すんません、結局先週は更新しませんでした。まあ、18日公開分に関しては先々週のにタイトルだけ載せてあるので、そちらをご参照くださいませ。
◎『ギリギリの女たち』(日本)101分
『春との旅』『愛の予感』『バッシング』などで知られる小林政広監督の新作。3.11の東日本大震災を機に再会した三姉妹が織りなす愛憎劇……らしいです。主演は渡辺真起子、中村優子、藤真美穂。1日1回のみで1週間ってのはキツいですが、小林監督の作品なら何とか観たいと思っております。
※上映館/シネマスコーレ
◎『プロメテウス』(アメリカ)124分
『エイリアン』『ブレードランナー』『グラディエーター』などで有名なリドリー・スコット監督の新作。「人類の起源がどうのこうの」という内容のようですが、それ以上は知らない状態で臨みたいと思っています。『ミレニアム』のノオミ・ラパス、『SHAME シェイム』のマイケル・ファスベンダーなどが出演。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
◎『るろうに剣心』(日本)134分
人気マンガ(実は読んだことないですが)の映画化。凄腕の剣客をめぐる騒動を描いた時代劇……らしいです。監督はTVドラマ『龍馬伝』『ハゲタカ』などの大友啓史で、主演はその『龍馬伝』で素晴らしい存在感を見せた佐藤健。他にも武井咲、吉川晃司、江口洋介、香川照之と、かなりの豪華キャスト。予告編の印象では、かなり迫力ありそう。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
◎『太陽は待ってくれない』(日本)90分?
『婚前特急』で名を馳せた前田弘二監督の新作。映画監督を目指す弟とダメな兄との珍道中を描くコメディ……らしいです。ちなみに僕には『婚前特急』はイマイチだったんですが、『くりいむレモン 旅のおわり』は大好きです。あと、短編にも面白いものが多いですね。
※上映館/シネマスコーレ
◎『闇金ウシジマくん』(日本)132分
こちらも人気マンガ(実は読んだことないですが)の映画化。冷酷非情な闇金業者を中心に、欲望に踊らされる者たちの悲哀を描いた人間ドラマ……らしい。主演は山田孝之で、他に大島優子、林遣都などが出演。なかなか見応えありそう。
※上映館/109シネマズ名古屋/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
○『あなたへ』(日本)111分
高倉健、久々の主演作。亡き妻の故郷を目指して旅に出る男の姿を描くロードムービー……らしいです。監督は降旗康男。田中裕子、ビートたけし、佐藤浩市、草なぎ剛、綾瀬はるかなど、共演陣も豪華。見応えがあるのは、ほぼ間違いないと思います。でも、いまひとつ食指が……。
※上映館/ピカデリー/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
○『愛を歌うより俺に溺れろ!』(日本)93分
これもマンガの映画化。「姫」と呼ばれるほどの美少年とボーイッシュな少女の一風変わった恋愛模様を描いたラブコメディ……らしい。主演は『愛と誠』でも好演していた大野いとと、K-POPグループ「大国男児」のカラム。
※上映館/伏見ミリオン座
○『ムンクの叫び』(日本)106分
ムンクの絵画「叫び」に描かれた人物に酷似した容姿に生まれた男の悲しい運命を描いた異色のドラマ……らしい。ちょっと気になります。
※上映館/シネマスコーレ
○『ディヴァイド』(アメリカ)112分
地下シェルターに逃げ込んだ男女9人のサバイバルを描いたスリラー……らしい。マイケル・ビーンやロザンナ・アークエットが出てるそうです。
※上映館/ピカデリー
○『あの日 あの時 愛の記憶』(ドイツ)111分
ナチスの強制収容所で運命的な出会いを果たした男女の数奇な体験を描いたラブストーリー……らしい。
※上映館/名演小劇場
『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』(日本)114分
反骨の報道写真家、福島菊次郎に密着したドキュメンタリー……らしい。原発事故の起きた福島へと向かう姿も収められているそうです。ナレーションは大杉漣。
※上映館/名古屋シネマテーク
『山下達郎 シアター・ライヴ/PERFORMANCE 1984-2012』(日本)92分
山下達郎の全国ツアー「PERFORMANCE 2011-2012」の模様を収めたドキュメンタリー……らしい。ものすごく完成度は高そう。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ
『THE SONG』(日本)107分
こっちはUVERworldのドキュメンタリー。どれくらい人気があるのか、イマイチ分かりません。
※上映館/109シネマズ名古屋
『放課後ミッドナイターズ』(日本)94分
人体模型が真夜中の小学校で大騒動を巻き起こすさまを描いた異色アニメ……らしい。
※上映館/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
『こびと劇場2』(日本)45分
