三角合併解禁へ税制整備 政府、課税の先送りを容認

2006年11月27日 | 政治 経済
 政府は24日、来年度税制改正で、外国企業が現金を使わず自社株での日本企業買収を可能にする「三角合併」について、税制面で整備を進める方針を固めた。具体的には、企業が合併した段階で課税を先送りする現行の「繰り延べ課税」を三角合併にも認める方向。来年5月の三角合併解禁から企業がこの税制を利用しやすくする。安倍政権は「オープン(市場開放)による経済活性化」を打ち出しており、M&A(企業の合併・買収)を通じた対日投資が拡大しそうだ。

 現行税制では、買収される日本企業と外国企業の子会社が合併した段階で、(1)買収先の資産を譲り受ける子会社(2)外国企業の株を株式交換で受け取る日本企業の株主-のいずれにも譲渡益に課税が生じる。このため、買収される企業の株主は株式を交換しただけで課税される可能性があり、こうした税負担は三角合併の障害になっていた。

 日本では企業再編を促すため、一定の要件を満たした合併について資産移転に対する課税を繰り延べ、税負担を軽減する制度が既に整備されている。政府は、三角合併にもこの制度が適用できるよう検討を急ぐ。

 ただ、合併の対価として外国企業の株式を用いると、その株を受け取った株主が海外に引っ越した上で売却するケースも想定される。その場合、日本の税務当局が課税しにくくなるなどの事態が懸念されるため、課税回避の防止策についても検討を進める。
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【用語解説】三角合併

 会社を合併する際に、消滅会社の株主に対し、存続会社の株式ではなく、その親会社の株式を交付して行う合併。これまで合併の対価は存続会社の株式に限定されていた。しかし、今年5月に施行された会社法には、対価の対象を現金や親会社の株式などにも拡大する規定が盛り込まれたため、三角合併の実現が可能になった。

 ただ、時価総額の大きい外国企業が、日本の子会社を通じて国内の企業を次々と買収する事態を懸念する声は強い。このため、日本企業に買収防衛策を整備する猶予を与えることを目的に、合併対価の対象拡大とそれに伴う三角合併の実施は、会社法施行後1年間凍結されている。
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200611250026a.nwc




三角合併解禁 要件厳格化を牽制 EU大使、実効性求める

 欧州連合(EU)のリチャードソン駐日欧州委員会代表部大使は24日記者会見し、12月1日に都内で開く日・EU規制改革対話で、日本に対内直接投資の拡大などを求める意向を表明した。同大使は、会社法に基づき外国企業に株式交換での日本企業買収を認める三角合併の解禁(来年5月)について、「正しい方向への前進だが、最終仕上げでの実効性確保が極めて重要だ」と指摘。日本経団連が政府に求めている要件厳格化の動きを牽制(けんせい)した。

 同大使は「三角合併は当事者が同意を得ながら進める友好的な合併で、敵対的買収が進むという見方は誤解だ」と強調。2011年までに対内直接投資を国内総生産(GDP)の5%に引き上げるという日本政府の目標達成のためにも、三角合併を「シンプルで使いやすいものにすべきだ」と指摘した。

 また、規制改革対話では、医薬品や医療機器に関する承認手続きの迅速化・簡素化、EUで認められている食品添加物の認可推進、証券や保険も含む幅広い金融業務を認めるユニバーサルバンキングの解禁などを求める考えを示した。
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200611250003a.nwc





 [三角合併]「規制強化は対日不信を募らせる」

 外資の企業買収攻勢に対し、警戒感が強すぎるのではないか。来年5月に解禁される「三角合併」を巡り、経済界で激しい論争が起きている。

 三角合併は、ある会社が別の会社を買収して傘下に収める際、自らの子会社と買収対象企業を合併させ、合併対価に自社株式を交付する仕組みだ。

 企業再編を促進する手段だが、結果として、株式時価総額が大きい外国企業が日本企業を買収しやすくなる??。

 外資脅威論を背景に、そうした懸念が広がった。このため、会社法のうち、三角合併の規定だけ、施行が1年先送りされ、準備期間が与えられた。

 だが、政府が解禁に向け、政省令の検討を始めた今になって、日本経団連は、三角合併を認める要件の厳格化を改めて求めてきた。欧米は反発し、日本でも経済同友会は厳格化に反対している。

