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え!中国では下水溝から食用油が作られる?

2006年12月15日 | 支那朝鮮関連
           ラード工場の立ち入り検査

大量の農薬も含まれ人体への悪影響必至
2006年12月15日 金曜日

北村 豊

 2006年8月2日夜、浙江省台州市衛生監督所は、温嶺市新河鎮塘下村にある「繁昌油脂廠」を急襲して立ち入り検査を行った。衛生監督所の執行官たちは、工場に足を踏み入れると同時に強烈な腐敗臭に襲われた。原料油工場は特にひどく、その臭さは並大抵のものではなかった。油脂が腐敗した後の居たたまれない悪臭が工場全体に濃厚に漂っていた。執行官たちは工場の検査と同時進行で同廠の経営者である應富明に事情聴取を行った後、同廠の製品である食用ラード5300キロ、原料油3万7600キロ(ドラム缶で264本)、ヤシ油1800キロ、原料油の輸送用トラックなどを押収した。

 繁昌油脂廠は豚油加工企業で、2005年9月20日に営業許可証と食品衛生許可証を取得、試生産を経て、2006年4月から正式に「食用ラード」の生産を開始した。日産能力は6トンであったが、最高日産量は10トンを超え、台州地区では唯一の、浙江省でも比較的規模の大きな豚油加工企業であった。繁昌油脂廠が試生産から立ち入り検査までの約10カ月間に生産した食用ラードは100トン以上で、これは上海、杭州、温州などの各地から購入した原料油が170トン前後であったことからも裏づけられた。

下水溝に溜まった油を原料として食用ラード

 繁昌油脂廠の立ち入り検査は、台州市衛生監督所が「下水溝に溜まった油を原料として食用ラードを生産している」という通報を受けたことに端を発した。衛生監督所の執行官たちは繁昌油脂廠に対する調査を徹底的に展開、台州市の地質監督部門が先ごろ同廠を検査した際に、ラードの包装缶にマークが入っていないことを発見し、関連規則違反として生産の一時停止命令を出していたことが判明した。ところが、通報者からの情報で、生産一時停止命令を受けた繁昌油脂廠は、操業時間を夜間に切り替え、監督部門が退勤してから早朝まで操業し、昼間は生産停止を装っていることも判明した。


製造中の危ない食用ラード
 執行官たちは、繁昌油脂廠の監視と製品の追跡という両面作戦の実施を決定、一方は油脂廠の動静を探り、他方は市場から製品品質と流通を探ることとした。執行官たちは台州市椒江区で販売店を探り出し、繁昌油脂廠の製品20数缶を発見した。販売店主によれば、應富明が品質は100%合格品だと保証したので、数ヶ月前から繁昌油脂製品を購入しているが、値段が他社製品と比べて半分以下であるという。そこで、執行官は製品のサンプルを台州市疾病予防センターへ送って分析を依頼し、食用ラードの酸価値(油の酸化の指標)が1グラム当たり17ミリグラムを超えていることが判明した。

 これは、国家基準である「食用動物性油脂衛生標準」で要求されている1.5ミリグラム以下の11倍もの数値であり、食中毒のみならず、遺伝子に影響を与える危険性すら想定された。そこで、別の販売店2ヵ所から採取したサンプルを浙江省疾病予防センターへ送り、高精度の分析を依頼した。この結果は驚くべきもので、サンプルからは何と劇毒の農薬である「666」と「DDT」が、1キロ当たり0.027~0.088ミリグラム検出されたのであった。


一方、繁昌油脂廠の動静を監視していた執行官たちは、繁昌油脂廠が頻繁に原料油を買い入れていることを確認、生産が始まることを確信するに至り、ついに8月2日夜の立ち入り検査が実行に移されたのであった。

 「食用動物油脂衛生標準」の規定では、食用ラードの原料は「生きた豚の純脂肪組織」で生産し、衛生検査に合格した後、原料として使用できることになっている。ところが、繁昌油脂廠が2005年9月以降購入した170トン前後の原料油は、劇毒の農薬が含まれていたことからも分かるように出所不詳の廃棄油脂であった。経営者の應富明自身が「ゴミ油」と呼んだ原料油に対する調査の結果、廃棄油脂の種類が次のように判明した:

