音と美と文と武と食の愉しみ

自己参照用。今まで紙に書いていたものをデジタル化。
13歳でふれたアートが一生を支配するようです。

20240706 片岡義男「バラッドの終わりかた」

2024-07-06 05:07:38 | 日記

CDをケースに戻してから、バラッドとは良くできたフィクションではないか、と圭子は考えた。その終わりの部分の演奏のしかたは、良くできたフィクションをまとめ上げる部分であり、全体がそこへながれこむ。自分でもそれを作るほかない、と圭子は考えた。

八曲の楽譜を彼女は観察した。You Don't Know What Love Isがいいのではないか。この題名を自分は、『失ってわかるもの』という日本語にした。原語での題名はこうであり、それは題名であると同時に、曲のいちばん初めに登場する主題でもあり、曲が終わるときのひと言でもあった。


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