終点 ロカ岬

リスボンから３０キロほど西のシントラに１泊し、翌朝、ロカ岬行きのバスに。

直線距離で１０キロ弱、バスで１９キロ。西の果てまであとわずかこれだけ。

中国上海から、どれだけの国と街を越えてきたんだろうか。
中国・カザフスタン・ウズベキスタン・カザフスタン・アゼルバイジャン・イラン・トルコ・ギリシャ・イタリア・フランス・スペイン・ポルトガル・・・

上海・西寧・ラサ・ギャンツェ・シガツェ・蘭州・ウルムチ・アルマトゥ・シュムケント・タシュケント・サマルカンド・ブハラ・ヒヴァ・コングラット・アクタウ・バクー・イスティスゥ・テヘラン・イスファハン・ドゥバヤジット・トラブゾン・イスタンブール・デルフィ・アテネ・パトラ・ブリンディシ・サレルノ・アマルフィ・ローマ・フィレンツェ・ヴェネツィア・ニース・モンペリエ・バルセロナ・マドリッド・リスボン・シントラ

そして、終点のロカ岬。


岬は風が強くて寒くて、崖のようなところだった。
植物も、風のせいか地面を這うように低く覆っている。





その崖の上から西を見ると、青い空と青い海しかない。





色合いがちがうだけの『青』一色で、なんだかこのまま宇宙まで行ってしまいそうな不思議な青色の景色。





『東の端から来てこの岬に立ったとき、どんなことを思うんだろうか。』
出発前はそんなことを楽しみにしてたなあ。

今までの旅路をいろいろと思い出すんだろうか？

けれども、岬に立って、それだけしかない空と大西洋を見て、これ以上先には行けないなあって思うばっかりだった。

これまでの旅の中身を細かく反芻することはなかったけれど、もう先には進めないと思った中に、上海からここまでの道程が全部詰まってるように感じた。



ここにはモニュメントが建っていて、「ここに大地が果て、海が始まる」とある（はず（笑）。





ここに来るために、僕は今まで旅してきた。
ここが終点。





旅のおわりには、これ以上ない場所だ。



そう思いながらあたりをしばらく歩き、シントラに帰るにバスに乗った。