極個人的発言録Blog

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「夜明けの街で」 東野圭吾

2010-08-13 09:47:20 | 読んだ本
「白夜行」「容疑者Xの献身」「流星の絆」「新参者」等々....大ヒットメーカー東野圭吾の作品。
書店で購入する際もこの人の作品ならある程度安心して買うことができる。
そうでない作家の場合は必ず図書館で借りることにしている俺(笑)

ちなみにこの作品。2011年に映画化が決まっているそうだ。キャスト等は未発表ながら、ちょっと大人のミステリーに仕上がるような気がするね。うん。

さて、タイトル「夜明けの街で」。実はこの作品はかの日本を代表するPOPバンド、サザンオールスターズの「LOVE AFFAIR ~秘密のデート~」という曲の影響を受けて創られた物語とのこと。まさに歌い出しの歌詞が「夜明けの街で すれ違うのは 月の残骸と 昨日の僕さ」とある。
そしてストーリーの大きな要素としてあるのが「不倫」だ。まさに秘密のデート・情事だ。
大筋としては「不倫相手の女性が実は時効を目前に控えた殺人事件の容疑者だった。不倫愛・家庭・事件の狭間で苦悩する主人公の葛藤と事件の意外な真相」といったところだろうか。
結末は意外なカタチで収束する。15年という気が遠くなる程の時間隠されていた真実。そして執念。結果としては誰も幸せにはなれなかったように感じたよ。

この作品の場合、ミステリーとしてのこの殺人事件の成り行きよりも、不倫の泥沼に徐々にはまりゆく主人公の姿の方に注目がいってしまう。
実際、物語の着想が不倫をテーマにした歌なのだからさもあらんか(笑)

【不倫する奴なんて馬鹿だ。ところが僕は、その台詞を自分に対して発しなければならなくなった。ただし、その言葉の後に、こう続ける。 でも、どうしようもない時もある・・・・・。】
冒頭の文章の中にあるこのフレーズが、人の弱さと抗えない運命、恋愛という罠を表現する言葉として強く印象に残った。
確かに不倫愛に陥る当事者にとっては「どうしようもないこと」なのかも知れないが、裏切られた妻や夫の立場としてはどうだろう、これ程の勝手な、無責任な発言はあろうか...。

妻にバレないように、家庭を壊さないように苦労する主人公の姿、そしてある時からは離婚に向けた道筋を模索する姿...、いずれにしてもただの身勝手だ。
確かに彼の恋愛は真実のものなのかも知れない。別に妻や家庭があるからといって真実の恋愛ができないわけでは無いと思う。
道徳は人が後から決めたものだから、本能的な感情とは次元が違うと思うから。

だけど、たとえそれが真実の愛であったとしても、大人として、ましてや子どもという親にとって100%守るべき対象を持った状況においては、身勝手は許されないことだと思えてならない。
と、これらは俺の個人的な意見なんだけどね(笑)

本編の最後にようやく垣間見える妻の心情.....彼はそれをどのように受け止めたのだろうか? そして妻は?

事件の結末はちょっと意外だったけど、全編通して案外ストレートな作品だったように思う。
テーマがテーマだけに、アラフォー世代向けの作品かな?(笑)

詳しく「夜明けの街で」をチェック!


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