少年トッパ

<11年6月4日公開作> 『軽蔑』など

 週末恒例、「名古屋で公開される新作映画の注目作はコレ」のコーナー!
 「☆=絶対に観る!」「◎=できれば観たい!」です。あとは優先順位が高い順に並べますが、途中からはテキトーです。

『軽蔑』(日本)?分
 中上健次の小説の映画化。「壮絶な純愛」を描いた作品だそうです。監督は『ヴァイヴレータ』などの廣木隆一。主演はNHKの朝ドラ『おひさま』で素晴らしい笑顔を見せてくれている高良健吾と、『まほろ駅前多田便利軒』でなぜかコロンビア人娼婦を演じさせられていた鈴木杏。大森南朋も出演。
※上映館/センチュリーシネマ

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(日本)125分
 ベストセラー小説の映画化。弱小高校野球部の女子マネージャーがピーター・ドラッカーの著書「マネジメント」に感動し、その理論を野球部の活動の中で実践していく……という内容だそうです。主演はAKB48の前田敦子。この子にはイマイチ魅力を感じないんですが、内容的には面白そう。
※上映館/ピカデリー109シネマズ名古屋イオンシネマ・ワンダー中川コロナシネマワールドTOHOシネマズ名古屋ベイシティワーナー・マイカル・シネマズ大高

『パラダイス・キス』(日本)?分
 矢沢あいの人気マンガの実写映画化。ファッション業界を目指す学生たちの姿を描く恋愛青春ドラマ……らしい。主演は北川景子と向井理。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ109シネマズ名古屋イオンシネマ・ワンダー中川コロナシネマワールドTOHOシネマズ名古屋ベイシティワーナー・マイカル・シネマズ大高

『クロエ』(カナダ/フランス/アメリカ)96分
 夫の浮気疑惑に端を発する危うい駆け引きを描く官能サスペンス……らしい。夫婦をジュリアン・ムーアとリーアム・ニーソン、魔性の娼婦を『マンマ・ミーア!』のアマンダ・セイフライドが演じているそうです。予告編の印象では、見応えありそう。
 監督はアトム・エゴヤン。この人の作品では、コリン・ファース&ケヴィン・ベーコン主演の『秘密のかけら』が好きです。
※上映館/伏見ミリオン座

『お家をさがそう』(アメリカ)98分
 『アメリカン・ビューティー』『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』のサム・メンデス監督の新作。出産を控えたカップルが幸せな家庭を築ける場所を求めて各地を旅する姿を描くロードムービー……らしいです。
※上映館/ゴールド・シルバー劇場

『木洩れ日の家で』(ポーランド)104分
 人生の喜びも悲しみも知り尽くした女性が素晴らしい終幕を迎えるために奮闘する様子を描いた人生ドラマ……らしい。主演女優のダヌタ・シャフラルスカは、芸歴80年を超える大ベテランだそうです。
※上映館/名演小劇場

『ナチス、偽りの楽園―ハリウッドに行かなかった天才』(アメリカ)93分
 1930年代にベルリンで俳優兼映画監督として人気を博したユダヤ系ドイツ人、クルト・ゲロンの生涯に迫るドキュメンタリー……らしい。
※上映館/伏見ミリオン座

『幸せの太鼓を響かせて INCLUSION』(日本)106分
 知的障害を乗り越えて活躍するプロの和太鼓集団の姿を追うドキュメンタリー……らしい。
※上映館/名演小劇場

『マーラー 君に捧げるアダージョ』(ドイツ/オーストリア)101分
 天才作曲家グスタフ・マーラーと妻との愛と真実を描く人間ドラマ……らしい。監督は『バグダッド・カフェ』のパーシー・アドロンと、息子のフェリックス・O・アドロン。
 また、マーラーの楽曲が演奏されている模様を収めたドキュメンタリー『サロネン・コンダクツ・アダージョ』も上映されるそうです。
※上映館/名古屋シネマテーク

『劇場版 戦国BASARA The Last Party』(日本)90分
 人気アクションゲームのアニメ映画化。伊達政宗、石田三成、徳川家康など、戦国武将がたくさん登場するみたい。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ

『LUNA SEA 3D in LOS ANGELES』(日本)?分
 「LUNA SEA初のワールドツアー、2010年12月4日ロサンゼルスでのライブを3D化」とのことです。
※上映館/109シネマズ名古屋TOHOシネマズ名古屋ベイシティワーナー・マイカル・シネマズ大高

