SBIが地銀連合に夢見るものは何だろうか?
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/07050/
記事より
SBIHDは「地銀連合構想」を掲げ、既に島根銀行や福島銀行、筑邦銀行への出資を決めた。今後も参加する地銀は増えそうだ。これらの地銀は他行と比べて経費率が高く、コスト削減が至上命題となっている。経費の相当分を占める勘定系システムの維持コストを共同化によって減らし、デジタル変革などに経営資源を振り向ける狙いもある。
この話をみるとクラウドサービス黎明期のころを思い出す。
貧乏企業はSaaSを使え。
ほどほど金があるならPaaSを使える
金持ちならIaaSをベースに好きなものを作れ
大金持ちならIaaSを自営(プライベートクラウド)して、自分だけ
のために誰にも邪魔されずに自社専用システムを作れる
自治体業務システムのクラウド化の為に総務省が言っていた「割り勘」効果も全く同じ趣旨だ。 そして、割り勘するのは一人で払う金がないからだ。
地方銀行にもう独自開発の資力はないから、これは当然ともいえる。 そしてそういう状況の時にチャンスが生まれる。 それがプラットフォーマーの存在だ。 プラットフォーマーは必ずしもGAFAではない。
プラットフォーム=土台になるものを提供してくれる人、それがプラットフォーマーなのだ。 土台が何であるかは提供されるターゲットが何を(共通部として)望み、何をそのうえに個別開発するかによって変わるのだ。
⬛地銀の思惑
今回の場合、基幹系(勘定系)という部分をできるだけ共用化する目的でSaaSとして住信SBIネット銀行が提供するが、それを利用する地方銀行はSaaSと店舗系システムを連携する形で事業系のITシステムを企画開発する事になるのだろう。 そうすれば各銀行の特色付けをする部分は独自開発ができ、独自色への寄与が低い勘定系の個別開発による「瞬間風速的出費」を回避できる。
⬛住信SBIネット銀行の思惑
では「住信SBIネット銀行」はプラットフォームを提供してあげる良い人に終わるのか?と言えば、多分そんな気はないだろう。 プラットフォームと勘定系を提供する直接的な課金収入は期待できるし、賛同者が増えればそれだけ、収益はリニアに増える。これだけでも事業としては成功といえる。
しかし、その先を見ているだろう。 それは、地方銀行をプローブとした日本の地域経済の動きを探査する仕組みの構築とそこから得られるデータに基づく施策(これは単に金融商品の開発にとどまらず、企業間の提携などまで含めた話だろうと思う。)の開発ができるデータを握るということだ。 これを実現するにはプラットフォームが呼び水月で必要だということだ。
初めはプラットフォームしかない。 そこにユーザが集まり、活動すると活動ログが残る、日が経つにつれてログは増え、気がつけば誰も追い付けない量の情報がそこに貯まっている。 いちど求心力を得たプラットフォームはブラックホールのように情報を集め続けることが出来るようになる。 これがいままでのプラットフォーマーの成功パターンだ。 重要なことは最初にプラットフォームありき。ユーザありき。売上がカツカツでも将来のためにプラットフォームを作れるかだろう。
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