ホテルの料金体系

　　ホテルの料金についてまとめてみました。ラックレートなどの業界用語を使うサイトがとても多いので、何を言っているのかわからない人も多いと思います。
　
【　ラックレート　】
昔は棚の上に室料の明細を書いた板を置いておいたいたそうです。その棚がラックです。今でもフロントの横や、部屋の入り口の脇に料金表を掲げていたりしているホテルもあります。これらをラックレートと言います。ホテルのブローシャーにも、料金表がはさまれている場合があります。これもラックレートです。料金表の上には必ず「Tariffs」と書かれています。
ラックレートとは正規の料金ですから、一番高い料金といえるでしょう。でもラックレートで泊まる宿泊客は１０％にも満たないといいます。
【　タリフ　Tariff　】
８世紀か９世紀ごろにジブラルタル海峡のスペイン側は、北アフリカから侵入してきたイスラム教徒に支配されました。イスラム教徒はジブラルタル海峡の、スペイン側と北アフリカ側両地域を支配し海峡の制海権を握りました。そしてスペイン側の「タリファ－Tarifa」という街でジブラルタル海峡を通る船舶に通行税を掛ける税関を設置しました。ここでかけられた通行税の課税表は、いつの間にかタリファで使われていたためタリファと呼ばれるようになり、これが変化して税金の表をタリフと呼ぶようになったのです。その後課税表だけではなく、料金表を一般的にタリフと称するようになり、今では、ホテルの料金表も、航空運賃の料金表もタリフといいます。
【　コーポレートレート　】
ホテルと契約をしている企業に特別なレートを出しているホテルは数多くあります。ホテル側としても常時宿泊してくれる企業には割引をするのは当然でしょう。実際には特別な関係はなくても、コーポレートレートで予約をし、名刺を出せば割引をしてくれます。
【　インターネットレート　】
インターネットが発展してきたため、ホテルも直接リアルタイムで宿泊客とコンタクトを取れるようになりました。ホテルの部屋は空室でおいても何の収益を上げません。ネットを利用すれば最後の最後まで集客活動を続けることができます。自分のサイトを持たなくても、「旅の窓口」のように他のサイトからの予約客を受けることができますので、より弾力的に料金の設定をしているようです。最終的には７０％引き、８０％引きもねらえます。こまめにサイトにアクセスし、チェックをして見ましょう。
【　グループレート　】
旅行会社に人数に応じて出しているレート。最低人数は１０人からですが、旅行会社によっては６人より割り引いてくれる場合もあります。一般的に旅行業界では１０人を超えると割引がさらに有利になるようなシステムとなっています。たとえば添乗員割引といって１人分無料になる場合もあります。
【　コンベンションレート　】
ホテルがまったく取れなくなる時期にはホテルも強気になります。特に全世界から人が集まる会議、博覧会、見本市などの場合にはラックレートを上回る料金を設定するホテルもあります。もちろん日本で言う年末年始、ゴールデンウィーク、お盆の時期は料金が高くなります。海外のホテルの場合、これに加えて、クリスマス、イースター、あるいはアメリカの感謝祭前後など、宗教的な日を中心として休みが多くなる時期は、宿泊料金が高くなるとともに予約がとりづらくなります。
【　プロモーショナルレート　】
プロモーショナルレートとは販促用の料金です。一般的にはオフ期の需要回復のための料金引き下げ、付帯価値の増加があげられます。たとえば、レンタカーをつけたり、レストランでの食事を加えたりします。そのほかにも、特定団体－アメリカでは全米自動車協会、退役軍人会など－への割引、長期滞在への無料宿泊追加（４泊すると５泊目は無料）などがあります。
【　ランノブザハウス　Run of The House　】
ホテルは部屋の眺望などの条件によって料金が違います。リゾートホテルでは海側か山側か、都市ホテルでは町を見渡せる部屋かどうかによって室料に差が出てきます。ランノブザハウスはこういったロケーションによる指定をしないという意味で、込んでいるときは条件の悪い部屋に、すいているときは条件のいい部屋が当てられる室料体系です。