ぼく ママのおっぱい のみながら
いいきもち しあわせいっぱい
ママ ぼくを ぺろぺろ やさしいにおい
ぼく うとうと ねむ~~い うとうと
がしゃん!!
えっ
ママ おどろいて
ぼくの あし かんじゃった!
ぼく いたい! いたい!
ぼく それからのこと・・・
なんにも おぼえていない
ぼく めをあけたとき
ぼくの みぎのまえあし
しろいきれで ぐるぐるまき
いたい! いたい!
ママがいない!
いっしょにいた きょうだいも いない!
ぼく ひとりぼっち・・・
さみしい こわいよ
どうしたのだろう?
みんな どこ?
「あぁ きがついたみたいよ」
「いたいの? かわいそうね」
「おかあさんが ゲージがおちたとき」
「そう おどろいて」
「きみの あしかんじゃって・・・」
「いたいの? いたいよね?」
なんだか にんげんのこえが
ぼわ~ん ぼわ~ん ときこえる
ぼくは ママに あし かまれたの?
ぼくの あしは ずっきんずっきん
いたい いたい!
でも ママに あいたいよ・・・
あいたいよ・・・
さみしいよ かなしいよ
「でも このあしじゃ うれないね」
「けっとうは いいんだけどね」
「あしの ふじゆうな いぬを」
「かうひとなんか いないでしょう?」
「こまったねぇ 」
「でも あしのきず なおったら」
「おみせに だしてみようよ」
「そうね やさしいひとが」
「かってくれるかも しれないしね」
また、にんげんのこえが ぼわ~んときこえた
なんのことだろう?
それから なんにちかして
ぼくの あしのいたみは なくなった
ぼくは たくさんの いぬのいるとこ
ぺっとしょっぷと いわれている おみせに
つれていかれたんだ
おみせのすみっこに ぼく ひとりぼっち
ママもいない・・・
きょうだいもいない・・・
ぼくは こわくて さみしくて かなしくて
ぼくのまえに
だれかが たっていた
やさしいめ・・・ ちょっとかなしそうなめ・・・ で
ぼくを みつめていた
「ちょっと じこで あしがふじゆうですが」
「いいいぬなんですよ あたまもいいし」
「トイプードルです てまもかかりませんし」
「プライスダウンします」
また にんげんのこえが ぼわ~んと きこえた
ぼくのまえにたった ぼくをみつめていた
おんなのひとのめから なみだが
ぽろっと ながれていた
そして
ぼくは このおんなのひとと
やさしい おとこのひとのすむ
いえに やってきたんだ
そして
ぼくは ぷー という なまえになった
つづく