徳永写真美術研究所/研究員日記

ギャラリー・美術館を訪ねた日のことを綴ります。

暗闇に浮かぶ記憶の残像

2017-03-28 | Weblog

 

 

29回目の研究員活動

場所は心斎橋だったんですけど…心斎橋、何回きても慣れないなぁ(;´∀`)

とにかく休日は人でごった返してるし(大阪や天王寺とかとはまた違う混みっぷりというか)、

中心からそれたら人は少なくはなるけど、どこも似たような景色に感じて。

帰りは帰りで、来たとこの駅の入り口もすんなり見つけれなくて(;´∀`)

適当に百貨店っぽいとこに入ったら地下と繋がってるだろうと安易な考えで入ってみたら、

地下には行けないし、お客さんもほとんど中国人観光客だし;

結局ぐるっと館内を回った後、その他の中国人観光客の皆さんと一緒に裏口っぽいところから出るという(笑)

何やってんの…何しに入った…私( ;∀;)ってなったよね。

ギャラリーは「大阪農林会館」の地下に。

建物をもっといい感じに撮れないものか…と当時思っていたのですが、後でネットで調べたら

EURO CASAの入り口方面から撮ったらステキな一枚が撮れたようですね…

建物の中に入ると…立派なシャンデリアと馬の置物が。

石造りになっているので夏は涼しそう

solaris

photo gallery+school+framing

http://solaris-g.com/

〒542-0081  大阪市中央区南船場3-2-6 大阪農林会館B1F

…ソラリスと言ったら、映画「惑星ソラリス」を思い出すねぇ。

何故この名前がついたのか、あの映画は関係ないのか、聞こうと思ってたのに忘れてしまったよ。

 

白石ちえこ 「島影 SHIMAKAGE」 

机の上に並んでいるのは白石さんの写真集などです!

 作家の白石さんは、日本各地を訪れた際に撮った写真を、「島影 SHIMAKAGE」としてまとめて

ゼラチンシルバー・プリントを更に「雑巾がけ」した作品を制作されました。

雑巾がけ・・・?

ぞうきん・・がけ・・・

…ふむ、覚えやすいな、この私でも。日本人には親しみやすい響きではないか(^o^)丿

「ゼラチンシルバー・プリント」って言葉よりも100倍覚えやすいわ(笑)

ってことで、まずその名前にインパクトあり!です。

 この「雑巾がけ」という技法…私は初めて聞いたし初めて見ました…。

 

-「雑巾がけ」について-

ピクトリアリズム全盛の時代、もとは海外からレタッチの方法として伝わった修正技術を
 
当時の実験精神旺盛な日本のアマチュアカメラマンたちは表現に用い、拡張し、
 
それぞれ趣の違うユニークな作品を産んでいきました。
 
修正のためのこの技法を表現に用い、進化させたのは日本だけだったようで、
 
「日本独自の技法」と言われることもあるようです。
 
アマチュアカメラマンの間で「雑巾がけ」が流行していた頃には正式名はなかったようなのですが、
 
今は写真美術館で「雑巾がけ」と正式な名前がついたようです。

 

向こうの技術を、自分達でアレンジしていって…しまいには「日本独自の技法」と言われるまでになるとか…

あぁ~~、なんかそれ、すっごく日本人らしいなぁ( ゚Д゚)って思いましたね。笑

 

雑巾がけといっても色んなやり方があると思うので、気になる方はぜひ、ネットで検索してみて下さい!←

白石さんがこの技法と出会ったきっかけは、とある美術館で見た作品だそうで。

素敵だな…と思い、どんな技法を用いたのか確認すると「雑巾がけ」となってたそうな。

…雑巾がけ( ゚Д゚)…?はて?

その時この技法については詳しく分からなかったのですが、その後何の縁か、

偶然「雑巾がけ」のワークショップが開催されると知り、そちらに参加することに。

こうして今では自身の作品に用いるまでになったというわけです。

いや~~素敵な話ですよね

美術館でその作品に出会って、更に興味を持っていなかったら…更にその後ワークショップの存在を知らなければ…

そのままこの技法には出会えていなかったかもしれないってことですもんね。

ちなみに白石さんは画用紙のような質感の印画紙を用いているとのことですが、

日本より海外の方が安いそうなので、一気にお取り寄せするそうですよ!

