Gute Reise

東大で西洋建築史の研究をしながら設計を勉強している大学院生の日々の記録です。リスボン大に1年間留学を終え、帰国しました。

4月10日・11日:スタジオリユニオン、ポルトガルの建築的強み

2017-04-12 | LISBOA・FAUL
月曜日


水族館に行ってみようと、Orienteへ。

OrienteのCTTで日本のラジオ宛てのポストカードを速達で出し、水族館に向かう。

途中、オフィスが密集していると思われる地区を通過した。





リスボンでは、これでもかなり「高層」ビル。
ああ、Orienteだなぁと思った。




水族館は、わざわざ平日を狙って行った月曜日だというのに、物凄い人でびっくり。
後から知ったのだが、イースターというのは、その祝日のある週間がまるっとお休みになる施設や企業も多いらしく、この聖なる週間に旅行する家族も多いらしい。なるほど。

受付で、こんにちは、学生料金のチケット一枚ください。と言い、フルプライスのものですか?と聞かれたので、天野さんの展示って特別展ですよね?と確認、常設展も特別展も見られるフルプライスのものを購入した。

混み合っているので、先に特別展の方を見てもらってもいいですか?と尋ねられたので、了解です、と特別展の方へ。



一学期のライノの授業で、Januário先生に、日本人写真家の、凄く良い展示をやっているから、みんな必ず行くように、と言われていたのだ。

天野尚(たかし)さんという方で、水景アーティストの第一人者らしい。
2015年に既に亡くなられていて、天野さんのインタビュー映像をぼんやりと眺める。





水槽の前に、階段や大きな椅子が設置され、座りながらゆっくりと眺めたり、写真を撮ったり、指を指しておしゃべりしたり、思い思い、楽しんでいた。


いよいよ常設展へ。

中は完全な一方通行で、車椅子の方などがいた際には、スタッフが随時対応するように動線がつくられていた。

水景を切り取るようにした開口の数々





生態系のことも勿論考えているだろうけれど、色彩も多少意識しているであろう魚の種類の選び方と、面白い地形



違った表情を見せる照明





ポルトガルは、たとえ水中であっても地形や開口の作り方がうまいんだなぁ、と感心した。

モントレーや、美ら海や、海遊館や、その他日本の水族館をいくつか、そこそこ大き目の水族館には行ってきたけれど、見せ方の美しさという点では、ダントツで考えられているなぁ、と感じた。
水槽によっては生き物が全然いなかったり、ラッコの水槽にラッコがいなかったのがちょこっと、残念だったけれど。
帰るまでにまた見に行く機会があれば、そのときは見られるといいなぁ。



お昼(といってももう15時だったけど)を買って水辺のベンチに腰掛け休憩。




シザの万博パビリオンを久々に拝もうと近くに行くと、なんと、普段入ることができないのだが、今日はたまたまブラジルのフェスティバルの展示をやっていて、開いていた!!
でも、有料かなぁ、ともじもじ眺めていたら、係りの人が、ちょっと、よかったら見て行きませんか?と言うので、無料ですか?と尋ねると、無料。運がいい!



中に入って、バシャバシャ写真に収める。
係りの女性が話しかけてきて、どうやら展示の内容を説明したかったようなのだが、ごめんなさい、私あんまりポルトガル語わからないんですよ、と言うと、そっかぁ、私も英語だめなんだよね、ちょっと喋れる子連れてくるから、ちょっと待ってて!と言われたので、引き続き同じ展示室内で過ごす。

中庭があったなんて。



展示をしている団体があまりこの建築を活かせている感じがしなかったのがやや残念だったが、テージョ川を臨む開口がいい感じ。



外からはドローイングの授業のときに見たけれど、テラスにも出られて、違った景色が見られて嬉しい。



すると、先程の女性が連れてきた、英語を話せるという係りの人が現れたので、話すと、彼女はブラジル出身で、リスボン大の建築学科の2年生らしい。
交換留学ではなく、本格的な留学なのだが、リスボン大の教育いまいちじゃない?なんて言ってきた。
教育がいまいちかはわからないけど、まぁ色々遅いなぁとは私も思うよ、と話す。

彼女の出身の街はかなり大きめの日本人街があるらしく、いつかきっと日本にも行ってみたいわ。あなたも、私の国の、小さな日本に遊びに来てよ!と言っていた。
ブラジルの建築をめちゃくちゃ推されたので、いよいよ気になってきた。
もし訪れるようなことがあれば、前ルームメイトのAdelにも会いたいなぁ、なんて思いながら、、、。



連絡先を交換してパビリオンを後にし、ヴァスコダガマのショッピングセンターをうろうろ。
Loja do Gato Pretoという、黒猫のお店という名前のかわいい雑貨屋があった。
こちらに来てすぐ、IKEAで購入した青いお気に入りのグラスを先日割ってしまい、牛乳もマグカップに注いで飲んでいたので、プラスチックの新しいコップを購入。
これでもう割れることはない。

