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ハネっちのミリブロ?

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MGC ベレッタM92F パワーカスタム

2023-03-01 02:08:06 | フィクスド・固定スライドガスガン

MGCの固定スライド(フィクスド)ガスガン ベレッタM92Fをベースにしたカスタムガンのご紹介です。

MGCはモデルガンで有名になったメーカーなんだそうですが、このM92Fが発売された頃はそれが廃れてエアガン(エアソフトガン)が台頭してきた時代でしたので、同社も高価格帯のガスガンに販売の主力を移し始めていました。

現在では当たり前になっているガス放出バルブを内蔵したマガジンもMGCがパテントを持つ特許技術で、モデルガン譲りの凝った造形に高い実射性能を併せ持った同社の固定スライドガスガンはエアガン業界を席巻していました。

ノーマルMGC M92Fのパワーはマガジン温度28℃時で0.38J(61.9m/s)、前回やったマルイLCPと同じぐらいでサイズを考えるとかなり控えめな数値ですが、当時のASGK(日本遊戯銃協同組合)には0.4J以下の銃口エネルギー(ガスガンは夏場で0.5J以下)で製品を作らなければならないという組合規則があったのでこれに従ったものだと思います。

ただこのルール、メーカーによっては平気で破るところもあって前述のマルイなどは今でこそ優良メーカーを気取っていますが、この頃は組合規則はおろか県条例まで破ってオーバーパワーの製品を平気で小学生にまで売りまくっていましたので(私も買いましたけど)エアガンを使った事件や事故も今より多かったように思います。

と、昔話はこのぐらいにしてカスタム施工に入ります。カスタムのポイントは 1,合法的範囲内でのパワーアップ、2,高温時のパワー抑制、3、HOP化による射程距離UP の3つ、もちろん内容は現行法規に則したものです。

ガスガンのパワーアップと言えばバルブチューニング、昔は硬いシャフトが入った強化バルブを150~200%のハンマースプリングで”ぶん殴る”なんて強引なのが定番でしたが、私のカスタムでは軽いトリガープルのままで同様の効果を狙います。

これが搭載されている「サイクロンバレル」です。MGCはこのライフリングで「ジャイロ効果を発生させる」なんて豪語してましたが実際にBB弾が回転することはありません。命中精度を高める工夫はマズル付近で広げられた形状にあり、銃口から発射されたBB弾が射出エアーに乱されるのを防ぐ効果があるようです。

奥に見える固定HOPは重量弾を意識したやや強めの設定になっていますので軽い0.2g弾よりも0.25~0.28g辺りの重めの弾をお勧めします(気温や着弾点の好みで加減して下さい)。

カスタム施工後の実射データです。マガジン温度28℃時のパワーは0.82J(0.2g弾換算90.5m/s)とノーマル比215%のUP、ガスタンクの温度を更に温めた気温36℃でも0.91J(0.2g弾換算95.3m/s)と上昇率を少なく抑えられているのが確認できます。

トリガープルは滑らかなままに(余裕があったので少し弱くしています)長物電動ガン並みのハイパワーを安全に発生させることができました(0.25g弾、HFC152aガスで計測)

最大到達距離70m(弾が届く最大の距離、気温等の諸条件で変化します)、0.28g弾を使うとパワーの減速率が低く抑えられ風の影響も受けにくいのでコツさえつかめば意外な程に遠くのターゲットも狙えます(重い弾でもパワーは落ちません)。

ブローバックモデルのような作動の派手さはありませんが命中精度やパワーに優れるのが固定スライドガスガンの長所、時代を経て再び往年の名機が始動し始めました。

 

以上、MGC ベレッタM92F へのカスタム施工の様子をお伝えしました。

 


マルイ LCP カスタム

2023-02-15 00:35:18 | フィクスド・固定スライドガスガン

東京マルイの固定スライド(フィクスド)ガスガンLCPをカスタムしてみました。

命中精度が高く、パワフルで燃費にも優れ、おまけに寒さに強くてお値段もお手頃な固定スライドガスガン、でも中々新作がでないのはたぶんメーカーが儲けないからでしょうね。

どうあがいても高く売れない旧型(ソーコムはオマケをいっぱいつけて売ってますけど)が開発費用の掛かった新作ブローバックモデルを食ってしまってはメーカーも困るってのは理解できるのですが、おかげで古いのをしつこく使い続けている私のようなユーザーもいるんです。

と思ってたら久しぶりに新作の固定スライドガスガンをマルイがシリーズ化してくれました。もちろん上位機種を食わないように小型モデル限定という制約つきですが(汗)

箱出しLCPノーマルのパワーはマガジン温度28℃(手で少し温めたくらいの温度です)で0.36J(HCF134a使用)、0.2g弾の弾速にすると60m/sぐらいといったところでした。インナーバレルが60mm台しかない小型モデルとして見ればこんなものなのかもしれませんが、固定スライドガスガンとしてはかなりのアンダーパワー、あと気になる箇所も少々ありました。

