昼下がりの小事

余生をボケない程度にのんびりと

武州榛沢郡藤田郷を歩く

2017-12-08 13:11:35 | 旅行

昨日、歴史及び古文書と共通の趣味を持つH氏と埼玉県大里郡寄居町にある花園城の史跡巡りをしました。

花園城は猪俣党の土豪であり、後に山内上杉氏の重臣として活躍した藤田氏の居城と知られています。後、北条氏邦を養子に迎えて本拠を鉢形城に移してからは支城として使われたようです。秩父谷への街道を抑える重要な支城でしたが、1590年(天正18年)の「小田原征伐」の際に廃城になりました。その構造は、花園山を四つに分け、主要な郭を配置し、南側斜面部に二本をセットとする竪堀をつなげるという特徴を持っています。

H氏の運転で現地に到着したのは10時前、花園山には駐車場がなく、近くの藤田善導寺で参拝した後、その駐車場に止めさせて貰いました。10時頃、麓の諏訪神社の右手裏側を左側に上がって行くルートを登り始めました。20mぐらい登ると竪堀(図中竪堀2)を見つけました。

上の写真は諏訪神社、下の写真(上方から下方を撮影)が竪堀です。右側にある土塁の更に右側に竪堀が平行に走っています。地図を見ながら土塁上を登り三の郭を目指しました。路面は写真の通り枯れ葉の絨毯(じゅうたん)。若干の滑りはありますが、何とか登れました。10時20分頃、三の郭に到着。比較的平地になっています。東方向に目をやると、東郭らしきものが見えてきました。

上の写真が三の郭、下が東郭です。H氏は東郭に足を踏み入れましたが、私は堀切の昇り降りが面倒なので、止めました。

また三の郭に戻り、その先の二の郭に向かいました。着いたのは10時35頃、二の郭の地面は三の郭ほど平らではありませんでした。

写真が二の郭です。ザッと見た後、更に西側の堀切を通り、5分後、やっと本郭です。本郭の北側(写真内右側)は少し高くなっています。

写真の上が本郭、下が本郭西寄りにある「花園城跡」と書かれた石標。これは昭和49年に寄居町教育委員会が建てたものです。標高208mですが、写真のように樹木に遮られ、見晴らしはよくありません。

さて、下山です。南斜面西側半分に見られる帯郭の連続した「段築(だんちく)」(緑泥片石を小口積にした石積)を見るために本郭の西側から下山。約三分の一ほど降りた辺りから道が分からなくなりました。尤も、地図上にも目立った印は何もありません。藪をかき分けかき分け四苦八苦。そのうちH氏が「段築」があると教えてくれました。笹や雑木が無ければ、見事な「段築群」が見られるとの事ですが、無理、部分的に見られるのみ。下の写真が辛うじて見えただけ。(これでもH氏が枯れ葉や土をどけてくれた後です。)

この段築は、防御施設としての存在か、後世の耕作を目的とした開墾によるものかは不明だそうです。更に藪と格闘を続けた末、やっと平地に到着。11時20分。道路に出て振り返ると、青空を背景に渋いが穏やかな紅葉で佇んでる花園城、悪戦苦闘が噓のよう。

藤田善道寺に戻り、四阿風の休憩所で昼食です。二人共おにぎり🍙でしたが、H氏奥さんの手作りのらっきょう等のおかずをご相伴にあずり、最高のランチでした。食後、歴史等の話が弾み1時近くになりました。予想外に早く下山出来たので、何処かへ行こうということになり、車山に決定しました。

車山は標高227m、鉢形城(北条氏康の四男・氏邦の居城、北条氏の北関東の拠点)から南南西1kmほどの所です。その山頂からは鉢形城の曲輪(くるわ)がよく見えることから「くるわやま」と呼び、車山となったとする説と、天正18年、鉢形城攻めの際、本多忠勝が28人持ちの大筒を山頂に据付け、鉢形城の大手門を破壊したといわれていますが、その際に轍(わだち)が出来たことから、その名が付いたという説があります。

登り口から20分で山頂に到着しました。花園山と違い、枯れ葉が何と滑り易いことか。山頂近くまでの上三分の一に、等間隔に結び目のあるロ-プが備え付けてありました。これが無いと、帰りは滑り落ちなければなりません。

写真は山頂、小さいお宮があります。北に八高線の鉄橋が見え、鉢形城の位置は大体分かりましたが、山名の謂れと違い、車山と鉢形城の双方の樹木のため、城内の曲輪は確認不能でした。山頂からは、東に熊谷方面の町、南東方向に小川町の金勝山と某自動車メーカーの製造所、南にときがわ町の堂平山が望めます。眺望を満喫した後、下山。ロープに掴まっても滑る。来たルートをそのまま戻りました。13時50分。そのまま、帰路につきました。

師走ですが、風も少なく、天気も快晴、H氏のリードで楽しい史跡めぐりというか、山登りに満足出来た一日でした。



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2 コメント

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お疲れ様でした (Jiroくん)
2017-12-08 17:33:15
道なき道をあるかれたご様子で遭難しなかったことが幸いでしたね?
自分だったらそのまま簡保の湯へ行ってしまっただろうと思います。
どちらも私の行ったところではありませんので大変興味深く拝読しました。
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本日はお疲れ様です (榎本です)
2017-12-17 19:56:05
早速のブログ拝見しました。
よく調べて、現地の写真添付など、プロの作品のようですね。
ゆっくりと過去のも拝見させていただきます😃
本日は、お疲れ様でした。来年も元気でおあいできることを祈っております❗
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