
『バーン・アフター・リーディング』
"Burn After Reading"
監督:イーサン・コーエン、ジョル・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
2008年・米英
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アメリカ中央情報局のオフィサーだったオズボーン・コックス(ジョン・マルコヴィッチ)は、アル中を理由に解雇される。
突然の解雇に怒りが収まらず、また、退職後に特にやることもないオズボーンは、情報局の内部情報の暴露を含む自叙伝の執筆に取り掛かる。
ところが、ある間違いから、自叙伝の原稿と財務情報のはいったディスクが、スポーツジムの職員2人の手に渡ってしまう・・・。
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観終えた後の印象がなんでこんな寒々しいのかしら・・・と思ったら、この映画には人と人との信頼関係がひとっつも出てこないんだよね。
唯一の例外は、スポーツジムの職員仲間であるリンダ(フランシス・マクドーマンド)とチャド(ブラッド・ピット)の友情。
なんだけど、リンダの指示に従ったチャドの末路を思うと、これもどうだか・・・。
オズボーンのヒステリー妻ケイティ(ティルダ・スウィントン)と、出会い系サイトマニアのハリー(ジョージ・クルーニー)の関係なんて、互いのパートナーを裏切って不倫の関係にありつつも、不倫相手同士にもやっぱり愛はなく、ひたすら哀れだ。
そういえば、この2人(ティルダ・スウィントン+ジョージ・クルーニー)のコンビで、本作の前年にトニー・ギルロイ監督が撮った『フィクサー』"Michael Clayton"(2007年)も寒々しかったですね。
本作のクルーニーの凄いところは、こいつホンマに現実世界でもこんなヤツなんちゃうか・・・?と思わせるところ。
この点だけはマジで凄い。
見所は、そうだなぁ・・・。
超チョイ役でクレア・デーンズが出てることでしょうか。
強烈なアイロニーは全編からビシバシ伝わってくる訳ですが、だからと言ってこれを観て、
「むっちゃ面白かったッ!コーエン兄弟サイコー!!」
とか言う人は、無理してるか、ホンイキのコーエン兄弟マニアか、何らかのタイミングで脳に砂が入ってしまったかのいずれかでしょう。
■公園な兄弟
・『ビッグ・リボウスキ』(1998)
・『オー・ブラザー!』(2000)
・『ノーカントリー』(2007)
・『バーン・アフター・リーディング』(2008)
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