気になる箇所その①は「指が痛いトリガー」、トリガープル自体は2.5㎏ぐらいで固定スライドガスガンとしてはそこまで重くありませんが、私の場合トリガーの角がちょうど指の骨に当たるので重いというよりは痛いんです。あとハンマーリリース後のトリガーに遊び(隙間)がありすぎるのでラフに撃つと銃が大きくブレてしまいます。

気になる箇所②「極ショートストロークなハンマー」、フルサイズ仕様のマガジンで内部スペースが少なくなるのは分かりますがLCPのハンマーはそれ以上に可動域が制限されています。

スペースにはまだ余裕があるしトリガーのストロークも遊びまくっているので、この辺はバリエーション展開を考えてユニット化した弊害といったところでしょうか、ガク引きトリガーもこれが原因です。

と、イロイロ文句を並べたところでカスタムに入ります。まずは前述したハンマーのストロークアップ、前述したトリガーの遊びを利用すればハンマーの可動域を伸ばすことができます。

シアーの調整はデリケートな作業で失敗するとトリガーが引けなくなりますが、ギリギリまで詰めるとトリガーの遊びをなくしてハンマーのストロークアップも同時に図ることができます。

あと分解していて気がついたのですがノーマルはこの部分にバリがあるのでハンマーの動きが悪くなっているようです。バルブを叩く力は少しでも欲しいので均してフリクションを最小限に抑えておきます。

トリガーの可動域が変わると給弾のタイミングも変更する必要があります。ついでにパーツの接触部分に真鍮製のパーツを挟んでフリクションを抑え、その分でリターンスプリングは少し弱くしてみました。

バルブチューニングも行いました。ヘッドの小さな左の真鍮製バルブがノーマルで右のやや大きいのが私の作ったものです。バルブベースの口径もこれに合わせて拡大しました。バルブ径が大きくなるとマガジン側にも干渉してしまうので手を入れる必要がありますが、無加工で取り付けできる市販のカスタムバルブよりもガス流量のUPが図れます。

ひとまず試射です。パワーは0.47J(ノーマルと同条件)でノーマル比130%のUP、小さなマガジンとフルサイズモデルの半分しかないバレル長のLCPでもそれと並ぶ十分なパワーを得ることができました。インナーバレルをもっとタイトな物に交換すれば更に上がるんじゃないかと思います。

トリガーの遊びがなくなったことで固定スライド本来の命中精度も復活、めでたく上位モデルと並ぶ性能を手に入れたLCPカスタムだったのですが・・・

やっぱり指が痛いんで少しハンマースプリングを弱めてみました。この辺は個人差があるとは思います(汗)

そんな訳で最終的にパワーは少し下がって0.42J(画像左)です。これでもマルイの18禁エアコッキングハンドガンぐらいとは並ぶので良しとしておきましょう。ちなみにこのセッティングでも温度を36℃まで上げれば0.60Jくらい(画像右)出るようですので、真夏は長物電動ガンともガチ勝負ができるかもしれません(笑)

ところでLCPをイジってて思い出したのですが、ウチにはもう一丁コンパクトなガスガンがあるんです。25年前にカスタムしたこの25オートもまたそのうちご紹介したいと思います。

 

以上、マルイLCPへのカスタム施工の様子をお伝えしました。

 


マルゼン ワルサーPPK/S パワーカスタム

2022-06-04 22:06:01 | フィクスド・固定スライドガスガン

マルゼンの固定スライドガスガンPPK/Sのカスタムレビューです。

”固定スライドガスガン=低性能な旧式銃” なんて思っていませんか?確かに最近はあまり新製品が出ないので旧式感は否めませんが、スライドが動かないからといって決してブローバックモデルと比べて性能が劣っている訳ではありません。

マルゼンのPPK/Sが登場したのは今から30年程前、前回のマルシンP88よりも少し前ぐらいです。十分なパワーに高い命中精度、それを小型モデルで成立させた秀作の固定スライドガスガン・・・だった筈なのですが、私が買った製品ではちょっと事情が変わっていました。

HOPを搭載したことをメーカーは強く宣伝していましたが、それはバレルに開けた大きな穴からアイアンクローよろしく鉄の爪でBB弾をひっかいてバックスピンさせるとんでもないシロモノ、旧仕様より大きく下がった集弾性能やパワーでPPK/Sはめでたく「クソ銃」の仲間入りを果たしていました。

でもまあ5.000円ぐらいだしPPK/Sなんだからという理由で何となく買ってしまった私でした(汗)

画像左:表面             画像右:裏面

ちょっと余談になりますが弾速計が高価だった時代には空き缶でパワーを計測するのが一般的でした。手に持った缶の真ん中に垂直に打ち込んで「○○は2発で貫通」とか「俺のは裏に亀裂が入った、もう少しで両面貫通するぜ」なんて感じです。

久々に試した空き缶パワーチェックの結果はご覧のとおりです。PPK/Sはビールの缶であれば一発で両面貫通、缶が厚いコーラでも表面を貫通して裏面に凹みをつけるぐらいの貫通力があります。

もちろん缶の厚みが飲み物の種類や製造ロッドによって異なったり、慣れた人とそうでない人でも結果は違ってくるので参考程度にしかなりませんが、まあ決して弱い方ではないと思いますよ(笑) 