人気絵本『こびとづかん』をベースにした劇場アニメの第2弾、だそうです。
※上映館/ワーナー・マイカル・シネマズ大高
<桃まつり PRESENTS すき>
新進気鋭の女性監督による短編を集めた特集上映の5回目。ちゃんと毎年開催されてるのはスゴいことだと思います。
※上映館/名古屋シネマテーク
『ゆれる』(日本)159分
9月8日公開の『夢売るふたり』が話題になっている西川美和監督の旧作。主演はオダギリジョーと香川照之です。で、翌週には『ディア・ドクター』が上映され、その翌週にいよいよ『夢売るふたり』が公開されます。
※上映館/伏見ミリオン座
* * * * *
●この2週間で観た映画
トータル・リコール
名古屋空襲を語る 今を生きる人へ
かぞくのくに
桐島、部活やめるってよ
アベンジャーズ
テイク・ディス・ワルツ
というわけで『アベンジャーズ』を観ました。えーっと、まずは及第点クリア、ってとこじゃないでしょうか。楽しめました。ただ、途中やたらと長いセリフばかりが続くところがあって、そこは退屈に感じました。まあ、ストーリーに整合性を持たせるためにはセリフによる説明が必要なので、これは仕方ないでしょうね。
及第点クリアなどど偉そうな書き方をしましたが、異なる設定の中で活躍するスーパーヒーローを集めて同じ土俵の上で共闘させるってのは、実はすごく困難な作業だと思います。それを上手くやってのけたことに関しては素直に「すごい」と思ったわけですが、にもかかわらず自分がいまひとつ興奮できなかったのは、やっぱり「お手並み拝見」みたいな気分が強すぎたからかも。散々「日本よ、これが映画だ」などと上から目線で言われていたので、こっちはそれ以上に上から目線になっていたわけです。
それと、もうひとつの理由は、スカーレット・ヨハンソンが魅力不足だったこと。最初に登場したシーンでは立ち回りもカッコよくて大いに期待できたんですが、後半に向かうにつれて精彩を欠いていったような気がします。いや、もちろん活躍はするんだけどさ、やっぱりヨハンソンにはセクシーさを期待しちゃうじゃん。その部分が物足りなかったわけです。
とはいえ、見せ場も多いし、娯楽作品としての完成度は相当なものだと思います。オススメ。
一方、何とも魅力的だったのが『トータル・リコール』のケイト・ベッキンセール。実にカッコいいです。シビレました。主人公よりも悪役を応援したくなる映画、という点ではケヴィン・ベーコンの悪役っぷりが絶妙だった『インビジブル』や『激流』と共通しています。
都市の造形は『ブレードランナー』そのまんま、という感じで笑えました。もちろん、これは確信犯的なものでしょうね。あくまで個人的な嗜好で言えば『アベンジャーズ』よりも楽しめました。オススメ。
『名古屋空襲を語る 今を生きる人へ』は、タイトル通り名古屋空襲を目の当たりした人たちの証言を集めたドキュメンタリー。名古屋の街が何度も空襲に見舞われたことは知っていましたが、その被害の甚大さには改めて驚きました。ちなみに名古屋城も大須観音も空襲で全壊し、戦後に建て直されたそうです。
商業映画じゃないので観られる機会は限られるでしょうが、どこかで上映されたらぜひ足を運んでくださいませ。
『かぞくのくに』は、北朝鮮から25年振りに帰った息子を迎える家族の物語。日本でそれなりの自由を謳歌しつつ暮らしてきた者と、北朝鮮で抑圧されて暮らしてきた者との差がリアルに描かれており、息苦しくなりました。特に印象に残ったのは、監視役の男の気味悪さと、時折見せる人間味(ホテルのテレビで○○い番組を見てるシーンが最高)。どっかで見たことがあると思ったら、『息もできない』の主演&監督であるヤン・イクチュンでした。大した存在感です。
主役のARATAも、『11.25自決の日』で三島由紀夫を演じた時よりも遥かに好演。その妹を演じる安藤サクラ、母親役の宮崎美子も良かったです。もちろん楽しい映画ではありませんが、オススメ。
『桐島、部活やめるってよ』は、2012年の日本映画を代表する作品。高校という格差社会の下層に位置していた文系男子には特にグッとくるでしょう。僕も随所で共感し、切ない気持になりました。これはオススメ。原作も読んでみるつもりです。
『テイク・ディス・ワルツ』は、『マリリン 7日間の恋』でマリリン・モンローを見事に演じたミッシェル・ウィリアムズの主演作。今回は、近所に引っ越してきた青年に惹かれる結婚5年目の女を演じています。で、優しいけど肥り気味でダサい旦那とカッコいい青年の間で揺れ動く、というベタな展開。さあ、彼女はどっちを選ぶのか……そっちかーいっ、と少々驚きました。
しかし、本当に驚かされるのは、そのあと。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、「な、なんで○P?」というシーンが出てきます。キミたち、そういうことがやりたかったわけ? もちろん、そういう趣向を悪いとは言わないけどさ、でもなぁ……。何とも、どんよりした気分になっちまいました。オススメしませんが、決して悪い作品ではありません。
●この2週間で、DVDで観た映画
スリーピング・ビューティー 禁断の悦び
花子の日記
鳥を見て!