 日本経済の活性化には、どちらが望ましいのだろうか。

 経団連は三角合併をめざす外国親会社の日本の証券取引所上場を求めている。三角合併の賛否に関する株主総会での決議も、外国親会社が国内上場していれば「特別決議」、非上場はより厳しい「特殊決議」にすべきだという。

 特殊決議は、株主数の過半数と総議決権ベースの3分の2以上の賛成が必要だけに、合併成立はかなり難しくなる。

 三角合併の使い勝手を悪くして、外資を事実上締め出す意図がうかがえる。

 だが、三角合併は、当事者企業の経営者が合併契約を締結し、株主総会の承認を得て、初めて活用できる。敵対的買収ではなく、友好的買収が前提だ。

 経団連は、被買収企業の株主が外国株を渡されても売却しにくいとして、「株主保護」も求めるが、株主は、企業価値が向上する再編なら支持するはずだ。

 人口減社会でも経済成長できるよう、政府は、海外からの対日投資の増大を目標に掲げている。三角合併の厳格化は、経済活性化をめざす方針と逆行する。

 グローバル競争が進む中、自動車、鉄鋼など様々な業界で、国境をまたいだ企業再編が続いている。日本企業も、その潮流と無関係ではいられない。

 解禁直前に厳格化へ転換すれば、市場閉鎖性の象徴にもなりかねない。

 現在まで、本格的な買収防衛策を導入した上場企業は約160社にとどまる。企業防衛で心配が残る企業は、今後、取締役会や株主総会の決議で、新たな防衛策を導入すればいい。

 経団連は、企業買収に伴う技術流出の恐れも指摘している。これには別の法体制による対応を検討すべきだ。

(2006年11月26日1時18分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20061125ig90.htm





石原知事定例記者会見録 平成17(2005)年7月29日(金)

http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2005/050729.htm
こんな形でいくと、簡保にしろ郵貯にしろ、国が持ってるもう1つの
お財布が結局、民営化されると、日本の銀行が軒並みやられたみたいに、
アメリカの膨大な金融力ってものに収奪されて、日本の金が日本の金じゃ
なくなるんじゃないか、そういう懸念はあり得るかもしれない。長銀なん
かの例を見ても。
まあ、そこまで竹中君(竹中平蔵 内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
・郵政民営化担当)が考えて、アメリカの太鼓をたたいているとは思いま
せんがね。しかし、そういう憂慮をするような大きな背景があるってこと
をメディアの諸君も心得てもらいたいし、国民の皆さんも知っといた方が
いい。アメリカは実に勝手なことをしています。勝手な事を要求してる。
ほとんど日本はこれを聞いてきた。そして、やがて日本にウィンブルドン
現象が起こるかもしれない。つまりウィンブルドンという華々しいテニス
のコートで競い合ってるのは、全部外国人。提供しているのはイギリスとい
うことでね。

石原知事定例記者会見録 平成17(2005)年8月5日(金)
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2005/050805.htm

それで竹中(竹中平蔵 内閣府特命担当大臣(経済財政政策)・
郵政民営化担当)はアメリカの手先だとかね。アメリカの言いなりになって
民営化したら、全部向こうに乗っ取られちゃう。それはアメリカの
金融資本力というのは日本の数十倍ありますから、怖いですよ。
そういうものにどう歯止めをかけていくかという話は全然出てこない。
まあお粗末だね。



