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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

2014年 秋季東京都高校野球大会 一次予選 2回戦

2014年09月15日 | 誓球の空2011-2015

[写真] さすがエース、先発の谷井(やつい)をリリーフした晝間(ひるま)の粘りが、ワンサイドになりかけたゲームを立て直した。
    残念ながら試合には負けたが、晝間のピッチングに来春の可能性を見つけたような気がする。


2014年 9月15日(月/祝) 12:55~15:12 晴れのち曇り 微風 東大和創価グラウンド

秋季東京都高校野球大会 一次予選 2回戦

二松学舎大付 (東東京・千代田区)  3  0  0   0  0  0   0  2  0 =  5
創価      (西東京・小平市)  0  0  0   0  0  0   0  0  0 =  0

[ 投 手 ] 谷井(3)‐晝間(6)
[ 本塁打 ] 
[ 三塁打 ] 
[ 二塁打 ] 

1番 (三) 辻郷   → (9裏/打) 鳥井
2番 (二) 今久留主
3番 (左) 中山
4番 (一) 古澤 
5番 (捕) 伊藤 
6番 (中) 笠原
7番 (右) 吉田   → (9裏/打) 飯沼 
8番 (遊) 八柄
9番 (投) 谷井   → (3裏/打) 武村 → (4表/投) 晝間


勝負ごとに負けて悔しくないなんて、そんなことはあり得ないのだが・・・ 
残念ながら今日の試合は、正直言って得点差以上の地力の差を痛感した。
今夏1年生と2年生を中心に激戦の東東京を勝ち上がり、甲子園で1勝した二松学舎大付の地力は、
初回から最終回まで、攻守に渡って創価の上を行っていた。

守りの方は、先発した谷井が制球難とみると、4回から早々と晝間を投入して立て直すことは出来たが、
攻撃の方は、隙に付け入ることは出来ても・・・ 最後のガードを破ることが出来なかった。
甲子園のマウンドを経験した二松学舎の1年生バッテリーの落ち着きは見事で、
スイッチが入った時の、ディフェンス力の強さには完敗だったと言わざる得ない。

ヒットの数は、二松学舎の12本に対し創価は8本、四死球は二松学舎の3個に対し創価は6個、内野手の失策は互いに1個ずつ
塁に出た人数を比べてみたら
、二松学舎の16人に対し創価は15人だから、付け入るスキが全くなかったわけではない。
では、その違いとは・・・いったい何なんだろう。

もちろん3本以上の集中打があったイニングが二松学舎に1回あって、創価にはなかったという一点は大きいが、
思うに・・・ 攻撃に対する積極性(特にファーストストライクへの対応)の違い、記録に残らない守りミスということになって来る。
試合の流れとともに、そこらあたりを振り返ってみたい。


[写真] 先発した1年生の谷井(やつい)、立ち上がりに変化球の制球難から、ストレートを狙い打ちされてしまった。
    春に期待したい。 ガンバレ、谷井

第一試合が延長戦となり試合開始が遅れ、プレーボールがかかったのは定刻から25分遅れて12時55分だった。
後攻めの創価のマウンドには、今夏から成長著しい1年生の谷井が上がると、第一戦から守備位置も大きく変えてきた。
第一戦でセカンドを守っていた辻郷がサードに入ると、セカンドには背番号17を付けた今久留主が就く。
さらにライトにはキャプテン飯沼に代えて、第一戦でバッティングが好調だった吉田が入った。

谷井はポンポンと2球続けてストライクを取ると、3球勝負だったのか、それとも1球きわどいところで誘うつもりだたのか、
それは分からないが、3球目のストレートが甘く入ると、快音とともにライト前にクリーンヒットを打たれてしまった。
これに動揺したのか、犠打の構えの2番に対してはストライクが入らずストレートの四球を与えると、
3番には簡単に犠打を決められ一死23塁、プレーボールから数分で・・・ 大きなピンチを背負ってしまった。