というわけで、やっとこさエミリー・ブラウニング主演作『スリーピング・ビューティー 禁断の悦び』を観ました。準新作100円デーには必ずTSUTAYAに行って、そのたびに貸出中で肩を落としていたわけですが、ようやく借りることができたわけです。エミリー・ブラウニングの裸体を拝むことができたわけです。いや、別に脱いでなくても観ましたが。
この映画、川端康成の『眠れる美女』が原作らしいんですが、舞台は現代であり、ほぼオリジナルストーリーと言っていいと思います。簡単に言うと、お金に困った女子大生が売春スレスレのバイトをするようになる、という物語。セックスするわけではなく、ただベッドで眠っているだけ。で、そんな彼女を老いた男たちが愛撫したり眺めたりするわけです。
はっきり言って退屈な映画です。エミリーのハダカ以外、特に見所はありません。でもまあ、1年ぐらい前からずっと気になっていたので、観られて大満足。エミリー・ブラウニング、次はどんな映画に出るんだろ。メジャーな作品じゃなくてもいいので、末長く活躍してほしいもんです。
『花子の日記』はフーバーオーバーの『まみむめも』が主題歌だったので観ました。牛肉の開発に没頭する父親と、その娘との対立を描いたコメディです。主演は倉科カナで、父親は永島敏行。ぬるすぎるコメディでしたが、それなりに楽しめました。『かぞくのくに』にも出ていた金守珍がベタなコメディ演技で笑わせてくれます。
『鳥を見て!』は「青春H」シリーズの22本目。このシリーズ、最初の数本はシネマテークやシネマスコーレで上映されていたんですが、最近は東京だけになってしまったようですね。この『鳥を見て!』は、悪い自主制作映画の見本みたいな作品。おそらく作り手の中では確固とした世界観が確立されているのでしょうが、それが観客にはまったく伝わってきません。というか、伝えようとする努力を怠っているように感じました。まあ、主演の七咲楓花が可愛かったので、それなりには楽しめましたが。
以上3本、すべて名古屋じゃ劇場未公開です(東京など一部の地域では公開されました)。で、どれも未公開になったのも仕方ないなか、という出来栄えでした。でも、やっぱりエミリー・ブラウニングはスクリーンで観たかった!
●この1ヶ月ほどで読んだ本
満州国演義7 雷の波濤/船戸与一
雑司ヶ谷R.I.P./樋口毅宏
百年法/山田宗樹
ぼくは落ち着きがない/長嶋有
まほちゃんの家/しまおまほ
ガールフレンド/しまおまほ
マリリン 7日間の恋/コリン・クラーク
というわけで、船戸先生の『満州国演義7 雷の波濤』を読み終えました。第6巻から1年半もインターバルがあったので、あの世界に入り込めるか(そもそも内容を忘れていないか)心配だったんですが、いやいや、さすが船戸先生、グイグイ読ませます。引き込まれました。
いけすかない野郎に四郎が一撃を喰らわす場面には大興奮。寝転がって読んでいたんですが、思わず立ち上がっちゃいました。まさか読書でスタンディングオベーションすることになるとは! 「血沸き肉踊る」ってのは、こういうことを言うんですね。自らの中に潜む荒々しさ、衝動性に気付いた四郎がこの先どんな活躍をするのか、すごく楽しみです。
それに比べて太郎! そんなんでいいのか? いいはずないですね。きっと強烈なしっぺ返しを喰らうでしょう。対照的に、とことんカッコいいのが次郎、そして道を誤ることなく着実に進むのが三郎。ついにアメリカとの戦争が始まってしまった中、この四兄弟がどんな運命に巻き込まれていくのか。船戸先生、今度は1年半も待たせないようお願いします。
すんません、ちょっと時間がなくなったので今日はこのあたりで失敬。