ITなど資格、アジア共通に・安倍首相が提唱へ

 政府は相手国の資格・免許を自国でも原則、通用するようにする「相互認証」をアジア域内で拡大する構想の検討に入った。IT(情報技術)関連などが柱となる見通し。実現すれば就労査証(ビザ)の取得が容易になり、人材交流が活発になる効果を期待できる。東アジア共同体もにらんだ取り組みと位置付け、安倍晋三首相が来月フィリピンで開く東アジア首脳会議(サミット)などで提唱する。
 各国の理解を得られれば具体的な調整に入る。2国間や多国間の作業部会を立ち上げる案などが検討課題になる見通し。日本政府内では、並行して根本匠首相補佐官(経済財政担当)が中心となる「アジア・ゲートウェイ戦略会議」が検討を進め、来年5月にも構想の全体像を固める。??(07:00)
NIKKEI NET:主要ニュース
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061127AT3S2600G26112006.html





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角栄のマスコミ買収
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           渡部亮次郎

世間では田中が総辞職したのは立花隆の「田中角栄研究」と思われてい
ますが、違います。あの時の文芸春秋に同じく載った「淋しき越山会の
女王」と言う記事だったのです。後に田中が私に言いました。「とにか
く真紀子にあのことで連日ワーワー言われて、それで参ったのだよ」と。

角栄に神楽坂の芸者だった辻なる女性に男の子2人のいることは側近な
ら皆、知っていることだったそうだが、越山会なる角栄後援会の会計責
任者、佐藤昭の娘・敦子が角栄との不倫の子であると喝破したのは、こ
の原稿の筆者・児玉隆也が初めてだった。

児玉があの原稿を書いた後、私を訪ねてきて「政治家が自分に不利な記
事を差止めるため800万円を差し出すことはありますか」と訊かれた。半
端な数字だから「それは無いだろう、半端すぎる」と答えた。

児玉によれば光文社の「週刊女性」誌デスク在任中、田中の(まだ幹事
長)女関係を記事にしようとしたら、著名な作詞家が800万円を差し出し
て「止めてくれ」といった。断ったが、社内では「児玉は田中からカネ
を取って記事を差し止めた」との噂が流され、とうとう社を辞める破目
になったのです、と言う話だった。

退社して何年もしないで児玉は文春に「淋しき・・・」を書き憂さを晴
らした。ただし児玉はガンに冒され、それからいくばくも無く、40前
に死んだ。片方の立花は有名になったが児玉は死んで、マスコミに乗る
機会が途絶えたまま忘れ去られてしまった。そのことを塩田は今回の本
でまず紹介している。戦後政治史の裏面が単行本で暴かれたのは初めて
である。

私の身分にも異変があった。記者(NHK)として田中首相の哲学の無
さをブラウン管で攻撃するものだから、角栄側近(竹下)から来た抗議の
電話に唯々諾々と従ったNHK首脳によって大阪に飛ばされた。飛ばす
担当者が告白したのだから間違いあるまい。昭和48(1973)年のことで
ある。問題はその後だ。

こんなNHKにいたって将来はないとみた私は自民党代議士・園田直の
招きで彼の外務大臣秘書官になった。福田内閣である。この内閣は三木
憎しで固まる田中の支持で出来た政権である。その関係で、かつては仲
の良くなかった角栄やその側近とも付き合うようになった。

そのため「あの時、児玉対策にどれほど使ったのか」をマスコミ担当秘
書に質すチャンスが来た。そしたら「3000万円を作詞家らに渡したが記
事は止まらず、カネも返って来なかった」との答えを得たと言うわけで
あった。

それにしても3000万円がなぜ800万円にしかならなかったのか。おそらく
作詞家と相棒の政治評論家(元読売政治記者)が山分けで猫糞しちまっ
た残りが800万円だったのだろう。

「田中角栄失脚」(塩田潮)を読めば作詞家と政治評論家は誰であるか、
すぐ推測がつきます。こうしたカネを角栄氏はどうせ阿漕な悪事で稼い
だんだからいいじゃないか、というのが一般的かもしれないが、あなた
は、この話を聞かされて、何を思われますか。 「おふくろさん」を歌え
ますか。

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