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『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

『自分では気づかない、ココロの盲点』 池谷裕二

2014-04-23 | Books(本):愛すべき活字

『自分では気づかない、ココロの盲点』
池谷裕二(日:1970-)
2013年・朝日出版社

++++

あなたは公平に振舞っていますか。

もちろん人間である以上、いつも公平に振舞うことは難しいものです。

ときにはエコ贔屓したり、周囲に八つ当たりしてしまうことはあるでしょう。

それはあくまで「人間らしさ」の裏返し。


一方、この世は理不尽です。

自由や平等とは名ばかり。

差別やいじめ、汚職、詐欺など、暗いニュースがあとを絶ちません。


そんな陰湿な世の中で、さて、あなたは「世間の平均」に比べれば、それなりに公平に振舞っているほうでしょうか。

そんなアンケートをとると、次のどちらの答えが多いでしょうか。


<1>平均より公平です

<2>平均より不公平です












~~~~~~~~~~~

【正解】

<1> 平均より公平です

ほぼ100%の方が <1> と答えます。

つまり、ヒトは自分のことを不公平だと考えていないのです。

これは「平均以上効果」と呼ばれます。

(以下、略)

++++



本来、この文章(↑)は自分を平均以上とみなすこと(平均以上効果 = 「俺は平均よりは歌が上手いはずだ」「平均よりはモテるはずだ」etc)の説明であって、

「公平・不公平」の話は、あくまでその一例なんだけど。


ただ、この公平・不公平の例がとても印象的なので、その流れで話を続けますと・・・。



あなた(わたし)を職場や学校やサークルやらで差別する「あの人」(上司、同僚、先生、クラスメート、先輩)が居たとします。


その人も、実は、


「この不公平に満ちた世の中、私だけが最後の善意の砦だ」

「今日も一日、できる限り公平に振舞い、世の中を少しでも良い場所にしていこう」

・・・と思って出勤(登校)して、一生懸命あなた(わたし)を差別してるってんだから、ややこしいよね。


まあ、対処法として「説得」とか、あんまし効果無いってことは言えるよね、向こうに自覚ないんだから。


そして、裏返せば。

精一杯、公平に振舞わんとして、今日もなんとか出勤(登校)したあなた(わたし)も、誰かさんから見れば善意の差別者、他ならぬ「あの人」そのものだってことだね。

この理屈でいくと。

ちょっとした負のリングですな。


まぁ、当たり前っちゃあ、当たり前。

人間だもの。


で、本題である「平均以上効果」に話を戻しますと。


やはり、理想としては、


「もー、どうしてそんなにセクシーなんですかぁ?」

「え、そうかなぁ?人並みだと思ってるけど?」

「またぁ、謙虚な人!」

「え、そうかなぁ、ところで久々に3歩以上歩いたんで息切れしてきたんだけど、ちょっと個室で涼んでこうか」


・・・的なね。


自己評価より、常に他人からの評価が高止まりするくらいだと、素晴らしいですね。

「え、そうかなぁ」しか言ってないのに、会話成立みたいな。
 

ちなみに、現実の俺は飲んでる時に

「ぼく、こんなに凄い」

という話を延々して、みんなを悩ませる困ったちゃんです。

・・・人間だもの。


接待までの時間つぶしで読んだんだけど、久々にこういう本も楽しいもんでした。



■おまけ

その余波で、接待の席でまでこの本を取り出して、お客さんに、

「ねえねえ、ここ読んでみてください。つまりね、世の中のほとんど人が・・・」

ってやったら、皆さんものすごく鬱陶しそうな表情でした。


人間だもの。


<Amazon> 

自分では気づかない、ココロの盲点
池谷 裕二
朝日出版社

 


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