2005年10月06日 「間違った日本語」ってナニよ?

2005年10月06日 23時41分23秒 | Weblog
㌧は、一応、高等学校の国語科教員免許を持っている。
また、大学院(修士)で、国語科専修免許も取得している。
最近、「間違った日本語」とかいう見出しで、
若者の言葉遣いを揶揄した記事を良く見る。


「~でよろしかったでしょうか?」
「全然OKです」
などが槍玉に挙げられている。
が、実は、「全然+肯定形」は、
『日本語文法』においては、間違ってはいない。
ただ、一般的に使われることが少ないだけで、
耳慣れないので「間違っている」と人々に思われているだけなのだ。
「的を得る」は明らかな間違い。的は射るものです。
そんな言葉遣いをする先輩が、㌧に「日本語指導」とやらをされてもねぇ・・・
(おそらく、彼は『とんでもございません』
 って言っちゃうような人なんでしょうね。
 「とんでもない」は一語なので、
 正しくは「とんでもないことでございます」です。)
と、批判めいたことを書いてたら殺されますかね?(汗)
通貨、釈迦に説法なんだよ!
って、マジ思いますわ。

そも、「日本語の文法」ってモノは存在しません。
というより、「文法」とは、存在しないものなのです。
言葉の体系は、後付けであり、
分類・類型を行なって「作り上げた」ものなのです。
今、いわゆる「日本語文法」といわれているものは、
橋本進吉博士が体系化した橋本文法です。
なぜ、いわゆる日本語文法とされているかというと、「わかりやすい」から。
ただ、それだけ。正しいという根拠はまったくないのです。
「単語」「文節」とか、学校で習ったでしょ?
あれには、まったく根拠がないんです。
ただ、「単語」と「文節」という概念が理解しやすいから採用されているだけ。
あれが「正しい日本語」といっている人がいたら、笑いものですよ。
なのに、「わかりやすい」という理由だけで教科書で採用され、
大部分の人が「正しい日本語」とカン違いさせられている文法です。
時枝博士の時枝文法の方が、「完全」なる日本語文法に近いのです。
いづれにせよ、どの文法も完全に日本語の現象を説明しきれていないのです。
いわゆる「例外」が存在して、説明しきれていないのです。
また、「間違った発音」というか、
本来の発音とは違う発音が「正しい」とされている場合があります。

「三位一体」
「因縁」
↑これ、なんて読みます?
「さんみいったい」
「いんねん」と読んだ人、あなたは「正しい日本語」を使っています。
でも、字面(じづら)を見てください。
「さんいいったい」「いんえん」ですよね?
これは、「SANI-ITTAI」、「IN-EN」のハイフン部分が「発音しづらい」から
自然発生的に子音を挿入した形だと言われています。
ほら、どっちが正しい日本語?
元来の形が正しいとするなら、
「ドコモダケさんいいったいセット」
って言わなきゃならないよ?どうなの?

こんな事実も知らないクセに「正しい日本語を・・・」とか言っている客も、
会社の本部のエライ人も、言葉の専門家であるハズの新聞記者も、
㌧にとっては、ホント、ちゃんちゃらおっかしい存在です。
「好ましい日本語」なら分かりますが、
「正しい日本語」って・・・。
この世のどこかに『正しい日本語』っていうモノが記された本でもあるんですかね?
そうそう、辞書も「正しい日本語」じゃないよ。
有名な「広辞苑」ね。
「コギャル」もしくは「マゴギャル」をひいてみな。
「子ギャル」と解してますから・・・。
コギャルは、高校生ギャルの意。
それを子ギャルと解したために、
広辞苑には「孫ギャル」なんてありもしない語が掲載されちゃってます。
すっげー、『正しい日本語』のような気がしてしまう辞書ですら、
『正しい日本語』じゃないんです。
そもそも、辞書だって、何人かのエライ先生様が作っただけで、
日本国民全員の総意じゃない。
でも、エライ国語学者が作ったから、
ありもしない「正しい日本語」っていう服を、辞書に着せてしまう。
㌧にいわせたら、そっちのほうが愚かしい。
そもそも、この世の中に「絶対的に正しいモノ」なんて存在しない。
だからこそ、人間は、
「絶対的に正しいモノ」として、『神』という概念を作ったんだし。


