韓国徴用者 ようやく光が差した by 朝日新聞

2006年03月13日 | 支那朝鮮関連
 朝鮮半島が日本の植民地だったころ、多くの朝鮮の人たちが故郷を後にし、日本や戦地に渡った。自らの意思で行った人もいれば、企業や軍に徴用された人も少なくない。
 そこで死傷したり、賃金をもらえなかったりした人々の被害を、韓国政府が救済することになった。
 徴用されて死傷した人や遺族に最高240万円の慰労金を出し、帰還者の医療費を支援する。未払い賃金など未収金については、現在価値に換算して支払う。来年から実施する計画だ。
 李海サン(イヘチャン)首相は「遅きに失したとはいえ、国民を保護しなければならない国家の当然の責務だ」と強調した。
 植民地から解放されて60年、日本と韓国の国交正常化から40年が過ぎた。なのに、いま韓国政府が「過去」に対してこうした措置をするのには理由がある。
 国交正常化の際、日韓は互いに請求権を放棄し、日本が5億ドルの経済協力をすることで合意した。徴用者らの被害については、当時の朴正熙政権が自分たちで処理すると主張し、そのことも含めての決着だった。これは韓国が昨年公開した外交文書でも改めて確認された。
 しかし、朴政権は70年代、日本から提供された資金を使ってごく一部の旧軍人・軍属を救済した程度で、資金の大半は韓国の経済発展につぎ込まれた。その後の政権も、韓国民の被害救済にはほとんど手をつけようとしなかった。
 いまの盧武鉉政権は、そんな歴史に光をあて、見直そうとしている。
 植民地の統治に協力した「親日」派の糾明をはじめ、金大中氏拉致事件などさまざまな事件の真相解明を進めてきた。社会の古傷に触れることにもなり、亀裂を生んだりもしている。
 とはいえ、過去に対応が不十分だったことが判明すれば、今からでも補う。不面目ではあっても歴史に向き合おうとする今回の措置は評価できることだ。
 韓国政府によると、救済対象は10万人程度と想定されている。あくまで「支援」であって政府の責任を公的に認めた「補償」ではないうえ、対象も限られているため、不満もあるようだ。
 被害を確定するため、韓国側は日本にある賃金支払い関係の資料や名簿の提供を求める方針だ。日本側はそうした協力を惜しむべきではない。
 日韓条約で決着していたはずの韓国の徴用被害者の救済が、40年以上もたってようやく動き出す。ただこれで終わりではない。サハリン残留の韓国人や在韓被爆者、慰安婦など当時は想定されなかった問題があることを忘れてはならない。
 日本政府も遅まきながら、こうした問題での支援に乗り出してきた。ハンセン病で長く隔離された朝鮮人犠牲者の救済にもやっと腰を上げたところだ。
 徴用されるなどして日本で亡くなった韓国人の遺骨の調査・返還を含め、日本が誠意を込めてしっかりと続けなければならないことはまだ多い。

asahi.com :朝日新聞今日の朝刊-社説
http://www.asahi.com/paper/editorial20060313.html#syasetu1


・朝日新聞が「強制連行」という言葉の使用を停止 ?真の報道機関がすべきこと?

mumur

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