全曲、彼女の敬愛する麗君(テレサ・テン)のカバーで構成されています。「靡靡之音(=みだらな音みたいな意)」というのは、当時の中国政府がテレサの音楽を低俗なものと批判して云ったことだとか。それをタイトルにする強烈な皮肉は、いかにもフェイらしい。しかしながら、デビュー6年目にして、ついに辿りついた彼女の音楽のルーツを体現するこのアルバムが、皮肉にもテレサの追悼盤になるとは、まさかフェイも考えていなかっただろうけど。
テレサの原曲を聴いたことがないので確実なことが云えないんですけど、日本での数々のヒット曲から考えるに歌謡曲……のはずなんですが。なんなんだろう、もう完全にフェイ・ウォンワールドというか。デビュー当時の曲が歌謡曲っぽくて泥臭いなんて云ってましたが、この差は一体なんなのか。
ヴォーカルの浮揚感、透明感がフェイらしい『雪中蓮』や、井上忠夫作曲の『你在我心中』(原曲:夜のフェリー・ボート)や『黄昏裡』(原曲:暗くなるまで)などは、もう完全にフェイ流。
『但願人長久』は、ライヴでは必ず歌われるほどおなじみのナンバーですね。大阪城のライヴに行ったとき、カバー曲なのにとても大きく温かい拍手が起こって。あらためてテレサの偉大さを感じました。
これはもうフェイ・ウォンのオリジナルである、といったほうがいいかも。単なるカバーアルバムではなく、ましてや乱発されたテレサの追悼盤やトリビュート盤の1枚などでもなく。彼女が音楽に関わる上でのひとつの通過点と捉えたほうが賢明かもしれない、と思う次第。オリジナルを知らなくても十二分に満足できますよ。
『菲靡靡之音』(1995.7)
01.雪中蓮
02.你在我心中
03.但願人長久
04.君心我心
05.初戀的地方
06.南海姑娘
07.假如我是眞的
08.翠湖寒
09.黄昏裡
10.奈何
11.一個小心願
12.又見炊煙
13.原郷情濃
14.千言萬語(ライヴバージョン)
テレサの原曲を聴いたことがないので確実なことが云えないんですけど、日本での数々のヒット曲から考えるに歌謡曲……のはずなんですが。なんなんだろう、もう完全にフェイ・ウォンワールドというか。デビュー当時の曲が歌謡曲っぽくて泥臭いなんて云ってましたが、この差は一体なんなのか。
ヴォーカルの浮揚感、透明感がフェイらしい『雪中蓮』や、井上忠夫作曲の『你在我心中』(原曲:夜のフェリー・ボート)や『黄昏裡』(原曲:暗くなるまで)などは、もう完全にフェイ流。
『但願人長久』は、ライヴでは必ず歌われるほどおなじみのナンバーですね。大阪城のライヴに行ったとき、カバー曲なのにとても大きく温かい拍手が起こって。あらためてテレサの偉大さを感じました。
これはもうフェイ・ウォンのオリジナルである、といったほうがいいかも。単なるカバーアルバムではなく、ましてや乱発されたテレサの追悼盤やトリビュート盤の1枚などでもなく。彼女が音楽に関わる上でのひとつの通過点と捉えたほうが賢明かもしれない、と思う次第。オリジナルを知らなくても十二分に満足できますよ。
『菲靡靡之音』(1995.7)
01.雪中蓮
02.你在我心中
03.但願人長久
04.君心我心
05.初戀的地方
06.南海姑娘
07.假如我是眞的
08.翠湖寒
09.黄昏裡
10.奈何
11.一個小心願
12.又見炊煙
13.原郷情濃
14.千言萬語(ライヴバージョン)