「よう、これからどうする?」
おれ、というのはアレックスだ。それにおれのドルーグ(なかま)たち三人、ピートにジョージーにディムだ。このディム、その名前みたいに、ほんとに少しウスラデイム(ぼけ)てやがんだ。そのおれたち〈コロバ・ミルクバー〉に腰すえて、今晩これから何やらかそうかって、相談やってたとこ。やけっぱちに寒くて暗い晩だったが、からっとしてた。〈コロバ・ミルクバー〉ってのは、ミルクにプラス何かって場所だけど、君たち、我が兄弟よ、きっともうこんな場所のことなんか忘れちゃってんだろうな。このごろじゃ、なんでもすごくスコリー(はやく)変っちゃうし、みんなも、何だって忘れるのがスコリー(はやい)し、新聞やなんかだってみんなあんまり読まなくなっちゃってるからな。まあね、ここで売ってるのは、ミルクに何かプラスしたもんさ。ここには酒類販売許可証ってのがないんだけど、モロコ(ミルク)に何か新しいベスチ(もの)を入れちゃいけないって法律はまだないからモロコにペロセットとか、シンセメスクとかドレンクロムなんてベスチを入れて飲んじゃう。そうすると、すごくハラショーな十五分間が楽しめるんだ。”神様と天使と聖者たち”がおがめてさ、その一方じゃ、モズクん中でもっていろんな色がバンバン爆発するのが見ていられるってもんだ。それとも、よくいわれてるように、ミルクの中にナイフを入れて飲んだっていい。そうすりゃ、すごくナイフみたいにシャープな気持になっちゃって、なんかきたねえ遊びがしたくなっちゃうんだが、その晩おれたちが飲んでいたのはそんなものだったーーーーってとこからおれの話は始まるんだ。
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キューブリックの映画化は原作に忠実だったんだなという感想を、後から小説を読んで感じた記憶があります。
「昔に書かれた」未来小説の中で、ああ現実は確かにこうなってきたなと思わせる、数少ない一冊。
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