 

 

このシリーズの始まりとなった一枚

-DMより- 

 

 …これが写真なのか?って一瞬疑いたくなるくらい、絵のような写真ですよね。

絵本の中の一枚みたい。

なんと、このくじら…船と同じ素材で出来ており、上から潮までふかせることが出来るそうな!!

何故このような本格的な模型があるのかというと…

この町(山口・長門)では昔から捕鯨が盛んに行われていたそうで、

今でもその伝統を忘れないように、年に一度のお祭りで、赤いふんどしをした男達が

この模型を用いて捕鯨(古式捕鯨)の再現をするそうです。

ちゃんと、くじらのお墓まであるんですって。

後で気になって自分でも調べてみたのですが、18歳以上で泳げる方なら、事前に応募したら参加可能みたいですよ。笑

写真を見ただけじゃ分からなかった話を作家さんと直に会って聞くことによって、

また違った一面が見えてくる事が研究員活動をしてきて面白いと感じることの一つですね。

 

ところでこのシリーズ、ペンギン島に行ったような…から始まったわけですが、

撮影先が何故かたまたま“くじら”とゆかりがある所が多いそうで(笑)、

あれ…?これじゃ、「くじら島」になるな…っていうお話も小耳に挟みました(ノ∀')

 

 カピバラがねーーー、ギャラリーの中でも一際目立っててさ!!

白いタワシみたいな姿で、こっちを見つめてるもんだから…

研究員は載せずにいられません。笑

 

 香川の飯野山(別名:讃岐富士)

ほんとに富士山のような形…。

平野(しかも町になってるし)にドンと生えてるみたいで不思議ですねぇ。

これまた気になって自分でも調べてみたのですが、この飯野山、おじょも伝説というのがあってですね、

山頂付近の岩に巨人(おじょも)の足跡が残っているそうです!

写真を見ると、思ってたよりは小さかったけど…こういうのってワクワクしますね。笑

 

 なんだ、あの宇宙船みたいなのは(もしくは、けん玉の玉なしver.)…

あれは、高知・土佐清水にある足摺海底館です。

白石さんも実際中に入られたそうですよ~

建物に入って地下の方に下りていくと、海の中が覗けるようになっているんですって

 

 映画好きな私は、この景色を見たらつい「ひまわり」と連動させてしまうんだけどね。。。 

 

何故か日本のように感じられない。

イタリアかどこかの辺境の村で撮った一枚のように感じるのは何故だろう?

そして、空にさり気なく写っているのは一羽の鳥

 

一部拡大して撮ってみました

 

…やっぱり実際見るのが一番なんですけどね(^^;分かりにくいかな...

少しざらついてて(手で質感を確かめたくなった)、そのざらつきの中に黒がじんわり染み込んでいるような

その黒は炭のような、黒鉛のような、温かさも感じられました。

全体像をパッと見ただけじゃ、暗くて薄ぼやけた状態で大まかにしか捉えられないけど、

近づいてよーく目を凝らして見ていると、詳細な部分まで見えてきます。

それは暗闇の中でもしばらくすると目が慣れて見えてくる感覚と似ているような気がするなぁ。

 

やっぱり今までの写真展よりも、見に来た方が一つ一つの作品の前にいる時間は長かったそうですよ。

日本以外にもフランスのパリや、ジョージア(グルジア)のトビリシでも展示されたそうですが

 国籍関係なく、作品の感想まで、ほぼほぼ似たような内容になるという話もお聞きしました。

自分も見たことがあるような(知っているような)気がする…と。

 

 

これらは白石さんが作り上げたまぼろしの島の影なんだけど、

それは誰かの、もしくは自分自身の、忘れかけた遠い記憶の残像のようでもあるのです。

 

 

 

 

 

最後に、

白石さんが現在参加されているセッション展のお知らせを☆

 

東京池尻大橋のモノクロームギャラリーRAINにて
 
オルタナティブ写真のセッション展になっています!
 
 
 

Monochrome gallery RAIN 

「スプリングセッション 2017」   

3月25日 〜 4月23日
土曜・日曜 のみ開廊
PM 2時 〜 7時

藤田修(フォトエッチング) 
コウムラシュウ(カリタイプ & リスプリント)
日下部一司(ゼラチンシルバー & ガム印画) 
白石ちえこ(フォトドローイング/ぞうきんがけ) 
安田雅和(カーボンプリント)

 
ギャラリーHP→ http://monochromegalleryrain.com
 

 関東にお住まいの方、もしくはそちら方面にお出掛けになられる方はぜひ

 

 

 

 

 

 
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