先週注目を集めていたのは、MSIとGALAXYから登場したオリジナルクーラー搭載のGeForce GTX 480カードだ。MSIの「N480GTX Twin Frozr II」は、2基の8センチファンとヒートパイプ5本を使ったクーラーを採用しており、標準クーラーと比べて平均16度の発熱低下と21.5デシベルの静音化を実現しているのが特徴(同社調べ)。拡張スロット2段を占有する形状で、価格は5万5000円前後だ。
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ソフマップ秋葉原本館は「GeForce GTX 480は、高性能ながら発熱がすごいということで敬遠している人も少なからずいます。そこに冷却性能で定評のある『Twin Frozr II』を搭載したモデルが出たということで、高価ながらも好調に売れています」と話す。
GALAXYの「GTX 480 SUPER OC」は、ファンを3基搭載したオーバークロックモデルで、標準のコア700MHz/メモリ3696MHzからコア760MHz/メモリ3800MHzに引き上げている。拡張スロット3段を占有する形状で、価格は5万円弱だ。フェイス秋葉原本店は「オーバークロック幅が高いので、1枚で使うならかなり強力なカードといえます。GALAXYの3連装ファンも冷却性能が高いですから、一定のニーズがあるでしょう。ただ、多くのマザーボードでは、SLIを組むには3スロット占有の厚みがネックになる。そういう意味で環境を選ぶ強化モデルといえますね」と評価を下す。
最上級のGTX 480以外にも、GDDR5メモリ2Gバイトを搭載するGeForce GTX 460カード「ZT-40406-10P」がZOTACから登場したほか、クレバリーが自社ブランドでGeForce 7950 GT搭載のAGP 8X対応カード「CB-7950GT/512M/DDR3A」を投入するなど、GeForce系はさまざまな高性能モデルが目立っている。「ZT-40406-10P」は8月に登場したPalitの「GeForce GTX 460 Sonic 2GB」以来となる2Gバイトモデルで、価格は2万9000円弱。「CB-7950GT/512M/DDR3A」は系列店で1万2980円の価格が付けられていた。
ニーズの高い新製品が連発したことも手伝い、多くのショップではハイスペック級のグラフィックスカード全体で、GeForceのシェアが高まっていると語る。ツートップ秋葉原本店では「瞬間最大風速ではGeForceが勝っていますね。1カ月単位でみるとRadeonと拮抗したという感じでしょうか。RadeonもHD 5870とHD 5770が安定して売れていますから」と語る。
ただし、この状況はGeForceの躍進だけが理由ではないという声もちらほら聞こえてきた。某ショップは「次世代チップと思われる『Radeon HD 6000ファミリー』の情報がすでに国内に流出していまして、海外の情報に目を光らせるマニア以外の方にも、普通に知られていたりします。そのため、Radeon系を買い控える動きが起きているのは確かですね。まあ、実際の性能アップは状況よってそれほどではないらしいですし、個人的には価格が落ち着いている現行製品を選んだほうがいいと思いますけど。事前に情報がもれちゃうあたりは、“AMDらしい”っちゃ、らしいですけどね」と苦笑いしていた。
●GeForce GT430カードが一斉デビュー!
