就職支援 チーム還暦にできること

還暦を過ぎた人間だからこそ伝えられること。
40年前社会人になる時、世の中がこんなに変わるとは思わなかった。

高校生の就活について考えてみる(3)

2018-09-24 11:06:53 | 日記

高校生の就活における私の考える問題点の2つ目は,


②指導体制が確立していない です。

こんなことを書くと現場で頑張っておられる先生方には失礼ですが、大学の場合
ほとんどの大学にはキャリアセンターがあり、専任(専門)の職員が学生の就活に
対応しています。
それに反して高校は先生が兼務で対応するところが多い。

もちろん背景が大きく異なります。

大学生は、一部の進学を除けばほとんどの学生が就職を希望するのに対して、
(進学者も研究職に就くごく一部を除いてその後就職する)

高校では100万人強の高校生の内就職するのは20%弱。
それも高校によって大きく異なる。
就職希望者が1桁の高校もあれば、30人、100人、150人と様々。
公立高校の場合、入試制度の偏向でこの就職希望者が激変することもあるようです。

単純に求人票だけで見れば、現在では就職希望者を上回る求人が届いていますが、
就職希望者が多い高校では、推薦枠に従って学内で選抜をしなければなりません。
就活の期間が短い中、割り振りは大変ではないのでしょうか。
学生だけでなく保護者にも納得してもらわないといけません。
採用は単純に高校の成績だけで決まるものではありません。
どの企業に度の学生が向くか(合格可能性が高いか)を判断するのはハードな仕事。

それと元に戻りますが、大学では専門の職員が就職指導を行いますが、高校では
進路指導部の先生が兼務で行います。
中には輪番で役割が回ってくることもあるかもしれません。
若手の先生の場合、大学で教職を取っていれば企業の就活はしていないでしょう。
もちろん高校と大学では就活の仕組みが違いますが、自分が就職するために企業を
研究するという経験の有無は高校生指導にも影響すると思います。

進学希望者だと高校の成績と模擬試験の結果と偏差値を見れば合格可能性はある程度
見極められますが、就職試験は必ずしもそうとは限りません。
もちろん高校でもベテランの先生を配置して対応していると思いますが、
兼務だととにかく多忙。

加えて進路指導部には進路先の企業や大学からの訪問客が多い。

時期的に7月の初旬は期末試験の時期と重なります。
今年の関西は期末試験中に豪雨の影響で試験日程が延びたにもかかわらず、成績の
締めは変更なくタイトなスケジュールをこなされたようです。
さらに中には部核の顧問をされている先生もいるようです。

就職希望者の多い私立高校では「就職部」を置いて対応されているところもありますが、
公立高校では進路指導部で対応せざるを得ません。
最近はキャリアカウンセラーを配置して対応されているようですが…。

高校の進路指導部の強みもあります。
大学のキャリアセンターでは、せいぜい30%程度しか学生が来ませんが高校では
ほぼ100%の生徒を押さえています。
しかし高校生と大学生の手の掛かり方を考えると進路指導部は「ブラック職場」なの
かもしれません。

そんな環境にあると、結局進路指導は「前例踏襲」とならざるを得ない。


コメントを投稿