おじいさんに化けたきんたは 今日も お腹いっぱいでぐっすりとねむりこみ
きつねのすがたにもどっていました。朝 きがついたきんたは またあわててエイヤッとかけごえをかけて おじいさんに化けました。
また おぼうさまは
「おじいさんに えいようのある おさかなをもらってきてあげるからまっていなされ」
そういうと 村に出かけていきました。
きんたは
”やったぜ!さかななんて ひさしぶりだぞ。たのしみだなぁ。フッフッフッ”
にやにやしてまっていると おしょうさまは おじさんといっしょにかえってきました。
「おじいさんは みやこ村のゲンさんを たずねて まよってしまったといってたね。この人は ゲンさんをしっているんだそうだ。この にもののさかなを食べたら おくってもらいなされ。1里もいったらゲンさんの家があるらしい」
「よう知ってますわ。ゲンさんは えらいケチでイジワルで としよりも びょうにんも はたらかすということだが ゲンさんの しりあいだったら まさか はたらかせはしないだろうが・・・ とにかく ひどいにんげんらしいが」
と おぼうさまが つれてきたおじさんがいいました。
きんたは
”えぇ! まずいなぁ。てきとうな でたらめな村のなまえと いいかげんな人の名前いったのに・・・ ほんとうに! そんなむらがあり そんな人がいたのかっ! まずいなぁ”きんたは思いました。”はたらくなんて! いやだ”きんたは お便所にいくふりをして にげだしました。
きんたは 考えました。
”そうだ! おこぞうさんに化けよう。そうしたら あのお寺に ずっと住めるぞ!” そう考えたきんたは おこぞうさんに化けて またあのお寺にいきました。
また あのおぼうさまがでてきて
「これは いいときにきてくれたものだ。わしのでしがほしいと思っていたところだ。さぁ あがって あったかいものでも おたべ」
と いってくれました。
また きんたは お腹いっぱい食べました。しかも 今日はおかゆでかなく 白いお米と さといもいっぱい入ったおみそ汁でした。きんたは もうお腹がはれつしそうなほど いっぱい食べました。
そして いままでのように ぐっすりねこみ きつねにもどっていましたが おぼうさまが へやにはいってくるまえに こぞうさまに化けました。
しかし
きんたの化けたこぞうは さっそくおぼうさまに お寺のろうかのふきそうじ にわのかれはのはきそうじ・・・ つぎつぎと おぼうさまは きんたのこぞうに ようじをいいつけました。
”えぇっ~~ しんどいよう~~ いやだよう~~”きんたは思いましたが
にげだすまもなく おぼうさまはきんたについてあるくのです。
そして ちょっとのおかゆと 実のないお汁を食べると おぼうさまは 本堂にきんたをつれていくと おきょうをいっしょにとなえるよういいつけました。
きんたは おきょうを知りません。
「おまえは こぞうなのにおきょうを知らないのか? わしに ついてとなえるのじゃ」
と おぼうさまは いげんをもっていいました。
きんたのこぞうは おぼうさまのうしろで ”せいざ”して おぼうさまについて モニャモニャ・・・ となえていましたが・・・
”ゴッテン”と うしろにひっくりかえってしまいました。
こぞうに化けていても もともとはきんたはきつねですから ”せいざ”は とても むりで むつかしかったのです。
ひっくりかえったとどうじに きんたは・・・ きつねにもどっていました!
「わっはっは~~ わっはっは~~わっはっは~~」
おぼうさまが おおわらいしてきんたをみました。
つづく