HOPもちゃんとしたものに改修すれば命中精度だってトップクラス、それがPPK/Sの隠れた実力なのです。 

と、ここで冒頭の「クソ銃」の話に戻ります。

A「その銃はクソや」

それはある夏のゲームの昼休み、昼食後に一服していた私にAが放った非礼な一言から始まります。奴が腰にぶら下げていたのは2万円を超える当時の最新鋭ブローバックモデル、私のPPK/Sをバカにしながら自分の銃がいかに優れているかの講釈が続きます。

私「じゃあ、”決闘” してみようか」

5~7m離れた二人がウェスタン映画の対決シーンよろしく撃ち合うこの「決闘ごっこ」は仲間内で流行っていた遊びの一つですが、私がこのままAを生かして帰すはずがありません。

のどかな昼休みは一変、ギャラリーが周りを囲むと決闘の開始です。お互いゴーグルを被ってスタンバイ、でもPPK/Sの実力を知らない奴は無謀にもTシャツのままでした。

私 「当たると痛いから何か着たら?」

A  「別にいい」

ジャッジの合図でスタート、Aがベリっとマジックテープの音を立てながら安物ホルスターから銃を抜くよりも速く、私のPPK/Sは初弾を放っていました。

A「うっ」

薄いTシャツ越しに皮膚に食い込むBB弾、痛みで思わず膝をつくAでしたがムカついてるのでもう一発!

私「だから痛いって言ったのに~♪」

慣れた手つきでホリゾンタルタイプのショルダーホルスターにPPK/Sを収めながら、わざとらしく声をかける私はフェイスガードの下で思いっきり笑っていました。

以上、マルゼンPPK/Sパワーカスタムのレビューをお伝えしました。

 


マルシン ワルサーP88 パワーカスタム

2022-05-07 19:07:40 | フィクスド・固定スライドガスガン

マルシン(レプリカ)の固定スライドガスガン P88へのカスタム施工の様子をお伝えしています。

前回までの加工でようやくまっとうな性能を発揮できるようになったこのP88ですが、このままだとただのビンテージエアガン(エアソフトガン)のレビューになってしまいますので、私らしく?パワー系のチューニングを施して極悪仕様のP88にしてみたいと思います。

という訳で最初の加工はガスルートの研磨です。段差をなだらかにしたり細くなっている場所を削って広げることでガスの流れがスムーズになります。

ノズル径の拡大も行いました。増えたガス流量に合わせて面積を拡大すれば相乗効果でパワー効率は一気に上がります。

固定スライドガスガンでは必修のハンマースプリング強化も忘れてはいません。と言っても「○○○%強化スプリング」なんてパーツを組み込んでしまうとせっかくのトリガーフィーリングが台無しになってしまいますので、今回は亜鉛のハンマーに真鍮製のカラーを組み込むことで摩擦力を軽減してみました。

既に前回のシアー調整で十分な打撃力は確保していますし、スプリングだけ強くしても夏に規制値をオーバーする可能性がありますのでホドホドで止めておきます。

絶対に外せないのがバレルの交換です。このP88は旧レプリカ時代の製品なのでバレル内径がかなり広く(6.20mmぐらい)現行の6mmBB弾よりも少し大きいマルシンSM弾に合わせた仕様にもなっていますのでパワー効率が非常に悪く時々給弾不良(2発同時発射)が発生してしまうどうしようもないシロモノ、なのでこれは換えないとお話になりません(汗)

例によって「P88用カスタムバレル」なんてものはありませんので専用品を作りました。電動ガン用のバレル(6.03mm)をベースにサイズを合わせるのですが切り込みの位置も変更して現行BB弾が使えるように修正しました。またチャンバー部分の厚みを増やして気密性能も向上させています。

最後の仕上げはHOPの組み込みです。ニトリル製ゴムシートを加工してパッキンにした固定仕様で弾が銃口から落ちる”弾ポロ”もなくなります。0.28g弾で適正HOPとなります。

イモネジを追加すれば可変仕様にもなるのですがハンドガンの限られたスペースではあまり高性能なものが組めませんので気密や弾道の安定性を重視した仕様にしています。 あと作るのも楽ですし・・

左:ノーマル 右:パワーカスタム

完成したP88パワーカスタムのスペックはこちらです。ノーマル比1100%以上のパワーで10禁から一気に最強モデルへと変貌してしまいました。

マンターゲットへの有効射程はハンドガンですので30m程度といったところですが飛んでいくだけで良ければ重量弾によるハイパワーな特性で最大飛距離は約90mと長物クラスの実射性能を持っています。

この辺のスペックは「流速カスタム」と原理的には同じで、実は今回のP88のようなガス流量を増やした固定スライドガスガンの特性を電動ガンやエアコッキングガンにも応用したのがこのチューニングの原点だったりもするのです。

 

30年の歳月を経て甦ったP88は、軽快なスライド作動音の代わりにヒットされたゲーマーのうめき声がフィールドに響く”割りばしマガジン最強”のガスハンドガンに生まれ変わりました。たぶんこれを持ってる私が弾切れになっても、うかつに近づける敵はいないと思います(笑)