上友生にある小さな池に、伊賀では珍しい“こうほね”が随分古くから自生している。 この池は、水漏れ防止事業を10年程前に行ったが、自生している“こうほね”を保護するめ、近くを流れる古野川農村公園建設の関連事業として工事を行なった。「工事に伴う水抜きによって池底が乾燥し、水生植物が死滅しないように仮締め切りを行い、湿潤状態を確保した。」との看板が立てられている。
“こうほね”は池や沼に自生する多年生の水草で睡蓮の一種である。水の澄み切った沼底から細い茎が幾筋も水面に伸び、楕円形の大きな濃い緑色の葉を展開しところ狭ましと競いあって浮かんでいる。葉に寄り添うように3cm程の黄色い花が葉とは対照的にくっきりとした色合いで可憐に咲いている。夕方から朝に咲き、日が当たると萎み3~4日開閉を繰り返す。初夏の頃に咲き始め中秋の頃まで順次咲き続けるのである。
睡蓮は夏の季語で、古くから多くの俳句が詠まれている。
「河骨の二もと咲くや雨の中」 蕪村
「睡蓮や風に吹きよる水すまし」 小波