4番は正直にストライクを取りに行ってしまった。
初球の真ん中高めのストレートを痛烈に叩かれると、これまた快音を発するライト前への2点タイムリー
このタイムリーは4番打者への初球の入り方を考えれば、ある意味仕方ないとも思われるが、ここで拙かったのがライトの守備になる。

4番ということで深く守っていたのは分かるが、2塁を奪われたのはいただけない。
ファンブルがあったわけでもない、前進するのが遅かったわけでもない、間に合わないホームに投げただけのことである。
中継のファーストにキチンと返球していれば・・・ 2塁に走られることはなく、仮に走っていればアウトにすることが出来た。

強打の二松学舎を意識したのだろうと思うが、ライトの守備位置が深く明らかに長打警戒の守備態勢を取っていた。
あの位置に守っていたら、2塁走者がワンヒットで3塁を回っても本塁で刺すことは・・・ 厳しいだろう。
ここで注意すべきは、我武者羅に本塁へ投げるのではなく、中継にキチンと返球することだろう。
2失点したとはいえ・・・ まだ、初回である。
そう考えれば、大量点を許さないためにも、打者走者の進塁を許してはならない。

結果として、この2塁へ進塁した打者走者が、次の打者のライト前ヒットで3点目のホームを踏むのだから、
やらずもがなの3点目になってしまった。

さらに二死からショートへ2本緩い当たり(エラーと内野安打)が飛び二死満塁とされた後

センター前に浅いフライが上がるが、センター
笠原にダイビングキャッチが出て追加点は辛うじて凌ぐことが出来た。
初回から3失点は大きいが、これがセンター前に落ちていたら、もう大量失点となっていただけに、このプレーは・・・ 大きかった。

その裏、二松学舎のマウンドには、甲子園で大活躍した1年生サウスポーの大江が上がった。
創価の1番は辻郷だったが、見送り、セーフティをファール、空振りの3球三振に倒れると、2番の今久留主も三振に打ち取られる。
二死から3番中山が三遊間を真っ二つに割るヒットで出るが、4番古澤は当り損ねのセカンドゴロに倒れて反撃までは行かない。

2回の谷井は、先頭に四球を出してしまうが、何とか後続を抑えて無失点
3回の谷井は2本のヒットで無死12塁とされるが、犠打をサードでアウトにすると後続を断ち無失点に抑える。
まだまだボールが先攻しているが、立ち直りの兆しが見えてきた谷井を、ベンチは3回で諦め代打を送って来た。

3回裏、谷井の代打は背番号12の武村、しぶとく粘って四球で歩くが、続く辻郷の犠打がピッチャーの真正面に転がり1-6-3の併殺
この後、2番今久留主と3番中山に連続ヒットが出るのだから・・・ 犠打の失敗があまりに痛い。

辻郷の犠打は、初球をセーフティ気味にやってファール、2球目を丁寧にやってピッチャーの真正面
3点追っていることを考慮すれば・・・ 最初から犠打の構えをしてても良かったのではないだろうか。
後続の連打は併殺後だから、一死2塁となって打てたかどうかは不明だが、クリーンアップに繋がるだけに悔やまれる。

4回表、谷井をリリーフした晝間は、いきなりライト前ヒットを打たれるが、
次の打者の犠打をキャッチャー伊藤がダッシュ良く好判断で2塁で刺すと、次の打者をサードゴロ併殺に切って取り流れを引き寄せる。

その裏、創価は再び大きなチャンスを迎えた。
5番の伊藤が死球で出ると、6番笠原のセカンドゴロで入れ替わると、7番吉田は三振に倒れて二死1塁となるが、
8番八柄との間にヒットエンドランが決まり、二死ながら13塁としバッターに9番晝間を迎えた。

