現状ではこれがフェイの最新盤…ということになります。もう5年近くも新譜が出てないんだなぁ。1991年の米国留学中を除けば、毎年アルバムを発売していたフェイ。レコード会社の移籍(EMI→Sonyへ。ただ、その後新譜を出してないところを見ると移籍だったかというのは疑問ですが)などもあって、今作まで久々に2年かかりました。11月7日の発売からわずか1週間で100万枚を売り上げた、という相変わらずのヒットぶり。
プロデュースに徹し、シンガーとしての本領を発揮した前作に比べて、フェイ自身の作品が今回は4曲。「戦争」や「流血」といった言葉で、時事を切り取るような歌詞が話題となった表題作『將愛』や、その広東語版である『假愛之名』が「アヘンを肯定するような歌詞がある」としてマレーシア政府からコンサートでの歌唱を禁じられた、なんていうニュースもありました。
01.將愛
のっけからフェイ作詞・曲の表題作。いや、もうカッコイイ。Rockっぽい激しさ(アレンジはおなじみ張亞東)と、フェイらしい妖しさと神秘性が融合したヴォーカル。表題作にふさわしい1曲です。
MVでは赤く光る目やアンドロイドなど、ちょっと「2046」でのフェイを髣髴とさせる演出が。フェイはただ歩いているだけなのに無茶苦茶カッコイイです。
02.空城
前作でも曲を書いていた陳曉娟という女性の作曲。ピアノの流れるような音、フェイの切ないヴォーカルが、『將愛』となんとも好対照。間奏部分の叙情的なストリングスがとても綺麗。
03.不留
これもフェイの作詞・曲。これは名曲ですねぇ。淡々としたバックトラック、低い音域でこちらも淡々と同じような歌詞が続くヴォーカル。サビでのコーラスワークなんかはフェイのヴォーカル技術と芸術の結晶ですよ。ラストで「ヒューン」ていうロケット花火みたいな音に毎回ハッとさせられます。
04.美錯
だいぶさかのぼりますが、アルバム『天空』で『矜持』を書いた郭子(グオズ)の作曲。芸術的ですらあった『不留』に対して、これは可憐というかまったく違う雰囲気。オーソドックスなバラードという感じですが、このアルバムでは意外とそれも気にならないかなぁ。
05.乘客
スウェーデンのシンガーソングライター、ソフィー・セルマーニの『Going Home』のカバー。これも例にもれず完コピに近いんですが、ギターサウンド主体でカントリー風味強い原曲に対して、フェイ版はどこまでも湿度の低いクールな仕上がり。
06.陽寶
これもフェイの作詞・曲。最初はフェイらしい曲調かなーと思うと、サビでパーッと一気に明るく広がっていきます。ふわ~と歌うのもフェイらしいけど、ここでの高音は歯切れよく、キレよく歌うって感じ。
07.施木
『美錯』に続き可憐系の曲調。前の『陽寶』が強い太陽光線がパーッと射してくるような曲なら、こちらは春の陽だまりような。そんな優しいバラード。アコギのみのサウンドがとてもよく合う。
08.四月雪
フェイの作曲。今まで散々云ってきた、いわゆる彼女らしい妖しい系の曲調かなぁ。高音と低音の対比、サビの「Ah~Ah~♪」がすごく耳に残る。
09.夜妝
これと次の曲は張亞東の作曲。はじまりのヴォーカルは静かにちょっとエフェクトをかけて。段々とリズムとビートの効いた展開になっていくのが秀逸。マシンビートとフェイの高音が交じり合う様は、かなり中毒性が高いです。
10.烟
スパニッシュ系情熱のリズムとでも云いますか。メランコリックなギター、打ち鳴らされるパーカッションがそれっぽい。それでもフェイの声はいたってクールなところがかっこよさを増長させてますね。
11.MV
もう発売から話題だった謝霆鋒(ニコラス・ツェー)の作曲。「いい曲だから」とそっけなく理由だけ、この曲に対し語ったというフェイですが。ちょっとフクザツ(発売当時はもう2人はお別れしてました) 前作での提供曲『迷魂記』をけちょんけちょんに云ってましたが……今回はいい感じではないでしょうか?? ポロンポロンとなるアコギの音もいいし、高低差の大きいメロディはフェイによく合ってます。ちなみにこれを含めて後半3曲が広東語。
極彩色で凝ったジャケットとは裏腹に、収録曲は落ち着いた、雰囲気の強い、クールなものに仕上がっています。梁翹柏の共同製作でRockの色濃い前作に比べて、『天空』のような癒し系の内容。秋に発売されたのに、春めいた雰囲気を感じるのは自分だけ?? 晩冬や初春の季節感のせつなくもふわりとした感じが、とても心地よい。これだけの傑作を発表しながら「次」がまだなんて……。
『將愛』(2003.11)
