田代島より ～その１～

宮城県にある田代島はネコで有名であることは、それなりに知られていると思う。
先日、初めてその田代島を訪れた。
まさに、ネコの王国・楽園であった。

「ツチノコ？　いいえ、ネコです。」

「死体？　いいえ、ネコです。」

「それよりも、ごはん、まだかな」

「腹が減ったよ、何かないかな」

「ネコ写真ならたっぷりあるよ。へっへっへっ。」

使用機材はEOS7D+EF70-200mmF4L IS及びEOS-1D MarkII+EF28-70mmF2.8L。



最後に…
田代島は確かにネコの楽園ではあるが、人間の方はというと
島民の平均年齢がおよそ70歳、集落の存続が危ぶまれている限界集落である。
また、島民の中には「ネコの島」として島を紹介されることを快く思っていない方もいらっしゃる。
「観光の島じゃないんだから。」
「こっちはえさをやってあげてるんだから、えさをやらない人に撮らせる必要ないよ。」（ネコに向かって）
到着早々そのような声を聞いて、私は複雑な思いでシャッターを切った。
エサに関してはNPO法人の方々が世話をしていて、勝手にあげないでくださいということになっているので、直にはあげないようにしているのだが…。

とにかく撮影マナーには気をつけて撮らないとなるまい。当たり前だが。

ちなみに、餌付けをして馴染んでもらおうなんて思っていない。
私が撮りたいのは、そのままに生きている姿だ。
ときにユニークな仕草、ときに真剣な眼差し、それがよいのである。

それに、ネコだけの撮影で終わらせたくないと思っている。だから、前回の記事がある。
カメラを持つ人間としてできるのは、現実を撮って伝えること。それが難しいのだけれど。


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