[1] 豚をした後に売れ残った部分の肉を煮詰めて出来た豚油(業界用語では「雑粒油」)
[2] 皮革工場で豚皮を塩漬けにして乾かした後に竹で削り落とした豚油(工業用の使用は可)
[3] ホテルやレストランで何回も揚げ物料理に使われて廃棄された油
[4] ホテルやレストランの汚水に含まれた油
[5] 下水溝に溜まった油

 上記[1]及び[2]は食用油脂ではないので論外だが、2002年に公布された「食品経営単位廃棄食用油脂の規定」は、上記[3]~[5]の油を廃棄油脂に分類し、買い入れて食用油脂に加工することを明確に禁止している。

100トン以上の有害ラードが未回収

 腐敗で変質した廃棄油脂を食用ラードに加工するには特殊な処理が必要であるが、執行官たちが確認した繁昌油脂廠の食用ラード製造工程は次の通りである:

(1) 原料油をポンプで反応鍋へ送り、攪拌と脱臭を行う。
(2) 吸収力の強い珪藻土(白土)を加えて汚れを除去することで色を白くする。ただし、原料油が汚れすぎていると白くはならない。
(3) 工業用アルカリを加えて酸価値を下げる。(原料油の酸価値は1グラム当たり54.27ミリグラムであったものが、製品では17ミリグラムまで低下している)
(4) 最後にヤシ油を10%加えて粘度を高める。


食用ラードの秘密工場内部
 こうして製造された食用ラードは、工場出荷価格で一般価格の半値と安いことから、売れ行きは良好であった。繁昌油脂廠は正式操業前の2006年1月には、その名の通り既に「繁昌」していたことが帳簿から判明している。繁昌油脂廠は販売ネットワークを独自に形成し、その販売先は地元の浙江省をはじめとして、四川省、山東省など広い地域に及んでいた。

 繁昌油脂廠から製品を購入した販売店は、主としてレストランやファストフード店へ販売していたものと思われる。経営者である應富明は既に有害食品製造容疑で正式に逮捕されているが、台州地区では繁昌油脂廠製の食用ラードを6467キロ回収することに成功したのみで、既に広域に流通した100トン以上の有害ラードの回収は全く進んでいない

 2006年12月3日、中国国営テレビ局である「中央電視台」は、その人気番組である「毎週品質報告」で上述した繁昌油脂廠事件を特集した。この放送の反響は大きく、主要販売先の1つとされた山東省では、各地で市場調査が行われ、問題の繁昌油脂廠の食用ラードは見つからなかったとして、調査結果を踏まえた安全宣言が次々と行われている。しかしながら、繁昌油脂廠が100トン以上の「食用ラード」を出荷したことは事実であり、それらが発見されないということは、既に調理に使用されてしまったことを意味するのだろう。


食用ラードの優良製品
 繁昌油脂廠の事件が公表されて間もない2006年8月31日、中国衛生部は緊急通知を発し、全国の衛生部門に中小レストランが低品質油を使用していないか至急調査するよう命じ、違反に対しては刑事責任の追及も含めて厳正に対処するよう指示を出した。なお、現在までのところ、繁昌油脂廠製の食用ラードによって健康被害が発生したという報告はないようだ。


ところで、毒性のある食用ラードによる事件は繁昌油脂廠事件に始まったわけではなく、過去にも幾度となく繰り返されている。1998年12月25日から1999年2月6日までの間に、広東省の北に位置する江西省南部で有機錫などに汚染された食用ラードにより1336人に異常反応が起こり、1002人が中毒となり死者が3人発生する事件が起きた。この食用ラードは広東省深セン市龍岡区の無認可工場で製造されたもので、輸入した工業用ラードを食用と偽ったばかりか、化学工業原料が入っていた缶を再利用してラードを充填したことで一層汚染が増大したことも判明した。

