プリンターに勝つ －プロフェッショナルを見た！

長らくワタシを苦しめていたプリンターに、やっと勝つことができました！

ワタシのボスはMacユーザーであり、今までWindows一辺倒だったワタシもこの春から職場ではMacを使うようになった。
Winならローマ字入力のままでカナやアルファベットの変換がファンクションキーひとつで出来たがMacはそういう機能がないということや、
WinにおけるDeleteキー（カーソルの右側の文字を削除する）がなく、Backspaceキー（Macではこれが『Delete』）のみしかないというのは
特にDeleteキーを駆使していた私にとってはちょっと未だに使いづらい点はあるのだけど、
MacにもWinより使いやすい点は沢山あるし（Dockのシステムとかグラブとかね）慣れればこれはこれで楽しいものです。Appleはデザインもかわいいし。

だが、ただひとつワタシを悩ませていたものがある。
それは「プリンター接続」。
ずっとWinしか使ってなかったので、PCにプリンターを接続するということがこんなに大変だとは思いもしなかった。初めての経験だった。
Winはケーブルを接続すればすぐにPCに認識され、「新しい××がインストールされました」と自動的に全てやってもらえるが、Macは自分でやる必要がある場合が殆どらしい。やはりこういうところはクロウト向けって感じしますねー。

そもそも4月からこの職場にやってきたワタシとボス（というかボスとワタシ）の部屋にはプリンターがなかった。チーム内にはプリンターはあったのだけど、他の皆さんは全員Winを使用しているのでMac対応のものがなかったのだ。
そこでボスがプリンターを購入してくれたのだがその業者さん（代理店）の人が恐ろしく仕事が遅く、
遅くとも4月頃には注文してたと思うのだが届いたのは7月末だった。ありえないですよね
ボスは殆ど怒ったりすることのない人なのだけど、さすがに最後の頃は電話で怒り気味だった。といっても「激怒」というよりは「叱責・江戸っ子風」って感じだったけど。

そしてボスは他県からこの研究室にやってきたため、その代理店の男の会社も遠方にある。
そのためか彼は納品に立ち会わず宅配便でデカい箱が送られてきただけ。
しかも事前に「入荷しました。送ります」の連絡もなく、文字通り忘れた頃にいきなり届いた。
こんなに遅れてるんだしせめて連絡くらいしろよ、納品時には来てセッティングくらいしてくれよ、と思ったのであった。
家庭用のプリンターならいざ知らず、業務用（にしては小さめだが）のプリンターであるそれを数人がかりで（重かった・・・）持ち上げて箱から出し、トナーやら反射材（だっけ？）を入れ、設置したのだった。

それまでは印刷したいものがあると、私は以下のような手順を踏む必要があった。

・ まず自分のメモリースティックにファイルを保存
・ 隣の部屋にある共用PC（これはWinです）まで走る
・ ログインし、スティックを挿し、ファイルを立ち上げる
・ ページ設定を確認（MacとWinでは同じWordやExcelでも微妙に設定がズレて、
　Macで1ページに収まっていたものがWinで開いてみるとはみ出してたりする事が
　あるので再度確認＆調整）
・ 印刷ボタンを押す
・ 更に別室（向かいの部屋の奥）にあるプリンターまで走る
・ ピックアップしできばえを確認（ミスがあればやり直し）
・ 共用PCに戻り、スティックを抜きログアウト
・ 自室に戻る

これだけのことを1枚印刷するだけでやらなくてはなりませんでした。
こうやって書いてみると我ながらよくやってたと思います（笑）
「プリンターが来るまでの辛抱だ」と言い聞かせて待ち続けた日々。
プリンターが届き、「やっと来た、これで普通の生活が送れる」と思ったワタシの安堵は、そう長くは続かなかったのだった。

実際印刷してみようとしても、プリンターに情報が送られないのだ。
印刷ステイタスの表示は延々とデータを送り続けたままスタックしてしまう。
説明書を見ながらソフトをインストール、職場のシステム担当から割り振ってもらったIPアドレスを入れてみても、業を煮やしてプリンターとPCをUSBで直接つないでみてもダメだった。
本腰を入れて取り組むには当時職場がバタバタしており、そうこうしているうちに夏休みが始まった。その後も結局今までと同じ、上記のような手順を踏む不便な生活を続けざるを得ない日々が続く。
目の前にあるのに使えない。手を伸ばせば届くところにあるのに、どうしても克服できない。そんな風にこのプリンターはワタシにとっての仮想の敵になっていったのでした。

が、ついに私は決心した。
このままこのデカい機械を置物にしておくことはできない。これにはお金もかかっているし、これ以上いちいち印刷の度に部屋を行き来してたんでは時間も手間ももったいない。
折りしも今週前半はボスが部屋にはいないのでちょっと時間的余裕もある。意を決してプリンターメーカーのサポートセンターに電話してみた。

でも、経験なさっている方にはよくわかって頂けると思うが、サポートセンターって一度でつながった試しがないですよね。
大体「順におつなぎするのでお待ち下さい」というレコーディングが流れるのだが、待ってると数十分待ちとかザラな感じ。
ところが、今回1回でつながりました。「どうせ待たされる」と思っていたから手元に何も用意してなくて焦った（笑）

出たのは若い男性だったが丁寧に対応してくれた。こちらもあまりPC関係に詳しいワケではないので出来れば誰かにセッティングに来て欲しかったのだがそのような事はしていないという。その代わりこの電話で設定のやり方を指示してくれるとのこと。
これまでの経緯を説明し、いろいろな方法でトライしてみたが失敗。どうやらある時点で出てくるアイコンが出てきてないらしい。ちょっと時間を下さいと言われた。やはりこのトラブルは普通ではなかったのか・・・。

暫くして電話がかかってきたが、電話してきたのは別の男性だった。上司だろうか。彼も割と若そうだけど、話し方はとても穏やかで、親しみが持てつつも洗練されている。いわゆる「本当に仕事のできるヒトの話し方」であった。
彼もとても対応や説明が丁寧でわかりやすく、いろいろなやり方を試していく中でも苛立ちやメンド臭そうな感情はおくびにも出さず、かなりのプロフェッショナルな応対に感服。多分通話時間は1時間半くらいあったような気がするけど、おかげでこちらも全く落ち着いた気持ちで最後まで心穏やかに取り組むことができた。

結局プリンターについてたCD-ROMからインストールしていたソフトを一旦削除しホームページからソフトをインストールしなおして、PCのシステムを多少いじった上で、LANケーブルを変えたところでめでたく開通！

こうやって書くと、「ケーブル変えるだけでよかったんじゃ・・・？」という疑問は当然皆さんお持ちになると思いますが
それは以前に何度となく試したことでした。
やはり以前ワタシがやった設定を一旦削除し、正しく最初から設定し直してもらったのが良かったと思います。
EPSONのサポートセンターの方々、本当にありがとうございました。
おかげで、（勝手に対抗意識持ってただけなんだけど）プリンターに勝つことができました。
それにしても、PCについての知識がない人を相手に細かい設定を電話で説明し、正しい方向に導く大変さは想像以上のことと思います。私も以前電話交換の仕事をしていたのでその大変さはわかるつもりです。
しかしその中で私が対応して頂いたスタッフの方々は本当に良い接客態度と、プロフェッショナルな知識と、こちらの状況を考えて話や作業を進める度量を感じました。素晴らしかったです。
お世話になりました。自宅でもEPSONのプリンター使ってますが、大事にさせて頂きます。