更年期傷害の症状はのぼせ、ほてり、冷えやめまい、動悸、頭痛、うつ症状、イライラ、肩こりなどなど・・、数えられないくらいの種類があります。更年期でなく、若い方も女性ホルモンのバランスが悪く同様の症状が出る方が多くなっているようです。
このような症状でなかなか治らず悩んでみえる方が多いのはなぜでしょうか?
これは医療がどんどん専門化し、専門領域の症状にしか治療しなくなってきていること、更年期障害の症状は血液検査や画像検査をしても異常がなく、病気の性質上すぐに命に関わるような病気ではないため軽視される傾向にあること、そしてさらに更年期障害の治療として女性ホルモン以外の薬があまりなく、たくさんの症状に対して、それぞれお薬を出すと膨大な量になってしまうことなどがあると思います。
更年期障害は女性ホルモンバランス異常による一連の症状としてとらえ(もちろんその他の疾患を除外する検査は必要ですが)、その症状に応じた治療を行っていくべきで、そんなときに心強いのがやはり漢方薬なのです。西洋医学では対応できない症状や不定愁訴が多すぎる場合にとても重宝します。
東洋医学では昔から冷えやのぼせといった症状も1つの病気と考えてきました。またうつなどの精神神経症状も血の道症として女性に多い疾患として性差を考慮した治療を行ってきたのです。
更年期障害でも、のぼせがメインなら体質により処方が変わりますが加味逍遥散や防已黄耆湯など、めまいがメインなら女神散、苓桂朮甘湯や五苓散など、冷えがメインなら当帰芍薬散や当帰四逆加呉茱萸生姜湯などなど、処方の種類が豊富です。中国4千年の歴史を感じますね。自分にあったお薬を相談しながら探して更年期を乗り越えていきましょう。