エントリークラスのグラフィックスカードでは、先週頭からGeForce GT 430を搭載した各社のカードが一斉に店頭へ並んだ。週末に確認できたのは、リードテックとASUSTeK、GARAXY、ZOTAC、Palit、InnoVISION、玄人志向のカードで、価格は7000円弱から1万円弱。在庫は潤沢だ。
GeForce GT 430は、コードネーム「Fremi」に属するエントリーGPUで、DirectX 11をサポートするほか、HD動画支援やBlu-ray 3D再生支援機能などを備える。標準仕様のカードはDDR3とDDR5に対応しており、今回登場したモデルはすべてDDR3を1Gバイト搭載していた。コアクロックは1400MHzで、CUDAコアは96基となる。
エントリークラスのカードのため、売り切れ続出といった反響は起きていないものの、各ショップの評価はまずまず高い。クレバリー1号店は「ゲーム目的でなく、動画コンテンツの再生やマルチディスプレイ目的で購入するなら、悪くないカードだと思います。補助電源もいりませんし、ロープロファイル対応モデルも多いので、メーカー製PCにも組み込みやすいと思いますよ」と話していた。
その中でも特に注目を集めているのは、ZOTACのファンレスモデル「ZT-40601-20L」だ。基板を覆う大型ヒートンシンクを採用した2スロット占有モデルで、価格は9000円前後。パソコンショップ・アークは「GeForce 400ファミリーで貴重なファンレスカードということで、人気があります。エアフローがある程度しっかりした構成なら、ノイズを増やさずに最新のグラフィックス環境が使えるというメリットがありますね」と語る。
ただ、登場したばかりということもあって、価格面で「もう一声」と感じているショップもいくつかった。そうしたショップの希望は5000円~6000円前後だとか。フェイス秋葉原本店は「エントリークラスを求めるお客さんにとって1万円弱と感じる価格帯は、ちょっと高いですから。やっぱり5000円くらいで気軽に強化できるという感覚が欲しいところです。しばらくすれば価格が落ち着いて、最安モデルはこのラインに入ってくる可能性はあると思いますね」という。
●増えるUSB 3.0の利用シーンと7000円台に突入した2TバイトHDD
インタフェース関連で目立っていたのは、USB 3.0だ。先週、USB 3.0カードで初のPCI接続タイプとなるインタフェイーカード「USB3.0N-LPPCI」が、玄人志向から登場した。パソコンハウス東映の価格は5480円。USB3.0N-LPPCIは、USB 3.0ポートを2基備えるカードで、PCIバスの帯域上限である最大1Gbpsの転送速度を得られるのが特徴だ。また、バスパワーの電流もUSB 3.0の規格上限である900mアンペアまで利用できる。同店は「PCI Expressスロットのない古めのマシンでもUSB 2.0環境を超える快適な転送が可能になります。USB 3.0の性能をフルには発揮することはできませんが、ニーズはけっこうあるんじゃないかと思いますね」とヒットを期待していた。
一方、ノートPC向けのUSB 3.0カードはすでにヒットの兆しをみせている。エアリアのExpress Card/54モデル「ツライチUSB3.0 54mmExpress版」で、価格は4500円弱。2基のUSB 3.0端子を備え、カードスロットにすっぽり収まるのが特徴だ。同社によると実測レベルで、USB 2.0接続の約3倍の転送速度と500mアンペアのバスパワー給電が可能という。T-ZONE.PC DIY SHOPは「まだまだUSB 3.0対応のノートPCは少ないので、機能を追加するために購入する方がけっこういらっしゃいます」と話していた。
USB 3.0関連アイテムは、現在も外付けHDDやHDDアダプタなどのストレージ関連が多いが、最大容量の2TバイトHDDは順調に価格を下げている。先週末の時点で、ウエスタンデジタルの2TバイトHDD「WD Caviar Green WD20EARS」の売価を、特価扱いで7980円にするショップが複数みられた。周辺ショップの値付けから価格を修正していたクレバリー1号店は「円高などは関係なく、普通に値が下がっています。いまや最低価格は1Tバイトで4000円レベルなので、動画を扱わない人でも容量単価の最も安い2Tバイトモデルを買われていきます。とくに最安のWD20EARSは、他店より数100円高いと見向きもされなくなるので油断できないっすよ」とこぼしていた。
●ロジクール製トラックボールや4台収納可能なリムーバブルケースなど
最後は、ノンジャンルで注目の新製品を紹介していく。入力デバイスで話題を集めたのは、ロジクールのトラックボール「Wireless Trackball M570」だ。同社のトラックボールは2008年12月に出回った「Cordless Optical TrackMan TM-400」ぶりで、今モデルはレーザーセンサーを備えているのが特徴。PCとの接続はワイヤレスで、本体は単三乾電池1本で最長約18ヶ月(目安)稼働する。価格は5000円弱だ。