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 109シネマズで、こんなサービスが始まりました。

http://www.109cinemas.net/news/pointchange.html

 「1,000円で鑑賞できるクーポン券がシネマポイント2,000Pと交換できるようになります」だって。それはありがたい。ただ、「クーポン券を使用してご鑑賞の場合、ポイント加算は対象外となります」とのことなので、その点はご注意を。

 また、イオンシネマでは期間限定で「リピート割引」があります。こういうのを活用して、おトクに映画を観ましょう。

http://www.aeoncinema.jp/repeat.html

 ところで、スターキャットの新しい会員システム、やっぱりおトク感はイマイチだよねぇ。「年会費5000円を払えば、いつでも1000円」というのは確かに魅力的なんだけど、ポイントサービスが一切ないってのは、どうも張り合いがないもん。それに、もともと金曜の男性会員1000円デーに観ることが多かったので、自分にとっての平均単価はむしろ上がっちゃうんじゃないかと思います。まあ、そういうのを見込んで改定したんだろうけど。

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 『ミスター・ノーバディ』を観ました。よく「映画は総合芸術」という言い方がされますが、この映画にこそ、その言葉が相応しいと思います。これぞ映画! と大声で讃えたくなるような作品でした。
 物語は、典型的なSFっぽいビジュアルの中から始まります。その完成度の高さも見事なんですが、展開が進むにつれ、この物語が「人生における選択」をテーマにしたものであることが分かり、胸を締めつけられるような切なさを感じながら観客は(少なくとも僕は)スクリーンと対峙することになります。主人公が選んだ人生の何パターンかがパラレルワールドのような形でランダムに描かれ、その中で笑ったり泣いたり叫んだり憎み合ったりする登場人物たちの姿は、ある程度長く生きてきれば誰もが否応なく味わう感情を観客の記憶の中から引きずり出します。だからこそ、いたたまれない気持ちにもなるんですが、同時に「それでも人生はそんなに悪いものでもない」とも思わせてくれるのです。誰の人生にだって、不幸もあれば幸福もあるだろうから。
 って、ワケの分からないことを書きましたが、音楽の使い方や美術面の充実、俳優たちの演技の的確さ、それに何より映像の美しさもなど、すべてが一級品の映画です。完成度の高さでは今年一番かも。超オススメです。

 ちなみに、完成度こそ『ミスター・ノーバディ』には劣るんですが、先週ご紹介した『アウェイク』も超オススメ。『ミスター・ノーバディ』はゴールド・シルバー劇場、『アウェイク』は中川コロナで上映中です。明日からは1日1回になっちゃうんですが、何とか頑張って観てみて。

 『マイ・バック・ページ』も観ました。1970年前後の学生運動が盛んな時期を舞台にした物語です。その時代の空気感みたいなものは、上手く描けていたと思います(僕は当時まだ小学生でしたが)。
 妻夫木聡演じる新人新聞記者は、典型的な文学系の正義漢。だから少々面白味に欠けるのですが、松山ケンイチ演じるエセ活動家は人間的に問題があるが故に、妙に魅力的です。いい加減でイヤな奴なんだけど、底の浅い野心を持つ男だからこそ持ち得るいかがわしいエネルギーが感じられました。まあ、近付きたくないタイプではありますが。
 妻夫木の部屋の中で松山がギターを弾いて『雨を見たかい』を歌うところは、なかなかの名場面。ちょっとグッときました。ただ、終盤はいささか描き方が平坦になってしまったような気がして、実は睡魔と闘いながら観てました。

 『キミとボク』も観ました。売れないマンガ家と猫との暮らしを描いた作品なんですが、最初っから感傷的すぎて、さっぱり楽しめませんでした。猫と暮らす楽しみや猫を失う悲しみは僕も知っているつもりなんですが、それでもほとんど感情を揺さぶられることなく、淡々と映画は終わってしまいました。まあ、その淡々とした雰囲気が好き、って人もいるかもしれませんが。

 最近、映画で使われる曲を聴いて「おっ、懐かしい」と思うことが多いです。『これでいいのだ!! 映画・赤塚不二夫』での『ダイナマイトが150屯』とか、『マイ・バック・ページ』での『雨を見たかい』とか。
 『ミスター・ノーバディ』では聞き覚えのある歌が流れてきて必死にタイトルを思い出そうとしていたら、サビのところで分かりました。ネーナの『ロックバルーンは99』じゃん! 映画『ウォッチメン』でも使われていたし、中ノ森BANDがカバーしたことでも有名(だよね?)な曲です。他にも『ミスター・ノーバディ』では有名なヒット曲がたくさん使われているので、洋楽好きならすごく楽しめるんじゃないかな。そういう意味でもオススメです。
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