ここで創価は、打者が9番の晝間ということもあり、トリックプレーで勝負を賭けた。
1塁走者八柄が飛び出し、挟まれる間に3塁走者笠原が本塁を狙うプレーだった。
トリックプレーは、九分九厘決まりかけていた・・・ しかし、残念なことに残りの1厘が、ここで出てしまうのだから野球は恐ろしい。

挟まれに飛び出した八柄が止まりかけたのを見て、相手キャッチャーはすかさずがファーストに投げた。
ここで八柄は止まって挟まれる予定だったはずだが、なんと・・・ 止まるときに躓いてしまった。
相手ファーストが捕球した目の前に、躓いて思わず手を突いた八柄がおりタッチしてアウト
八柄がアウトになった直後に3塁走者の笠原がホームベースを駆け抜けているのだから、躓いてなければ確実に1点の場面だった。

アクシデントと言えばアクシデントなんだが、試合が膠着状態に入り、次の1点がどちらに入るかで、
流れは大きく傾きそうな場面だっただけに、悔しいがこのプレーの結果が持つ意味は・・・ あまりに大きかった。

5回は共に三者凡退とした後、6回裏の創価に再び大きなチャンスが訪れる。
3番中山がファーストゴロに倒れた一死から、4番古澤がしぶとくレフト前に落とすと、5番伊藤はこの試合二つ目の死球を貰い一死12塁
ここで6番笠原がレフト前にクリーンヒットを打った。

しかし・・・ 当たりが強く、レフトの守備位置も前、サードコーチも2塁走者の古澤を止めにかかったが、
両手を広げる動作が小さく、勢いのついた古澤には上手く伝わらなかったようだ。
勢いよく3塁ベースを回った古澤を、レフトからの返球を受けた相手キャッチャーは、ベースの2~3メートル手前から待っていた。
さらに二死12塁とチャンスは続いたが、7番吉田は三振に倒れ、この回もホームベースが遠い。

これだけ絶対的なチャンスを逸すると、流れが相手に行くのは必然なのかもしれない。
8回表、一死からセンター前にポテンヒットが落ちると、すかさず盗塁を決められてしまう。
ここでは2塁へ送球してもアウトかどうかは分からないが、キャッチャー伊藤が握り損ねて投げられなかったのは痛い。

一死2塁となったところで、ホームアウトを狙って、それまで深かった外野の守備が前に出てくると、今度はその頭上を破られてしまう。
一つ前の守備位置なら取れてた打球が二塁打となって、試合を占う次の1点は二松学舎に入ってしまった。
ちぐはぐというか、なんというか・・・ これが試合の流れというものなんだろう。

さらに一死2塁から、次の打者の打球はサードよりの三遊間を低いライナーで抜けていく
サードが横っ飛びで飛び込むが、打球が速くレフト前に転がるのだが、サードがベースカバーに入るのを怠ってしまう。
当たりと飛んだ位置見て2塁走者は一旦2塁ベースに戻るが、ガラ空きの3塁ベースを確認すると走りだし、楽々と3塁を落とし入れる。
そして次の打者が、レフトに犠牲フライを上げるのだから・・・ そつがない。
記録には残らないプレーだが、強いチームは貪欲に次の塁を取りに来る・・・ さすがである。

いよいよ9回裏、創価は最後の意地を見せ、先頭の代打飯沼が死球を貰って1塁に出ると、
8番八柄がセンター前、9番晝間がライト前にはじき返して無死満塁、最後の最後で最大のチャンスがやって来たが
ここで甲子園を経験したピッチャーにスイッチが入った。

1番辻郷の代打鳥井は3球連続空振りで三振に打ち取られると、2番の今久留主は外のストレートに手が出ず見逃しの三振、
最後打者となった3番の中山は、内角高めのボールを空振りして三振となり試合は終わった。