01.將愛
02.空城
03.不留
04.美錯
05.乘客
06.陽寶
07.施木
08.四月雪
09.夜妝
10.烟
11.MV
12.假愛之名
13.花事了
※MV載せれるだけ載せまくってみました。
プロデュースに徹し、シンガーとしての本領を発揮した前作に比べて、フェイ自身の作品が今回は4曲。「戦争」や「流血」といった言葉で、時事を切り取るような歌詞が話題となった表題作『將愛』や、その広東語版である『假愛之名』が「アヘンを肯定するような歌詞がある」としてマレーシア政府からコンサートでの歌唱を禁じられた、なんていうニュースもありました。
01.將愛
のっけからフェイ作詞・曲の表題作。いや、もうカッコイイ。Rockっぽい激しさ(アレンジはおなじみ張亞東)と、フェイらしい妖しさと神秘性が融合したヴォーカル。表題作にふさわしい1曲です。
MVでは赤く光る目やアンドロイドなど、ちょっと「2046」でのフェイを髣髴とさせる演出が。フェイはただ歩いているだけなのに無茶苦茶カッコイイです。
02.空城
前作でも曲を書いていた陳曉娟という女性の作曲。ピアノの流れるような音、フェイの切ないヴォーカルが、『將愛』となんとも好対照。間奏部分の叙情的なストリングスがとても綺麗。
03.不留
これもフェイの作詞・曲。これは名曲ですねぇ。淡々としたバックトラック、低い音域でこちらも淡々と同じような歌詞が続くヴォーカル。サビでのコーラスワークなんかはフェイのヴォーカル技術と芸術の結晶ですよ。ラストで「ヒューン」ていうロケット花火みたいな音に毎回ハッとさせられます。
04.美錯
だいぶさかのぼりますが、アルバム『天空』で『矜持』を書いた郭子(グオズ)の作曲。芸術的ですらあった『不留』に対して、これは可憐というかまったく違う雰囲気。オーソドックスなバラードという感じですが、このアルバムでは意外とそれも気にならないかなぁ。
05.乘客
スウェーデンのシンガーソングライター、ソフィー・セルマーニの『Going Home』のカバー。これも例にもれず完コピに近いんですが、ギターサウンド主体でカントリー風味強い原曲に対して、フェイ版はどこまでも湿度の低いクールな仕上がり。
06.陽寶
これもフェイの作詞・曲。最初はフェイらしい曲調かなーと思うと、サビでパーッと一気に明るく広がっていきます。ふわ~と歌うのもフェイらしいけど、ここでの高音は歯切れよく、キレよく歌うって感じ。
07.施木
『美錯』に続き可憐系の曲調。前の『陽寶』が強い太陽光線がパーッと射してくるような曲なら、こちらは春の陽だまりような。そんな優しいバラード。アコギのみのサウンドがとてもよく合う。
08.四月雪
フェイの作曲。今まで散々云ってきた、いわゆる彼女らしい妖しい系の曲調かなぁ。高音と低音の対比、サビの「Ah~Ah~♪」がすごく耳に残る。
09.夜妝
これと次の曲は張亞東の作曲。はじまりのヴォーカルは静かにちょっとエフェクトをかけて。段々とリズムとビートの効いた展開になっていくのが秀逸。マシンビートとフェイの高音が交じり合う様は、かなり中毒性が高いです。
10.烟
スパニッシュ系情熱のリズムとでも云いますか。メランコリックなギター、打ち鳴らされるパーカッションがそれっぽい。それでもフェイの声はいたってクールなところがかっこよさを増長させてますね。
11.MV
もう発売から話題だった謝霆鋒(ニコラス・ツェー)の作曲。「いい曲だから」とそっけなく理由だけ、この曲に対し語ったというフェイですが。ちょっとフクザツ(発売当時はもう2人はお別れしてました) 前作での提供曲『迷魂記』をけちょんけちょんに云ってましたが……今回はいい感じではないでしょうか?? ポロンポロンとなるアコギの音もいいし、高低差の大きいメロディはフェイによく合ってます。ちなみにこれを含めて後半3曲が広東語。
極彩色で凝ったジャケットとは裏腹に、収録曲は落ち着いた、雰囲気の強い、クールなものに仕上がっています。梁翹柏の共同製作でRockの色濃い前作に比べて、『天空』のような癒し系の内容。秋に発売されたのに、春めいた雰囲気を感じるのは自分だけ?? 晩冬や初春の季節感のせつなくもふわりとした感じが、とても心地よい。これだけの傑作を発表しながら「次」がまだなんて……。
『將愛』(2003.11)
01.將愛
02.空城
03.不留
04.美錯
05.乘客
06.陽寶
07.施木
08.四月雪
09.夜妝
10.烟
11.MV
12.假愛之名
13.花事了
※MV載せれるだけ載せまくってみました。