ソフマップ秋葉原本館は「スクロールホイールと2つのカスタムボタンを備えているのもポイントです。ロジクール製のトラックボールを待っていた人はけっこう多いと思うので、安定した売れ行きが期待できそうです。トラックボールは机上の空きスペースがそれほどいりませんし、手も疲れにくいですから、『この価格なら試してみよう』というお客さんも出てくるのではと思いますね」と話していた。
テクノハウス東映は、5インチベイに収納できる2.5インチドライブ用のリムーバブルケース「MB994-SP-4S」を入荷。SATA2.0タイプのHDDやSSDを最大4台収納できる。価格は7980円。同店は「フロントからシャーシまで金属でできているので、剛性が強く、長らく使える仕様ですね。余ったSSDや古いノートのHDDを活用するのにおすすめです」と語る。
そのほか、ドスパラ秋葉原本店では、自社ブランドマシン「Galleria スペシャルフォース推奨ミリタリーモデル」限定の塗装を施した、ミリタリーケースを展示していた。IN WINのATXフルタワーケース「Maelstrom」をカスタムした特別仕様のモデルで、同店は「好評ならミリタリー仕様のラインアップをどんどん増やしていきたいと思っています」と意気込んでいた。
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ソフマップ秋葉原本館は「GeForce GTX 480は、高性能ながら発熱がすごいということで敬遠している人も少なからずいます。そこに冷却性能で定評のある『Twin Frozr II』を搭載したモデルが出たということで、高価ながらも好調に売れています」と話す。
GALAXYの「GTX 480 SUPER OC」は、ファンを3基搭載したオーバークロックモデルで、標準のコア700MHz/メモリ3696MHzからコア760MHz/メモリ3800MHzに引き上げている。拡張スロット3段を占有する形状で、価格は5万円弱だ。フェイス秋葉原本店は「オーバークロック幅が高いので、1枚で使うならかなり強力なカードといえます。GALAXYの3連装ファンも冷却性能が高いですから、一定のニーズがあるでしょう。ただ、多くのマザーボードでは、SLIを組むには3スロット占有の厚みがネックになる。そういう意味で環境を選ぶ強化モデルといえますね」と評価を下す。
最上級のGTX 480以外にも、GDDR5メモリ2Gバイトを搭載するGeForce GTX 460カード「ZT-40406-10P」がZOTACから登場したほか、クレバリーが自社ブランドでGeForce 7950 GT搭載のAGP 8X対応カード「CB-7950GT/512M/DDR3A」を投入するなど、GeForce系はさまざまな高性能モデルが目立っている。「ZT-40406-10P」は8月に登場したPalitの「GeForce GTX 460 Sonic 2GB」以来となる2Gバイトモデルで、価格は2万9000円弱。「CB-7950GT/512M/DDR3A」は系列店で1万2980円の価格が付けられていた。
ニーズの高い新製品が連発したことも手伝い、多くのショップではハイスペック級のグラフィックスカード全体で、GeForceのシェアが高まっていると語る。ツートップ秋葉原本店では「瞬間最大風速ではGeForceが勝っていますね。1カ月単位でみるとRadeonと拮抗したという感じでしょうか。RadeonもHD 5870とHD 5770が安定して売れていますから」と語る。
ただし、この状況はGeForceの躍進だけが理由ではないという声もちらほら聞こえてきた。某ショップは「次世代チップと思われる『Radeon HD 6000ファミリー』の情報がすでに国内に流出していまして、海外の情報に目を光らせるマニア以外の方にも、普通に知られていたりします。そのため、Radeon系を買い控える動きが起きているのは確かですね。まあ、実際の性能アップは状況よってそれほどではないらしいですし、個人的には価格が落ち着いている現行製品を選んだほうがいいと思いますけど。事前に情報がもれちゃうあたりは、“AMDらしい”っちゃ、らしいですけどね」と苦笑いしていた。
●GeForce GT430カードが一斉デビュー!
エントリークラスのグラフィックスカードでは、先週頭からGeForce GT 430を搭載した各社のカードが一斉に店頭へ並んだ。週末に確認できたのは、リードテックとASUSTeK、GARAXY、ZOTAC、Palit、InnoVISION、玄人志向のカードで、価格は7000円弱から1万円弱。在庫は潤沢だ。
GeForce GT 430は、コードネーム「Fremi」に属するエントリーGPUで、DirectX 11をサポートするほか、HD動画支援やBlu-ray 3D再生支援機能などを備える。標準仕様のカードはDDR3とDDR5に対応しており、今回登場したモデルはすべてDDR3を1Gバイト搭載していた。コアクロックは1400MHzで、CUDAコアは96基となる。
エントリークラスのカードのため、売り切れ続出といった反響は起きていないものの、各ショップの評価はまずまず高い。クレバリー1号店は「ゲーム目的でなく、動画コンテンツの再生やマルチディスプレイ目的で購入するなら、悪くないカードだと思います。補助電源もいりませんし、ロープロファイル対応モデルも多いので、メーカー製PCにも組み込みやすいと思いますよ」と話していた。
