数年前に、DTMマガジンという雑誌の付録DVDに、CASIOPEAの演奏が収録されていた事があった。コンピューター(シンセサイザー)を駆使したデモ演奏で違和感を覚えたのが正直な印象だった。
松岡直也のアルバムのことからインスパイアされ、カセットで所有している表題のアルバムをふと聴いてみた。このアルバムは、80年代前半の彼らのベストアルバムということで、彼らの演奏がなんたるかを知るかにはうってつけである。A面最後の「asayake」、B面の「looking up」はオススメである。
当時はまだ、シンセサイザーはFM音源で、「YAMAHA DX7」が君臨していた。また、ギターエフェクターも、トランジスターチップを使用し、今日のようにICチップを使用しているものはなかった。弾き手の技術介入度というか、セッティングが個性を出す上で重要であった(今日のように、アンプシュミレーターなどもってのほか)。
時は流れ、在りし日の彼らのような音楽分野は、その勢いを弱め、ボーカルなしのインストルメンタルバンドは、商業的に大成功する時代ではなくなった。商店街のインストBGMは、midi音源に取って代わり、生身の人間の演奏はほとんど聞かれることはない。
YMOとともに、彼らが、音楽にテクノロジーを導入した功績は大きいが、打ち込み系の音楽があふれている今日にあって、在りし日の彼らの演奏は、人間らしさをとどめているように思うのである。
ASAYAKE(Youtube)
Lokking up(Youtube)
チョッパーベースよ、永遠なれ!