栃木県は昨年来、足利事件で県警の対応などが非常に注目されてきました。
また、栃木県は交通事故が非常に多く「栃木は交通マナーが悪い」ことで有名です。
深い内容だったので、私の下手な文章で書くと非常に誤解を招くのでご勘弁を…
ただ、お話しをうかがって私が感じたのは、県警のトップとして、既成概念にとらわれず、ことの本質というか、人としての原則を確立されていて、誠実に意思決定をして、その通りに組織を動かしているのだということ。
とても穏やかでニコニコしている感じなのですが、言葉にものすごく深みと迫力がある。
人の命、社会の安全を守るためには、絶対妥協しないという厳しさを感じました。
栃木県警にいらっしゃる前に、月刊治安フォーラム(主に警察向け?の月刊誌)に寄稿された文章はとても力が入っていて、心に響いたので、本部長のお許しを得て、ご紹介させていただきます。
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「若い警察官に問う」
君が警察学校を卒業して四年が経った。実務の現実に戸惑い、迷っている君。地を這う現場の苦労に喘いでいる君。下積みの中で、自分を認めてほしいと焦がれている君。君に問う。警察官を選んだ理由はなにか。あの頃の理想を思い出せるか。
数ある職業の中から、君は警察官を選んだ。安定を求めてか。やりがいを求めてか。この道は、奉仕と犠牲の道である。社会への貢献こそ喜びがある。それを忘れたのなら、職を転ずるがよい。
警察官は悪と戦う。そのためには、団結しなければならない。己に規律を課さねばならない。君の魂の底に「原則」はあるか。命を拓せる仲間はできたか。
警察官は命令を待てない。突然の危機の中で、君は一人で判断しなければならない。目の前の、その人を救わなければならない。だから問う。孤独な決断をする覚悟はあるか。覚悟があるなら、努力しなければならない。職にある限り、学び続けなければならない。
君の仕事はどんな仕事か。29万人の連帯の中で、君の努力が国家を守っている。君の努力が人々を守っている。使命感はあるか。誇りはあるか。被害者の悲しみと向き合う、熱い心はあるか。
思いがあるなら、行動しなければならない。困難に挑み、乗り越えなければならない。逃げずに、リスクを取らなければならない。失敗したら、また挑まなければならない。
君に問う。愛する人はいるか。いるなら、とことん愛さなければならない。いつか難局が訪れたとき、君が命を懸けて戦うとき、その人の愛が君を支えるから。
最後に君に問う。人間の本当の価値を決めるのは、その人の能力ではなく、岐路でその人がなす選択である。自由意思が人間に尊厳と責任を与える。あの時に選んだ道を、まっすぐに歩んでいけ。
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命を懸けて、世のため人のために歩んできた人の言葉は、私の胸に熱く響きました。
自分自身に問われているんだと感じました。
警察官は社会の安全と人々の命を守る。
経営者は地域社会の繁栄と社員の命を守る。
同じ覚悟と行動が必要なんですよね。
とても素敵な出会いに心から感謝です。