再会。

2012-03-01 13:11:26 | tocolasoの今

こんにちは。田中です。少し昔話をしましょう。

そう。あれは6年近く前、まだ私が高校生だった時の話。

青春の全てを捧げてきた部活も引退をし、皆が大学受験に向けてシフトチェンジをし始めた頃

私はバイトを探していた。 

専門への進学が決まっていた私にとって、残りの高校生活はどれだけ『遊べるか』だった。

そうなるとお金も必要になる→お小遣いじゃ足りない→バイトをするしかない。

肌寒くなってきた10月頃からバイト探しを始めたが、年が変わる頃になってもバイトは決まっていなかった。

理由はもちろん私にある。

お店側としてはバイトだろうが長く続けてほしいものだが、『働く』ということをなめていた私は、

「自給がいいんで選びました。」

「まかないがついてるって書いてあったんで。」

「専門行ったら続けるかはわかんないっすねー。」

などなど

お店側からしたら「ふざけんなよ糞ガキ!!」って感じだったろう。

そんな時学校帰りに商店街のくじ引きのバイト募集の張り紙を見た。

早速応募した。5日の短期バイトだったが私にとっては初のバイトだったのでとても楽しい日々だった。

また、専門に行って新しくバイトを始めるなら

今はこういう短期のバイトでつなげば良いということに気づかせてもらえた。

そこで友達に『グット〇ィル』という短期派遣バイトの会社を教えてもらった。

そう、今はもう無いあの『グット〇ィル』だ。一時期CMに伊藤秀明もでていたあの『グット〇ィル』だ。

登録を済ませると働ける日にちを会社に告げる。

そうすると条件にあった日雇いバイトなどを紹介してくれるシステムなので私にはもってこいだった。

基本的には工場の梱包作業などがほとんどだったが、そこで知り合った男性に面白い話を聞く。

その男性も私と同じような理由で短期バイトをしているらしいのだが、

工場の梱包作業は給料も安くて面倒な作業が多いから『ダメパターン』らしい。

その彼が言うには、日雇いバイトなら引越しがBESTで、なおかつマンションの引越しならより良いらしい。

力仕事に自信のない私だったがその彼もとてもじゃないが力自慢には見えなかった。

何か訳があると思い聞いてみると、

引越しは荷物をトラックから降ろす人、それを家まで運ぶ人、家の中に配置する人

と役割分担されているのだが、マンションの場合ほとんどエレベーターが付いているため

バイト君は台車に乗った荷物をエレベーターで上に運ぶだけなのでとても楽なのと、

異動の時間が長いからトラックの助手席で寝ててもOK。なおかつ日当も高い!!

なので会社に『マンションの引越し』と希望を出すのが彼の『良いパターン』らしい

なるほど!!そりゃ盲点だ。私も早速『マンションの引越し』と希望を出した。

それが間違いだとも知らずに。。。。。


数日後『グット〇ィル』からこんなバイト入れますよ。と電話が来た。

希望通り引越し!!そして確認をする、

「マンションですか?」

「はい。マンションですよ♪」

日当もいつもより2000円も高い!!

「お願いします。」

その後詳細が書いてあるメールが届き、よく確認をして当日をむかえた。




朝集合場所の駅に着く。集合時間になる。。。。あれ!?

引越し業者の姿が見えない・・・

工場など働く場所が決まっている場合、

最寄の駅に集合しリーダーらしき人が点呼をとり揃ったら出発するのだが

今回はバイトが私だけらしく自分で駅で業者を見つけてくださいとのことだった。

・・・が、いない!!

急いで電話をするとバイトを取ったのを忘れてたらしくもう現場に行ってしまったらしい。

住所を電話越しに説明され急いできてくださいと言われ、電話は切れた。

えぇぇぇぇ???住所言われても地元でもなんでもない土地でわかるわけねーだろー!!

もっと言っちゃえば私の場合地元でも住所だけじゃわかんねーよ!!!

駅員や通行人に聞きながらどうにか着いたころには30分の時間が経過していた。

すいません。と謝ったものの引越し業者からは「遅刻してんじゃねーよ糞ガキ。」

といった雰囲気しか感じられなかった。私が悪いのか・・・?



