昼行灯(だった)トキの大雑把なひとりごと

クレヨンしんちゃんよりもユルく生きていた(当面過去系)私の備忘録と、大雑把なひとりごと。時々細かく語ることも。

書評『トンデモニセ天皇の世界』

2014-02-09 22:08:35 | 読書
所謂現代に続く「御落胤」を名乗る怪しげな人物のみならず、歴史上の王権交代劇等にも考察を広げた内容である。
そもそも日本には南北朝時代があり、この間、2系統の皇統系譜が紡がれている。それの整理にも後世の政治的配慮が影響している。
どの天皇を正当と認めるかは明治以後にも整理がなされており、現在の皇統譜が完成している。

さてこの本は「と学会」の肩書きで著されており、デバンキングの体裁を取っている。あからさまな偽史や捏造に対する筆致は鋭いが、後段になるにつれ、異論・反論の多い分野については、筆致が鈍る。というよりも、状況を仔細に著そうとしすぎていて、構成としてわかりづらい。
これは一つには「伝説」「真相」という対の構成で多くのテーマを書くという形式的制約によるところも大きいが、著者の原田氏自身が在野の歴史学者であり、論争の只中で、決して本流とはいえない自説を持っている事と無関係ではないだろう。
すなわち、他の多くのトンデモ本シリーズであれば、論理的、科学的に誤った主張について、専門的知識を背景に論破すればよいのだが、歴史学では異論が多すぎてそうはいかない。また著者自身もひとかどの持論を有しているため「主流の考え方はこうであり、○○説にはこういった致命的な批判がされており採用は困難だ」とすっきり書く事もままならないという事情もありそうだ。
どうしても本書には、著者の持論における主観的要素が顔を出してしまい、通常のトンデモ本のような痛快さを求めづらい内容となっている感は否めない。
また、日本史に関する背景知識をそれなりに持っておかないと、やはり十分には楽しめない。
同著者の『つくられる古代史』と比較してみた。こちらはテーマを遺跡発掘に絞り込んでおり、誤字脱字が多いことを除けば、筋道がはっきりしていてわかりやすい。本来、原田氏はこういう本を書くのに適したスタイルなのであろう。

さて、古墳時代以前くらいの史跡や神社仏閣を訪ねる旅行したいと思っていたが、今は金も時間も少なく、なかなか難しい。
先週は悪夢で寝覚め際に騒ぎ立て、元妻に迷惑をかけまくりであった。
それを見かねた元妻から「泊まりがけで旅行をして気分転換したらどうか」と提案を受けた。
しかし、この冬で観に行きたいところもそんなにない。
金銭的余裕から、行く場所は関東近辺に限られる。とすれば、東京都内でそこそこ良いホテルに泊まりたいところではあるが、受験シーズンでもあり良い宿も安く泊まることがむずかしい。
そんなことを考えているうちに、南岸低気圧の被害が相当酷そうだということがわかり、結果、旅行は断念した。
いずれリベンジしたいが、これからは繁忙期に入り、休日も待機体制になることが予想される。なかなかに難しい。
ストレスと付き合うのは、本当に、難しい。

今週からは、波が鬱モードに戻ったようで,あまり仕事をがりがりやる気にはならない。周期性があるのだろう。
病気なので、長く付き合って行くしかない。我慢しすぎて不祥事や致命的な健康問題を抱えるよりはましである。
幸い、あさっては休日である。まずは明日を終えることを考えよう。

日本史を勉強したいが・・・。

2014-02-09 22:01:36 | ものおもい
私は日本史に疎い。
ただし元々、先史考古学に即する分野には興味を抱いていた。すなわち日本列島における石器時代文明の最古の時代(旧石器捏造事件で根本から瓦解したアレだ)から、奈良時代くらいまでの伝説と史実が入り交じった時代である。
しかし最近、平安時代末期から戦国時代にかけての動向にも興味が沸いてきた。おもに「新小児科医のつぶやき」様の記事によるところが大きい。
ただ自分は、高校では世界史を選択したこともあり、どうも国内の動勢には背景知識が欠けている。なんとかしたいといくつかの本を読んだりしていはいるが、中世から戦国にかけての書物には手が中々出ない。神話時代の日本史に関するものばかりを入手してしまう。
そもそも仕事で相当のパワーを消費してしまっているので、余力でできることは限られている。
なかなかに、趣味を続けるというのも難しいと感じる。

STAP細胞

2014-02-01 15:21:55 | Weblog
STAP細胞研究の小保方晴子博士が「研究活動に支障が出ている」と報道機関にお願い-Yahooニュース

驚きと、若い女性の偉業ということで注目されてしまった件です。
フィギュアスケートだと安藤美姫さんがこういう感じで、本人の望まぬ注目を浴び、苦しんでいました。それと似ています。
自分も、理系女子(天羽優子先生とか)は萌え目線で見てしまいますので、自戒せねばなりません。

ところで私がこのニュースで素晴らしいと思ったのは、発想力です。
小保方リーダーは、生物の体内から幹細胞を取り出すには「操作」が必要で、その「操作」をしないと分離できず、見つからない。
ということは、「操作」が見つけるための手段ではなく、実は幹細胞の発生そのものに関わっているのではないか、と仮説を立てた、とのこと。

今回、酸性の液体に30分という刺激を代表に、外部からのストレスにより分化後の動物体細胞が脱分化するということが証明されました。
つまり小保方リーダーのそもそもの疑問「操作をする」→「分化後の細胞にストレスを与える」→「脱分化が起こる」という可能性を指示する結果が得られた、ということになります。
次は、脱分化が起こる作用機序の解明が待たれることになるでしょう。最初の仮説が当たっていたかどうかは、ここにかかっています。
それとは別に、外部刺激のみで遺伝子操作を施さずに動物細胞の脱分化を誘導できることを発見した、このことの素晴らしさは揺るぎません。
研究に打ち込める環境を早期に取り戻せるよう、お祈りしています。