東洋はり医学会 大阪支部

(一社)東洋はり医学会は60年、大阪支部も50年以上、経絡治療はり専門臨床家の学術を支えてきた勉強会・講習会の団体です。

1月27日支部会の感想 其の2 東洋はり医学会大阪支部

2019年02月13日 00時33分47秒 | 支部会感想
1月27日支部会の感想 其の2 東洋はり医学会大阪支部

1月支部会のメニュー

事業報告・3分間スピーチ
 大阪支部総会 第1部 2018年事業報告
 大阪支部総会 第2部 2019年事業計画

午後1時00分より  
指導講座 高等部「補助療法 奇経治療・子午治療・子絡治療」座学

実技 基礎班、研修班合同「経絡治療の実際」研修班主体
実技 基礎班、研修班合同 支部年間研究テーマ復習

 実技纏め・質問、臨床質問、本部会音声を聞いて
    午後5時 終講
   
感想 其の2の1
午後からは、実技「経絡治療の実際」で上級者の先生が模擬患者に対して診察(四診)から診断(証決定)・治療(本治法・標治法)までの一連の流れを見る事が出来ました。
二人ともトータル30分程で手際よく施術されており、「普段はこんな感じで治療されているのだな」と、とても参考になりました。

最後に、支部年間研究テーマである「刺鍼と脈状変化の検証」が行われました。
押手の左右圧と押手の下圧の強弱により、どの様な脈状変化が診られるかを検証しました。左右圧が強いと脈は締まっていき、下圧が強いと脈は硬く感じとれました。
脈が「縮む(締まる)」、「硬くなる」の違いは脈の形状と質の違いに相当する様で、水道のホースに例えれば、「縮む(締まる)」はホースのゴム管自体が縮んで形状が変わる(これも縮む事で硬くなる)。他方、「硬くなる」は、ゴム管の形状はそのままで、ゴム質自体が硬くなる。
脈状もこれと同様に考えれば良いとの事でした。
以前は、脈状変化などは、何をしても全く分かりませんでしたが、今日のように、その変化を少しでも捕らえられる事は、とても嬉しく思えました。

今年は、もう少し努力して、脈状変化をもっと分かる様になる事と、刺鍼技術の向上を個人的なテーマとし、経絡治療を楽しめる、そんなセラピストを目指せればと思う次第です。

感想 其の2の2
実技の後半、刺鍼と脉状変化の検証おさらい、これは脉状の変化がわかりやすかったですね。
補法における刺鍼角度、抜鍼のタイミング、左右圧いずれも脉状に変化をもたらしますね。
わかりやすい比較なので、これなら初学者や聴講生にも脉状の変化を容易に感じとってもらえるかもしれませんね。
他にも脉状に影響を与える要素は色々あるので実技の合間におさらいしていきましょう‼
今年の大阪支部年間研究テーマは「瀉法における刺鍼と脉状変化の検証」、こちらも脉状にどんな影響が出るのか興味津々ですね‼
(^o^)/

感想 其の2の3
午後からの部は
奇経、子午、補助療法の座学からでした。
此れについては自身の臨床での経験が浅いことでなかなか腑に落ちるまでは理解が進まず残念でしたが、治療効果を上げる重要な方法のひとつだということは周知の上で
ありますので、臨床からどんどんトライし、座学でも吸収力が高まるよう両輪で努力していきたいと思いました。

次は、
模擬患者をたて本治法から標治法までを通して行いましたが普段の患者、施術者の2人の環境と違い、無意識ですが施術を誰かにみられているということで、頭と身体が緊張し、そのことが施術を難しくしてしまいました。
まだまだ未熟ものだということはわかってはいるものの、こういう場で経験をすることが自身の成長へつながり、またそれが患者様への治療効果向上にも繋がるのだと確信できました。

そして最後のセッションは、
補法における刺鍼方法による脈状変化を研鑽。
刺鍼方法による脈状変化は、刺入角度で、脈に分かりやすい変化が起こり、参加者一同その現象を共有しながら進めることができたと思っております。
我々は四診法を通して「気」というもののをあり方を捉えアプローチする立場にあるのですがこの「気」を理解することは簡単なようで難しいとなんとも陰陽理論そのものだと痛感しております。(笑)

さて
2月の支部会は今週17日日曜日です。
ひとつふたつ普段の臨床に持って帰れるよう当日はまた楽しみに向かいたいと思います。



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随時、聴講・入会受け付けております。
聴講初回は、無料、2回目以降は、学生1500円、有資格者3000円となっています。
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お問い合わせやご質問は、メールにて 

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  0721-52-5999   阿部はりきゅう院

までご連絡下さい。

東洋はり医学会 趣意書

 文化の進展は瞬時の猶予をも許さず、今や鍼灸術も世界の医学界に登場するところとなった。
 翻って国内においては、これが科学化の掛け声と共に種々な研究が進められてはいるが、その大勢は鍼灸の臨床における諸現象を現代医学によって解明せんとするものの如くである。即ち、経穴を刺激の部位となし経絡はほとんど顧りみない状態であるが、かくては数千年の伝統を誇る東洋医学の真髄を学ぶことは全く至難となる。
 病体を気血の変動とし、その病変を経絡の虚実として統一的に把握し経穴を診断と治療の場として補瀉調整する経絡治療こそ鍼灸術本来の正道である。しかして、この学理と術技を体得せしめて、真に病苦除去の実力ある鍼灸人を育成することこそ、その科学化に優先すべき必須要件であるが、不幸にしてこれを誤る時は、その鍼灸術、すなわち我が祖先の偉大な文化遺産を後世に伝承することは全く不可能となる。
 ここにおいて、我々志を同じうする者、相図って東洋はり医学会を結成し別紙綱領の完遂を期す。
 以上の主旨を諒とせられる同志は、来って本会に投ぜられんことを広く業界の諸君に訴える次第である。


綱  領
1.我々は臨床を通して古典を再検討し、病体を通じて経絡経穴を把握し、以て伝統的な鍼灸術の本道を体得せんことを期す。

1.我々は正しい経絡治療の学理と術技を修得することによって、鍼灸人としての人格と実力を涵養し、以て鍼灸家の社会的地位を確立せんことを期す。

1.我々は古典による経絡理論を正しく理解実践し、経絡経穴の普及啓蒙に努め、以て偉大な祖先の文化遺産を伝承せんことを期す。




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