その中でも特に注目を集めているのは、ZOTACのファンレスモデル「ZT-40601-20L」だ。基板を覆う大型ヒートンシンクを採用した2スロット占有モデルで、価格は9000円前後。パソコンショップ・アークは「GeForce 400ファミリーで貴重なファンレスカードということで、人気があります。エアフローがある程度しっかりした構成なら、ノイズを増やさずに最新のグラフィックス環境が使えるというメリットがありますね」と語る。
ただ、登場したばかりということもあって、価格面で「もう一声」と感じているショップもいくつかった。そうしたショップの希望は5000円~6000円前後だとか。フェイス秋葉原本店は「エントリークラスを求めるお客さんにとって1万円弱と感じる価格帯は、ちょっと高いですから。やっぱり5000円くらいで気軽に強化できるという感覚が欲しいところです。しばらくすれば価格が落ち着いて、最安モデルはこのラインに入ってくる可能性はあると思いますね」という。
●増えるUSB 3.0の利用シーンと7000円台に突入した2TバイトHDD
インタフェース関連で目立っていたのは、USB 3.0だ。先週、USB 3.0カードで初のPCI接続タイプとなるインタフェイーカード「USB3.0N-LPPCI」が、玄人志向から登場した。パソコンハウス東映の価格は5480円。USB3.0N-LPPCIは、USB 3.0ポートを2基備えるカードで、PCIバスの帯域上限である最大1Gbpsの転送速度を得られるのが特徴だ。また、バスパワーの電流もUSB 3.0の規格上限である900mアンペアまで利用できる。同店は「PCI Expressスロットのない古めのマシンでもUSB 2.0環境を超える快適な転送が可能になります。USB 3.0の性能をフルには発揮することはできませんが、ニーズはけっこうあるんじゃないかと思いますね」とヒットを期待していた。
一方、ノートPC向けのUSB 3.0カードはすでにヒットの兆しをみせている。エアリアのExpress Card/54モデル「ツライチUSB3.0 54mmExpress版」で、価格は4500円弱。2基のUSB 3.0端子を備え、カードスロットにすっぽり収まるのが特徴だ。同社によると実測レベルで、USB 2.0接続の約3倍の転送速度と500mアンペアのバスパワー給電が可能という。T-ZONE.PC DIY SHOPは「まだまだUSB 3.0対応のノートPCは少ないので、機能を追加するために購入する方がけっこういらっしゃいます」と話していた。
USB 3.0関連アイテムは、現在も外付けHDDやHDDアダプタなどのストレージ関連が多いが、最大容量の2TバイトHDDは順調に価格を下げている。先週末の時点で、ウエスタンデジタルの2TバイトHDD「WD Caviar Green WD20EARS」の売価を、特価扱いで7980円にするショップが複数みられた。周辺ショップの値付けから価格を修正していたクレバリー1号店は「円高などは関係なく、普通に値が下がっています。いまや最低価格は1Tバイトで4000円レベルなので、動画を扱わない人でも容量単価の最も安い2Tバイトモデルを買われていきます。とくに最安のWD20EARSは、他店より数100円高いと見向きもされなくなるので油断できないっすよ」とこぼしていた。
●ロジクール製トラックボールや4台収納可能なリムーバブルケースなど
最後は、ノンジャンルで注目の新製品を紹介していく。入力デバイスで話題を集めたのは、ロジクールのトラックボール「Wireless Trackball M570」だ。同社のトラックボールは2008年12月に出回った「Cordless Optical TrackMan TM-400」ぶりで、今モデルはレーザーセンサーを備えているのが特徴。PCとの接続はワイヤレスで、本体は単三乾電池1本で最長約18ヶ月(目安)稼働する。価格は5000円弱だ。
ソフマップ秋葉原本館は「スクロールホイールと2つのカスタムボタンを備えているのもポイントです。ロジクール製のトラックボールを待っていた人はけっこう多いと思うので、安定した売れ行きが期待できそうです。トラックボールは机上の空きスペースがそれほどいりませんし、手も疲れにくいですから、『この価格なら試してみよう』というお客さんも出てくるのではと思いますね」と話していた。
テクノハウス東映は、5インチベイに収納できる2.5インチドライブ用のリムーバブルケース「MB994-SP-4S」を入荷。SATA2.0タイプのHDDやSSDを最大4台収納できる。価格は7980円。同店は「フロントからシャーシまで金属でできているので、剛性が強く、長らく使える仕様ですね。余ったSSDや古いノートのHDDを活用するのにおすすめです」と語る。
そのほか、ドスパラ秋葉原本店では、自社ブランドマシン「Galleria スペシャルフォース推奨ミリタリーモデル」限定の塗装を施した、ミリタリーケースを展示していた。IN WINのATXフルタワーケース「Maelstrom」をカスタムした特別仕様のモデルで、同店は「好評ならミリタリー仕様のラインアップをどんどん増やしていきたいと思っています」と意気込んでいた。
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