうかも。でも日本を象徴する着物や鳥居とかが出てくる映画よりははるかにリアルな東京でした。外国人が見たらさぞ変な国だと思うでしょうね。
で、その日本が舞台のエピソード、内容的には重くてすごい印象深いんですが、若干他のエピソードとは一線を画してる気がしました。確かに一発の銃撃から繋がってはくるんですけどね。
だめです。やっぱりまとまりません。
キャスト
正直ブラピの演技は普通。下手ではないですがね。
大好きなケイト・ブランシェット。ほとんど銃弾に倒れて寝てるシーンですが、そこでの夫との会話やそれ以外での会話なんかの目線やため息、全身から溢れる寂しさが素晴らしいです。ってか好きな俳優だと一方的に高評価しちゃうんですけどね。
ガエル・ガルシア・ベルナル、初めて演技見ました。省略(笑)
役所さんも略。
さて、話題沸騰の菊池凛子ですが、上手いです。確かに上手い。とらえどころがない複雑な心境であるチエコを演じきってるとは思います。でもアカデミー助演にノミネートされるほどか?ってのが正直な感想です。全然下手ではないんですがね、なんかやたらと繰り返される性的に大胆な演技が過剰評価されてるのではないかと思いました。確かに挑戦した度胸はすばらしいですけどね。
むしろそれ以外のあまり知名度高くない俳優達の演技のほうがずっと素晴らしかったように感じます。
今回一番驚いたのがアドリアナ・バラーザの演技。正直こんな女優知りませんでした。
でもやばい。マジですごい演技です。魂の演技って感じ。これはアカデミーノミネートも容易に納得。本当鬼気迫るくらいリアルです。正直泣きそうになりました。別に感動させるような場面じゃない所で、彼女の演技に涙流しそうでした。それぐらい上手いです。すごい。これから先要チェックですね。
ジャンルとしての出来栄え
すごい色々な問題提議をしてくる映画です。政治問題や国際関係、異文化理解や障害者のこと、そして何より言語の違いによる相互理解の欠如でしょうか。本当今の世界を断片的にもかかわらず全体像を写してるかのようです。すごいリアルな世界の縮図と言う感じ。なんか本当色々考えさせられます。
全体的に絶望に溢れた映画ですが、希望も同時に見えてきます。
この後世界はどうなったのか…映画で描かれなかった所を考えるとまたすごいややこしいことになりそう。まあ人々は絶対理解しあう事は出来ない気がします。残念ですけどね。
はい、やっぱりまとまりません。とりあえずすごい映画です。「このエピソードいるん?」的なものもありますが、それでも充分すごい。
★★★★★★★★☆☆
8つ星さしあげた所で更新おわり!疲れました。眠い。
はい、二本目。こちらは公開初日の本日(ってか日付変わってる…)鑑賞です。
菊池凛子がアカデミー助演女優賞ノミネートって事でひたすら話題になったこの作品。でもジャンル的には大衆向けじゃないし、なんか話題性だけがやたらと先行してる気がしないでもないのでちょっと不安でした。でも監督は21gのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(映画好きじゃない限り絶対覚えられない名前ですよね)だし、ケイト・ブランシェットでてるからその時点で観る事決まったも同然ですがね。そんなわけでこちらの作品。
バベル
BABEL
上映時間 143分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2007/04/28
ジャンル ドラマ
映倫 PG-12
キャッチ・コピー
神は、人を、分けた。
監督: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:
ブラッド・ピット
ケイト・ブランシェット
ガエル・ガルシア・ベルナル
役所広司
菊地凛子
「アモーレス・ペロス」「21グラム」の俊英アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、旧約聖書の“バベルの塔”をモチーフに描き出す衝撃のヒューマン・ドラマ。モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本、それぞれの場所で孤独な魂どうしが織りなす愛と哀しみ、再生への希望の物語が同時並行で鮮やかに綴られていく。日本から役所広司とともに参加した菊地凛子が各国の映画賞レースを賑わせ日本でも大きな話題となる。