 深セン市では2003年にも宝安区で、豚の屑肉や内臓をただ同然の安値で買い集め、腐臭漂う無認可の秘密工場でラードを製造して食用として販売する事件が起きている。製法は繁昌油脂廠と似たり寄ったりだが、こちらは煮立った油にできる泡を消すために工業用消泡剤を投入、色を白くするために過酸化水素水(オキシフル)を入れるというデタラメぶりであったが、製品は市場価格の半値ということで固定客の注文を受けて、生産が需要に追いつかない状況を呈していたという。2003年11月には、湖南省で皮革企業2社が、豚皮の生産過程で発生した腐敗豚油を加工してラードを作り、食用ラードと偽って販売する事件が発生している。長くなったがこのような例を挙げれば切りがない。

都市部ではさすがに少ないが

 12月4日の新華ネットは、中央電視台の「毎週品質報告:闇の油の内幕」という題で特集記事を掲載し、記者による広東省広州市における品質の疑わしい「食用ラード」追跡をリポートしている。物資が豊富に出回っている今日では、都市部ではさすがに食用ラードを購入する人は少なく、料理にラードが必要な人は肉の脂身を買って自分で作るが、都市部と農村部との境目あたりになると品質的に疑わしい「食用ラード」がパン屋、ファーストフード店、屋台店などに販売されているという。疑わしい「食用ラード」の色は白く、見た目は問題無いように思えるが、その臭いは不思議な異臭というに足るだけのすさまじさであったという。これらの「食用ラード」は広州市の南部にある番禺で生産されたもので、価格は市価に比べて超安値で販売されていると報じている。

 今年になって関係部門は全国規模で食用油の抜き取り検査を実施したが、その合格率は95%であり、表向きは問題が少ないように思える。しかし、当局の関係者は食用油の供給源が複雑になっていることから、最近も低品質の食用油に起因する事故が多発していると述べている。

 筆者はかつて中国で問題化した「毛髪醤油」に関する記事を掲載したが、今回の「食用ラード」も自己の利益を最優先として、他人の健康への影響など一顧だにしない身勝手な人々が引き起こしているものである。たとえその影響はすぐには現れなくとも、危険な食品が人類の将来にもたらす影響は決して小さいものではないだろう。日本でも違法な軽油の密造を行う愚か者が存在し、製造過程で発生する硫酸ピッチを不法投棄して問題となっているが、人体に直接影響を与える「危ない食用油」を密造して販売するといった話は聞いたことがない。

 食品関連で、営利目的で人体に直接・間接の悪影響を及ぼす製品を生産する事件の発生は、日本ではさほど多くないと思うが、中国では何故にかくも多発するのか。中国が標榜する「社会主義市場経済」の矛盾が、このような「向銭看」(金銭万能主義の意味:同じ発音の「向前看」<前向きに>をもじったもの)を助長しているのであるのなら、社会教育を通じて人としての道義を理解させるとともに、社会矛盾の解決策を早急に講ずることが必要なのではなかろうか。

(北村豊=住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト)

(註) 本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、住友商事株式会社 及び 株式会社 住友商事総合研究所の見解を示すものではありません。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20061214/115674/?P=1





腐敗根絶派、相次ぐ殺害 中国、胡政権方針に抵抗勢力?

