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大失態を犯してしまったトレンドマイクロ~自社製ウイルス入りパターンファイル配布~

2005年04月24日 | その他
なんだか、大変なことがおこっているようだ。

ウイルスバスター、発売元がテスト怠り障害 asahi.com引用
 コンピューターのウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」を導入したパソコンに23日午前、障害が起きた問題で、発売元のトレンドマイクロ社(本社・東京)は23日夕から24日未明にかけて開いた記者会見で、インターネット上で同社が配布したウイルスパターンファイルに不具合があったことを認め、陳謝した。配布前に必要だったテストを行っていなかったという。すでに復旧対策がとられたが、顧客からの問い合わせは7万件を超えた。
(中略)
 同社によると、91年に販売が始まったウイルスバスターは、世界25カ国の販売拠点のほか、インターネット上でも販売されている。日本国内の利用者は計約1千万人。このうち約17万人が問題のファイルを導入したという。米国の利用者からも問い合わせが数百件あった。今回のトラブルで、富山市長・市議選の期日前投票が手作業になったほか、大阪市営地下鉄では、各駅に事故情報などを伝えるシステムのコンピューターが起動しなくなった。JR東日本では旅館やホテルの空室状況を調べることなどができなくなり、複数の新聞社など報道機関でも一時、社内LANに接続しづらくなるなどの影響があった。
 同社は同日夜までに、鉄道や製薬、食品、マスコミなど、少なくとも21社でトラブルがあったことを確認した。

ウイルスバスター不具合 ユーザー苦情にPC会社悲鳴 asahi.com引用
 このソフトを販売するトレンドマイクロ社は24日未明、テストをしないファイルを配布していたことを明らかにした。ウイルスの侵入を防ぐはずのソフトが招いた混乱に、ユーザーからは「十分検証もしていないファイルを出すなんて信じられない」と怒りの声が上がった。
 「パナソニック」ブランドの松下電器産業やNECなどパソコンメーカーの相談窓口には23日朝から個人ユーザーからの苦情電話などが殺到し、対応に追われた。
 パナソニックの大阪相談窓口センターのパソコン約100台もウイルスバスターを使っていた。午前8時半過ぎ、一斉にシステムトラブルが発生し、直後から電話が始まった。専用電話約50台が一斉に鳴り続け、担当者だけでは対応しきれなくなったという。
 担当者の一人は「自分のパソコンは起動しないし、お客様からは電話がかかってくるしで午前中はオフィスがパニックに陥った」と話した。また、NECのパソコン相談センターでも、ユーザーからの苦情は夕方までに約200件にのぼったという。
ウイルスバスター2005 Part24 2chセキュリティ板
【対処法】
1.セーフモードで起動する。Windowsのロゴが出る直前からF8連打。
2.「C:Program FilesTrend MicroVirus Buster 2005 にある「LPT$VPN.594」を削除
3.再起動
4.今度は普通に起動するはずなので、VB2005のメイン画面を起動してアップデ-ト
5.ウイルスパターンファイルが「2.596.00」になったことを確認
【症状】
CPU稼働率が100%になる(FANがうるさい、動作が重い、重すぎて再起動できない、重すぎてインターネットにつながらない、OSが起動しないなど)

問題は、不具合のあるファイルを配布したことではなく、『テスト』を行わなかったことである。
一番ユーザに浸透している『WindowsXP SP2』で100%近く再現される事象を見つけられなかったというのは、深刻だ。
つまり、
トレンドマイクロの社内風土が、『テストさえ行ってないファイルをユーザに人柱として配布する』というものだったのだろう。
普通、誰でも気づくはずの不具合さえ見抜けなかった会社が、セキュリティうんぬんを言っていても誰も信用しないだろう。
今後、どう進めるのかも問題だろう。
補償云々は、おそらくソフトウェア使用許諾書に、

お客様が本製品を使用したことまたは本製品の瑕疵によってお客様に生じた損害に関する当社の責任は、生じないものとする。

などと書かれていようものなら、発生しない可能性がある。
でも、企業向けにも、ソフトウェアを発売しているトレンドマイクロは、企業だけには何らかの補償に代わるものを提供するのではと思うが。
結局、一般ユーザだけが損をするんじゃないかと愚考するわけだろう。

私も、会社でSEまがいのことをやらされているわけだが、今回のようなことが一番困る。
何が原因か探るのに時間がかかるからである。
こんなニュースがでていたら、わかるだろうが、今回の不具合は、OSが起動できないわけだから、インターネットで事象を確認しようがない。
対策も調べる術がない。
おそらく、いろいろ調べて「ウイルスバスター」が怪しそうだなと気づくのは最低でも2~3時間かかりそうな気がする。
午前中は「仕事できない」
しかも、先輩社員から、まだ復旧できないのかなど小言を言われる可能性もある。
今回、土曜日だったからよかったが平日にやられていたら社内は大パニックで、私は胃が痛くなっていたであろう。
しかも、サポート電話もつながらないだろうし(実際つながらなかったそうだ)、
電話番号が【個人ユーザーは03・5334・1441、法人ユーザーは03・5334・3620】と、フリーダイヤルじゃないなど、不親切だ。
私の会社は、先々月からウイルスバスターをやめていた(何に変えたかは言わないが)が、いい判断だったのかもしれない。