付け入るスキが、全くなかったわけではない。
終始、相手のペースで進んでいた訳でもなかった。
しかし・・・ 得点差以上に相手が強く感じたのも事実である。

確かに幾度となくチャンスはあった。
でも・・・ 申し訳ないが、バッターボックスで構える選手を見ていてワクワクしないのだ。
チャンスメーカーになる選手はたくさんいるが、ポイントゲッターになる選手が・・・ 残念ながら(今のところ)見当たらない。

勝負事だから・・・ 勝つ時もあれば、負ける時もある。
さらに、頑張っても頑張っても、思うように結果がともなわない辛い時期もある。
選手たちの甲子園に行きたい、創立者に応えたいという気持ちは、我々外野席の想像を遥かに超えていると思う。

だから・・・ 試合終了後、泣き崩れる選手を見るのは本当に辛い。
上手く言葉に出来なくて申し訳ないが、改めて鍛え直してほしい、改めて強くなってほしい願う。

ガンバレ、創価
春に羽ばたけ、夏に輝け 
この冬の立て直しに期待している。


1 表/二松 右安、四球、犠打、右二2点、中飛、右安1点、遊ゴ失(後逸)、遊安、中飛
 裏/創価 三振、三振、左安、二ゴ

2 表/二松 四球、犠打、遊飛、中飛
 裏/創価 三振、四球、犠打、三振

3 表/二松 三安、中安、犠打失(1-5)、一ゴ、右邪飛
 裏/創価 四球、犠打失併殺(1-6-3)、中安、右安、中飛

4 表/二松 右安、犠打失(2-6)、三ゴ併殺(5-4-3)
 裏/創価 死球、二ゴ、三振、右安、牽制死(2-3)

5 表/二松 三振、右飛、二ゴ
 裏/創価 三振、二飛、三振

6 表/二松 中飛、四球、三振、二ゴ
 裏/創価 一ゴ、左安、死球、左安(本塁死/7-2)、三振

7 表/二松 右安、遊飛、遊ゴ併殺(6-6-3)
 裏/創価 右飛、一ゴ、中飛

8 表/二松 左飛、中安、盗塁、左二1点、左安、左犠飛1点、二ゴ
 裏/創価 三ゴ失(後逸)、中飛、二飛、四球、中飛

9 表/二松 中安、三ゴ併殺(5-4-3)、三邪飛
 裏/創価 死球、中安、右安、三振、三振、三振、試合終了

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2 コメント

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Unknown (アイルリッヒ)
2014-09-16 08:28:03
地元のものです。隣の建物に用事がてら、5回途中まで観戦しました。

1回戦を観たときも感じたのですが、バッターボックスで構える選手を見ててワクワクしないという点に、残念ながらいたく共感してしまいました。
強豪相手に乱打戦に持ち込む創価も見てみたいのですが・・・

こうして外から見守る事しかできませんが、冬は必ず春となるという言葉のように、鍛えの冬を越えて春季で選手たちが飛躍してくれることを願いたいと思います。

ちなみに今回、二松学舎側で観戦していましたが、甲子園まで行って目が肥えたであろう二松ファンが、谷井投手の球を褒めておりました。
「いい球投げるのにもったいない」だそうです(苦笑
返信する
Unknown (誓球の空)
2014-09-16 20:44:27
アイルリッヒさま、コメントをいただきありがとうございます。

大変失礼な表現をしたかも・・・ と、書いた後になって、少し迷ってたのですが、
アイルリッヒさまから共感のコメントをいただいたので、書き換えることが出来なくなってしまいました。

期待を込めての叱咤激励だと捉えていただければ幸甚です。
潜在的な資質の高い選手たちですから、切っ掛け一つで大きく化けてくれると信じてます。

冬は必ず春となる。
そうなることに期待を込めて、これからも応援をして行きましょう。


※ 昨夜、読み人知らずという方からコメントをいただきましたが、
  不適切な表現があると判断しましたので、削除しました。
  今後も不適切と思われる表現があった場合は、同様の処置をしますので了知願います。
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