モロッコ。険しい山間部を走る一台のバス。そこに乗り合わせた一組のアメリカ人夫妻、リチャードとスーザン。壊れかけた絆を取り戻すため二人だけで旅行にやってきた。ところが、遠くから山羊飼いの少年が放った銃弾が運悪くスーザンの肩を直撃する。血まみれの妻を抱え、医者のいる村へと急ぐリチャード。一方、夫妻がアメリカに残してきた幼い子供たちの面倒をみていたメキシコ人の乳母アメリア。息子の結婚式に出るため帰郷する予定が、夫妻が戻らず途方に暮れる。仕方なく、幼い子供たちも一緒に連れてメキシコへと向かう決断をする。やがて事件を起こしたライフルの所有者として、最近妻が自殺したばかりの東京の会社員、ヤスジローの名前が浮かび上がる。そんな彼の女子高生になる聾唖の娘チエコは、満たされない日々に孤独と絶望を募らせていた…。
公式サイト
すごい評価するのが難しいです。文字通り、「問題作」って感じでしょうか。
でも素晴らしいです。私は好きですね。かなり好きです。腑に落ちない点も少しありますが、それを補う素晴らしい脚本。それにタイトルがいい。「バベル」…これほど的確なタイトル珍しいです。そしてアンサンブル演技。これがいい。
とにかく上映時間がすごい短く感じるほど夢中になりました。全く飽きなかった作品。
ってか絶対感想まとめられません。まあ頑張ってみよう。
脚本
本当まずはこれ。この脚本。素晴らしい。とにかく素晴らしいのです。なんでアカデミー賞とれなかったのかね?ま、実際つっこみたい所もありますけど充分すごい。
話の展開、場面展開、順番、構成がとにかく巧みなのです。
どことなくテーマと言うか描き方が「クラッシュ」に似てる気がしました。多数の人間の人生が些細な事で複雑に絡み合いもつれていく…こういう群像劇っぽいの大好きです。
そしてこの監督の醍醐味であるパズルのように破壊された時間軸。しかもこの作品では時間だけでなく場所もバラバラ。それが徐々に合わさっていく様は本当心地よいです。
人間は言語を操る事ができる動物ですが、実は言語に操られているのではないかと感じました。伝えたい事が伝えられない。世界はバラバラなのでしょうか。
なんか言いたいことがまとまりません。まとめられないです。
さて、東京が舞台になってますが日本人から観ると多少の違和感を感じてしまうかも。でも日本を象徴する着物や鳥居とかが出てくる映画よりははるかにリアルな東京でした。外国人が見たらさぞ変な国だと思うでしょうね。
で、その日本が舞台のエピソード、内容的には重くてすごい印象深いんですが、若干他のエピソードとは一線を画してる気がしました。確かに一発の銃撃から繋がってはくるんですけどね。
だめです。やっぱりまとまりません。
キャスト
正直ブラピの演技は普通。下手ではないですがね。
大好きなケイト・ブランシェット。ほとんど銃弾に倒れて寝てるシーンですが、そこでの夫との会話やそれ以外での会話なんかの目線やため息、全身から溢れる寂しさが素晴らしいです。ってか好きな俳優だと一方的に高評価しちゃうんですけどね。
ガエル・ガルシア・ベルナル、初めて演技見ました。省略(笑)
役所さんも略。
さて、話題沸騰の菊池凛子ですが、上手いです。確かに上手い。とらえどころがない複雑な心境であるチエコを演じきってるとは思います。でもアカデミー助演にノミネートされるほどか?ってのが正直な感想です。全然下手ではないんですがね、なんかやたらと繰り返される性的に大胆な演技が過剰評価されてるのではないかと思いました。確かに挑戦した度胸はすばらしいですけどね。
むしろそれ以外のあまり知名度高くない俳優達の演技のほうがずっと素晴らしかったように感じます。
今回一番驚いたのがアドリアナ・バラーザの演技。正直こんな女優知りませんでした。
でもやばい。マジですごい演技です。魂の演技って感じ。これはアカデミーノミネートも容易に納得。本当鬼気迫るくらいリアルです。正直泣きそうになりました。別に感動させるような場面じゃない所で、彼女の演技に涙流しそうでした。それぐらい上手いです。すごい。これから先要チェックですね。
ジャンルとしての出来栄え
すごい色々な問題提議をしてくる映画です。政治問題や国際関係、異文化理解や障害者のこと、そして何より言語の違いによる相互理解の欠如でしょうか。本当今の世界を断片的にもかかわらず全体像を写してるかのようです。すごいリアルな世界の縮図と言う感じ。なんか本当色々考えさせられます。
全体的に絶望に溢れた映画ですが、希望も同時に見えてきます。
この後世界はどうなったのか…映画で描かれなかった所を考えるとまたすごいややこしいことになりそう。まあ人々は絶対理解しあう事は出来ない気がします。残念ですけどね。
はい、やっぱりまとまりません。とりあえずすごい映画です。「このエピソードいるん?」的なものもありますが、それでも充分すごい。
★★★★★★★★☆☆
8つ星さしあげた所で更新おわり!疲れました。眠い。