山口組「異例」の拡大 都内で200人増

2006年09月04日 | news
■共存路線も…警視庁は抗争警戒
 国内最大の指定暴力団・山口組(総本部・神戸市)がこの1年、都内で勢力を200人増やしたことが、警視庁の調べで分かった。昨年9月に東京の国粋会を傘下に収めて以降、勢力拡大を続ける山口組を、警視庁は「在京暴力団のもめ事などを機にさらに拡大する恐れもある」と警戒。あらゆる法令を駆使して摘発を進め、“一人勝ち”状態の山口組の肥大化を阻止する構えだ。
 警視庁組織犯罪対策3課によると、都内の山口組勢力は数年前まで数%だったが、現在は約10%に拡大。バブル崩壊を機に資金源を求め、東京に進出の足がかりを築いてきたためだ。
 東京進出を本格化させた形となった昨年9月の国粋会の“吸収”で、都内勢力を900人から一気に1450人とし、指定暴力団稲川会を抜き住吉会、極東会に続く第3の勢力となったが、その後も1650人(昨年末時点での集計)にまで膨らみ、この1年で200人増という。「在京暴力団はみな現状維持がやっとで、200人増は異例だ」(組対3課)
 銀座や渋谷など都内の一等地を縄張りに持つ国粋会は、他の暴力団に縄張りを貸していたため、山口組入りで賃料値上げなどが起こりトラブルになることが懸念されたが、他団体との間で目立った混乱はこれまでのところない。警視庁は「傘下組織が在京暴力団とトラブルを起こさないよう神経を使う“平和共存路線”をとっているため」と分析する。
 一方、勢力図の「地殻変動」に伴い、他団体が水面下で緊迫の度合いを強めていたことも確認されている。横浜港から拳銃や爆薬などを密輸したとして逮捕された稲川会系の組関係者は「(山口組入りした)国粋会との抗争に使うと思った」と裁判で証言した。捜査幹部も「共存路線とはいえ、山口組が在京暴力団の『米びつ』に手を突っ込んだ格好に変わりはない。トラブル回避に努める山口組の抑えが利かなくなることもある」と、抗争を警戒している。
 山口組は、関西や中国、九州地方でも有力団体と友好関係を強化している。警視庁幹部は「“寄らば大樹の陰”にうまみがあると考える流れと山口組の拡大路線は断ち切らねばならない。あらゆる法令で徹底的に摘発する」としている。る。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/17633/


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