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わずか1週間 地元落胆 鉢呂経産相 辞任

2011年09月11日 | Weblog
■新幹線・農業…期待一転
 福島第一原発事故による住民避難や放射能汚染の懸念について、「死のまち」「放射能をつけちゃうぞ」などと発言した鉢呂吉雄経済産業相(63)の辞任が決まった。地元・北海道から今後の働きを期待された初入閣は、わずか1週間余りで終わりを告げた。失望や落胆が広がり、怒りの声もあがった。

 鉢呂氏は道4区(札幌市手稲区、小樽市など)選出で、衆院議員7期目。民主党北海道の代表を長らく務めた。これまで閣僚の経験がなく、初入閣には地元や党内からの喜びが大きかった。
 連合後援会の山本文雄会長は「軽い気持ちで言ったのかもしれないが、本人が責任を取るという考えなら納得するしかない。残念でならないが、これからもしっかり支えていく」。北海道電力泊原発は鉢呂氏の地元選挙区にあり、同村の牧野浩臣村長は「本人に悪意があっての発言ではないと思うが」と擁護しつつも、「公的な場での言葉としては好ましくなかった」と話し、辞任は不可避との見方を示した。
 斎藤博行・小樽市議は、鉢呂氏と大学時代からの友人。「『死のまち』という表現は、原発事故の災害の深刻さを説明する言葉として、間違っているとは思わない。こんな形でやめることになったのは残念だ」
 泊原発に近い、共和町の公務員丸山泰秀さん(48)は、鉢呂氏を応援していたという。「(記者団に語った)『放射能をつけちゃうぞ』という発言は、悪ふざけが過ぎた。(輸入関税の撤廃を目指す環太平洋経済連携協定)TPPや原発に慎重な人だったので辞任は残念」と話した。
 怒りの声もあがった。泊原発に反対している住民グループ「岩内原発問題研究会」の斉藤武一代表(58)は「『放射能がつく』という言葉は、北海道に疎開してきた福島の子供たちを最も傷つける、いじめの言葉。議員もやめて謝罪するべきだ」と、鉢呂氏の一連の発言を厳しく批判した。

■「政権とのパイプ失った」自治体
 自治体関係者らもショックを隠せない。
 札幌市では、上田文雄市長が7日、就任したばかりの鉢呂氏と大臣室で会談。北海道新幹線の札幌延伸について「所管外ではあるが、早急に着工できるように閣内で頑張って頂きたい」と伝えると、鉢呂氏は「当然、頑張ります」と応じたといい、市長も大きな期待を示していた。
 同市の幹部は「これから(北海道)新幹線の延伸や産業振興で活躍していただきたかった。発言力も行動力もある人だっただけに非常に残念。民主党政権への大きなパイプを失った」と話した。
 原発の安全対策などにかかわる道危機対策局の幹部も、地元選出の大臣として、原発の諸問題にどう対応するのか注目していたという。「考え方や方針が明確になる以前の段階で辞任することになり、残念だ」
 TPPについて、野田内閣では交渉参加を検討しているが、JA北海道中央会は「北海道農業への打撃が大きい」と反対の立場だ。TPPは経産省の所管で、鉢呂氏は農協出身。JAは鉢呂氏の後押しに期待していた。
 JA北海道中央会の飛田稔章会長は、鉢呂氏が地元農業や地域経済を熟知した経産相として、大きな力を発揮すると期待していた。「TPPへの対応にも大きな期待をしていた矢先に辞任され、誠に残念」と述べた。

■与党からも厳しい声
 道内の政党関係者からは、与野党問わず厳しい声が上がった。
 民主党北海道の岡田篤幹事長は「政治力に大いに期待をしていたが、このような事態は極めて残念」。辞任につながった一連の発言については「福島の県民に不快感を与えたということでは遺憾だ」と述べた。今後の政権運営については「当然影響が出る」との見方を示し、「死にものぐるいで党内が一致協力して突き進むしかないと思う」。
 自民党道連の岩本剛人幹事長は「人として許されない発言だが、(原発行政を担う)経産相の立場ならなおさらだ。3次補正予算も復旧・復興もさらに遅れることになり、責任はあまりに重い」と非難。「民主党にはやはり挙党一致は無理なのか、という有権者の失望は大きい。政治不信がさらに高まってしまう」と話した。

2011年9月11日
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001109120011

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