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『同居人は化け猫!』第4章-3

2011-01-31 23:04:32 | 小説『同居人は化け猫!』
同居人は化け猫!

第4章 鈴蘭、行っきまぁす!

3.前日の夕方

結局、冬夜が折れた。
話の成り行きが分からない鈴蘭を抜かして、春海と相談(つーか口論)した末の結果だ。

「なぁ冬夜?これなんだぁ?」
リビング(和風だからそう言いがたいが)からまっすぐ行ける部屋から鈴蘭がひょっこり顔をのぞかせる。
「鈴蘭!着替えてんなら着替えてから聞け!」
冬夜は真っ赤になりながら返した。
いくら化け猫とはいえ、人間体の時は体も人間。
異性の冬夜はどうすればいいのか見当もつかない。
当の鈴蘭は気にしていないようだが。
「あ、そーゆーことか。」
勝手に納得してるし。
まあ、その方が冬夜にとってはかなり楽。
「冬夜!できたぞ!」
鈴蘭がぴょっこり飛び出してきた。
見慣れていた制服だが、いつもラフな格好をしている鈴蘭と比べると、制服の方が似合ってる気がした。
「すげぇな。そっちの方が似合ってる。」
思ったことをそのまま口に出すと、鈴蘭は驚いた顔をして、照れたように笑った。
「1年B組なんだろ?」
「…風西のコネらしい。」
「夏綺は?」
「学年違うし…。なかなか会えないと思うけど。」
「そうかぁ…。」
それからも冬夜は質問攻めされた。
そして寝る頃になり、冬夜ははた、と気付く。

鈴蘭って勉強できんのかなぁ……。



written by ふーちん


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