その波打ち際にある岩棚は、広さは10メートル四方ほどの平らな場所で、砂岩と泥岩がスレート(粘板)状に層を成していた。
アイルランド・コーク大学のジャービス博士はここで発見された260の足跡の研究をしている。その分析の結果、少なくとも3体の動物が歩行した足跡だと考えられている。
その足跡の持ち主の体の大きさはおよそ1メートル。一つひとつの足跡は前方よりも後方が深くえぐられている。動物が前に進むために後方に力を入れて踏ん張った証拠なのだ。
「3億6000万年前に、かれら四肢動物がもしも肺と手足を獲得してなければ、そして上陸を果たしていなければ人類は誕生してなかったにちがいない。四肢動物は水中と地上、大きく異なる境界線を越え、生命の大きな飛躍をもたらした。そしてさらなる進化が可能になったという点で、この出来事は間違いなく生命最大のイベントであった」
博士はここを歩いた四肢動物の重要性をそう説明した。
※参考文献 ・写真出典
NHK地球大進化プロジェクト・地球大進化・日本放送出版協会・2004
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