背が高くヒョロッとしてるが一昔前のヤンキーみたいなメガネをかけたロン毛と

リーダーらしきマッチョ、新人っぽい気弱マッチョの3人にトラックが2台。

1台につき2人でやるらしいのだが私はロン毛と組まされた。

「じゃあ着替えちゃって。」愛想無くロン毛が言う。

「作業着借りれるって聞いてるんですけど。」私が事実を述べる。

「あ?マジかよ。靴はねーよ! ん?スニーカーかよ。チッッ。」とロン毛。

「スニーカーダメですか?」と私。

「すぐ脱ぎ履きできねーだろ!!じゃあかかと潰して履いて。」とロン毛。

「あ・・・はぃ。」と私。

「軍手は?」「ないです。」

「帽子は?」「ないです。」

「ペンは?」「ないです。」

と持ってこいと言われてない(現場で借りてくださいと言われている)物の有無ばかりを聞いてくるロン毛。

最後に「カッターは?」と聞かれ

「それはあります。」と少し声を張って言うと

「あたりめーだよ。」と・・・いじめですか?

結局もろもろロン毛から借りて、いざバイトスタート。

ん?んん??マンション??いやアパートじゃん!!!!

やられました。私も着いた時からうすうす気づいてましたがマンションじゃなくてアパートです。

もちろんエレベーターはありません。私の役割は階段の踊り場で荷物を受け取りトラックまで運ぶ。

辛くねー?それしか出来ませんけど・・・

さすがに毎日力仕事をしてるだけあってヒョロく見えたロン毛も力持ちです。

大きなダンボールに本がぎっしり入ってるダンボール3つとか平気で運びます。

私は2つで限界→ドンドン私のとこに荷物が溜まる→トラックに詰め込む役割のロン毛が取りに来る

→ロン毛が冷たい目で私を見る→私の心が傷つく。

これの繰り返し1件目の積み込みが終わる頃には私の腕はプルプルだった。

しかし引越し先が遠くならこの間に腕を回復させ・・・

「着いたぞ。」ロン毛が言う。

ものの10分。到着。

移動の際ロン毛と、どんなゲームが好きか、女の子のタイプとか質問されたが

私の答えは全て否定された、じゃあ聞くなよっと思った。。。

もうすでに腕がプルプルの私はその後も役に立つことができず

終いには、テレビ(推定30インチ以上のブラウン管)を運べとロン毛に言われ

「無理です。」と言う始末。そして、

「使えねーな糞ガキ!!」と言われる始末。

もう心はズタズタです。

最終的には引越しの移動途中に終了時間が来てしまい、

「時間だから、ここで降りて。」と知らない土地で降ろそうとするロン毛。

うそじゃーん!?

「いや、最後までやります。」と駅までは送ってほしいためやる気ある風に残業を申し出る、腕プル田中。

「いや、いらーねーからいいや。」とロン毛

ズバッ!!ズババババッッ!!

私の心はみじん切りされました。

結果。歩いてれば駅着くからと助手席で着替えさせられ、赤信号で止まった時に降ろされました。

私はドライブ中に喧嘩したカップルの彼女か!?と思いながらも何とか帰路に着いた田中であった。

そして思った「はめられたな・・・」と。





そして時は経ち、この前の月曜日。

通勤途中(徒歩)お店の近くの駐車場に

見覚えのあるトラック、見覚えのある作業着、見覚えのある後ろ姿、見覚えのある顔・・・

そして私の心に衝撃が!!


ロン毛ーーー!!!!!

再会。

そして私は思いました。

「お互い年をとったな。」と。


まぁ、もちろん向こうは覚えてないだろうから話しかけなかったけどね。


           終わり。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いつも楽しく見てます! (にゃんちゅー)
2012-03-01 14:41:31
田中さんのブログ、いつも楽しみにしてます!!
電車の中で思わず吹き出してしまいました。笑

カッターのくだりと、腕プル田中あたりが最高でした。笑

いつも期待通りのブログなので、これからも楽しみですU+266B


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Unknown (腕プル田中。)
2012-03-02 10:00:00
にゃんちゅーさん、コメントありがとうございます。

なるべく多く更新できるようにがんばります。

またコメントしてくださいねー♪
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好きです (オデッセイ)
2012-03-03 20:13:54
あたし、男だけど田中さんのブログ好きです。
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Unknown (田中。)
2012-03-05 10:31:05
オデッセイさん、コメントありがとうございます。

田中のブログはユニセックスなんで、

男性の方にも喜んでもらえて光栄です。
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