まぁ、先輩にウダウダ言われたら(ウダウダ言う人は、一人しかいませんが。)、
内心はどうあれ、従うことにしてますけどね・・・。

前にも書いた通り、「正しい○○語」なんてものは、存在しません。
これは、どんな言語学者に聞いても同じ答えが返ってきます。
「大多数が使い慣れている言葉遣い」に、少しハズれた言葉遣い、
が、いわゆる「間違った言葉遣い」ということになっているらしいです。
世の中では。

「大地震」
↑これ、正しい読みは?
だいじしん? おおじしん?
どっち?偉そうに「正しい日本語」について講釈ぶる、あの人に聞いてみたいね。
『正しい日本語』知ってるんでしょ?
さあ、即答してよ。
答えは・・・ヒミツ。
というより、自分が思った答えが正しい。本当に。
というのも、実は、どっちでもいいんです。

「行なう」と「行う」はどっちが正しい?
「行ってください」は
「いってください」なのか?
「おこなってください」なのか?

さあ!さあ!
逆の立場から、㌧は腹立たしいですよ。
下らん記事を資料に使う研修なんてうんざりです。
「誰か」が判断して「間違っている」って言ってるだけだろ。
その判断が間違っている可能性もあるって、なんでわからんかね。

まぁ、さすがに「~でよろしかったでしょうか?」は、
間違いだと思うけどさ。
「正しい日本語」を使え、じゃなくて、
「好ましい日本語」を使え、と言ったほうが『正しい日本語』なんですよ!

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3 コメント

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興味深い。 (N嬢)
2005-10-07 01:01:39
とっても。

興味深いデス。

私、日本語大好きデス。

でも、大学の力の入れようが語学<文学だったので・・・(涙)



前に、お客様にレジの時に間違いを指摘されまくったけど、

そういう時に限って、間違った言葉を発してしまい、悔しかった・・・



また言葉のべんきょーしたいなぁ。
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Unknown (36)
2005-10-07 01:49:46
春雨(はるさめ)も、

HARU-AMEが言いづらいから「s」を挿入し、

「あぶらげ」はABURA-AGEの母音連続が発音しづらいから母音「a」を削除したといわれています。



札幌は、アイヌ語の「サットポロ」からきているのは、ご存知ですよね??

返信する
Unknown (36)
2005-10-07 02:17:43
レジでご指摘されたら、

反論したらダメなのはわかってますが、

もし、言葉がらみのご指摘があれば、

「『新しい』って、『あたらしい』って言いますよね?

でも、本来、『あらたしい』が正しいと思われますが?

お客様は『あたらしい』と言いませんか?」

って、言いたくなると思います。実際には言わないですけど。





㌧は、4月段階で、

すずともさんやN嬢に

「(接客業に)好ましい日本語」のご指導を

何回もしていただいていたおかげで、

言葉がらみでのご指摘をいただいたことはないです。

その節はありがとうございまし「た」っ!

㌧が「うざい」とか「釈迦に説法じゃ!」

って思ってしまった先輩は、N嬢や友さんではないので、あしからず・・・。(アセアセ)

(^_^;)

誰であれ、「うざい」とか「釈迦に説法じゃ!」って、

思ってしまうのは、

失礼だし、イケナイことだとわかってますが、

㌧は、6年も大学で「国語」ではなく、

『日本語』を学んでるんですから・・・、ね・・・?

情状酌量してやってください(;_;)ノシ





ちなみに、当社では、社長の敬称は、

目下に使う「殿」が「正しい」ってことになっているらしいです。

今日、総務人材開発部の方がおっしゃってました・・・。

なのに『正しい日本語を使え』とか言って・・・

説得力ないっすよ。

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