 【北京=野口東秀】中国でこのほど地方行政のトップと裁判官の一家が惨殺される事件が相次いで発生した。双方とも胡錦濤政権が標榜する汚職根絶を強く推進しており、懸念を抱いた企業や関係者側が暴力組織と癒着、殺害した可能性がある。「調和社会構築」を最優先に掲げ、社会問題を重視する胡政権が、反腐敗闘争の中で激しい抵抗に遭う実態が浮き彫りになっている。
 中国各紙によると、今月11日、甘粛省臨夏回族自治州で中級人民法院(地裁)の陳義明・裁判長(58)と妻、孫(7)、16歳の家政婦4人が自宅で銃殺された。陳裁判長は、共産党・政府幹部による職務犯罪や麻薬関連の犯罪などを担当していた。同裁判長は「法に厳正な勤務態度が目立った」(14日付新京報)とされ、逆恨みによる報復措置を受けた可能性が指摘されている。
 貴州省では11月27日、興仁県の文建剛・県長(42)の自宅で、文夫婦と4歳の子供を含む一家6人が惨殺された。
 同県では昨年、炭鉱死亡事故が立て続けに発生、文県長はその責任を問われて停職処分に追い込まれた。復帰後は違法炭鉱の閉鎖などに乗りだし、党中央の炭鉱整理通達を実施したため、炭鉱業者や暴力組織から再三、殺害予告を受けていた。
 エネルギー需要を背景に、中国では小規模の炭鉱でも、年間収入が約1000万元(約1億4800万円)を上回る。政官業と暴力組織がこうした「金の卵」を牛耳る形が構造的に出来上がっており、腐敗の温床となっている。
 文県長の殺害事件については、同県の炭鉱管理局の責任者で炭鉱開発企業も経営していた人物が、700万元を超す汚職で死刑判決を受けて上訴中だが、中国紙はこの人物の周辺者による犯行を示唆した。
 腐敗に対する民衆の不満が高まっていることを受け、胡政権は汚職に厳しい姿勢を鮮明にしており、最高人民検察院(最高検)によると、昨年に汚職事件で摘発された公務員は4万人に上る。
 しかし、摘発は氷山の一角であり、党中央規律検査委員会は「党の規律を乱す党員は地位の高低にかかわらず、徹底的に調査し、厳粛に処理する」としている。
(2006/12/15 08:57)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/061215/chn061215001.htm







米で暗躍 中国系2人に産業スパイで有罪
12/16 04:22 この記事についてのブログ(7)


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 暗躍する中国の産業スパイを摘発せよ。
 米連邦検察局は14日、中国政府のハイテク計画のためコンピューター演算装置の設計情報を盗んだとして経済スパイ法違反で起訴した中国出身の男2人が有罪を認めたと発表した。量刑は来春の判決公判で示されるが、経済スパイ法の適用は日本人研究者が訴追された「遺伝子スパイ事件」(2001年)に続き2件目で、有罪はこれが初めて。中国の産業スパイに米側が経済スパイ法を積極的に適用する姿勢を示した形だが、中国当局は事件への関与を否定している。
 シリコンバレーなど北部カリフォルニア州を管轄する連邦検察局によると、有罪を認めたのは中国系のIT技術者、葉飛、鍾明の両被告。両被告は、米国内のIT企業からマイクロプロセッサの設計情報を盗み、サンフランシスコ国際空港から出国する寸前の01年11月、連邦捜査局(FBI)に逮捕された。
 両被告は中国東部の杭州市当局などが出資する技術企業に設計情報を渡し、国務院(内閣)の「国家ハイテク研究発展計画」(通称863計画)に技術を申請することをもくろんでいたという。事件と同じ01年の中国の単年度計画では、コンピューターの情報処理技術の性能向上などが重点課題となっていた。
 起訴段階で葉被告らは計10項目の罪で訴追され、量刑は最高で禁固100年前後とみられていた。両被告はこのうち「外国の政府、組織、機関への利益目的」による窃取を禁じる経済スパイ法の2つの罪状について有罪を認めたため、検察側との間の司法取引が成立した。
 14日、軍事転用可能なソフトウエアを盗んだとしてやはり経済スパイ法違反の罪でカナダ国籍の中国人、孟暁東被告が起訴された。これは経済スパイ法適用の3件目。孟被告は戦闘シミュレーション装置に転用可能な画像ソフトを正式な許可なく中国軍のほかマレーシア、タイの空軍関係者に売却を図ったとされる。
 担当検事は「シリコンバレーは米国経済の先端を行く技術革新にあふれており、商業機密の保護に努めたい」と産業スパイの摘発や知的所有権の保護を強調している。(ワシントン 山本秀也)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/31666/

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