ショッピングセンターのWi-Fiでインスタをチェックしていたら、川添スタで一緒だったマドリード出身のPabloが、どうやらリスボンにいるらしい!
言ってよ!!!!なんて思いながら、ストーリーに、リスボンエンジョイしてる?楽しんでね!とコメントしたら、忘れてた!会おう!と言ってくれたので、今Orienteにいるから、30分でそっちつくよ。ちょっと待っててね、と言って、Marquês de Pombalまで、メトロで向かう。


Eduardo VIIのミラドウロの、グリーンシアターにいるよ、とSMSが入っていたのだが、グリーンシアターってなんだ?と思いながら取りあえずミラドウロのてっぺんまで行く。
Pabloは見当たらなかったので、電話すると、こっちまで降りて来てくれた。
(グリーンシアターとは、緑が段々の劇場になっているところのことだった。確かにグリーンのシアターだ。)

それで、スタジオの打ち上げぶりに再会!
Pabloは今AIRES MATEUSでインターンしている友達に会いに来たらしく、更に別の同級生カップルも旅行で来るらしい。
え、私もAIRES MATEUSでインターンするんだよ。ほんと?凄い偶然、よかった会えて!

どうしよう、聞きたいことが山積みだよ、なんて言われながら、こっちに来てどう思った?など、主にこちらでの生活に関して私が何をこの半年で感じてきたか聞かれた。
基本的に私はポジティヴな感想しかないから、Pabloも、それは本当によかったね、うんうん、なんて言いながら聞いてくれた。

スペインとポルトガルは隣国なのに、Pabloは今回が初ポルトガルらしく、彼の感想が凄く面白かった。

もっと早く来るべきだった、3日間じゃ全然足りないよ、こんなに隣国が豊かだっただなんて、、、と、日本人の私よりもずっとずっと感銘を受けていて。



特に、道路の舗装はリスボン以外で見たことがない、日が照り返して暑いけど、綺麗だよね。それからミラドウロや公園がいい、と言っていた。
こういう公園、マドリードにはないの?と聞くと、あるけど、もっとトロピカルな感じかも。と。

何がきっかけだったか忘れたが、Pabloも、リスボンはスペインより南仏と雰囲気が近いと思う、と言っていて、この前南仏行ったとき同じこと思ったんだけど、先週のWSで会ったポルトガル人の人も同じことを言っていたと話す。
それで、そのポルトガル人の人は、パティスリーのことにも言及していて、スペインにはポルトガルやフランスのようなパティスリーはない、と食と街との関係を感じさせるようなことも言っていたよ、と言うと、あぁ、それは本当だよ。と納得していた。
あと、South is always better.とも、、、笑
私も、そう言えば日本で好きな街は福岡、広島、香川、、、確かに、South is always betterかも、、、笑

それから、ポルトガルのゆーーーーっくりした時間の流れは、スペイン人のPabloにとってもかなり強烈だったみたいで、特に3日間しか今回は滞在しないので、チケット売り場のタラタラした捌き方に結構イライラしたらしい。
Orienteで会ってきたブラジル人の女の子の話も重なって、なるほど、ポルトガルの時間の流れはスペインよりもブラジルよりも遅いのか、とわかって面白い。

この留学が終わったらどうするの?と聞かれたので、日本に帰って取りあえず卒業するけど、実は卒業後どこで働くかはまだわからないんだ、と今考えていることを話した。
日本のアトリエ事務所は過酷すぎるということや、ポルトガルって結構日本的価値観で戦える建築も多いから、とGulbenkianの庭を例に挙げながら説明して、ちょうど彼はここに来る前にGulbenkianにいたらしく、うんうん、確かに君が日本的と表現するのはわかるし、本当に魅力的だよね、と頷きながら、そっか、Life Changingな留学だったんだね、と言っていた。そう、その通り。

彼もマドリードで今度インターンが始まるらしく、ドローイングを気に入ってもらえたんだと思う、と話を聞かせてくれた。
実はまた夏に日本に旅行しに来るらしいのだが、残念ながら私が帰るまでにマドリードに戻ってしまうそうで、日本を案内できないのが残念。


その後で、来月からの同僚、Manoや、彼らの友人のカップル、ManoとMartaも合流。
(一体こちらに来てから何人ManoやMartaやAnaやPatriciaやDanielと出会ってきたんだろう、、、笑)


同僚の方のManoは、AIRES MATEUSのインターンが終わったら、アトリエワンでインターンする予定らしい。
私の帰国後すぐスペインに戻ってしまうのだが、数日はかぶるので、一回食事できるといいね、と話す。

それから、Martaはインド、その彼氏のManoは上海と、それぞれに留学していたみたいで、随分Open Mindedな友人グループ、大学なんだなと感じた。
Martaに、みんなはどういう関係なの?と聞くと、皆学部時代の同期なんだけど、今はそれぞれ別のところいったりしてバラバラなんだ、と言っていた。
なるほど、だからそれぞれ今何年生?なんて会話をしていたのか。





TOPOというMartim Monizの近くのルーフトップバーで乾杯して、そしてRossioにあるレストランで食事、Intendenteのバーで飲み直して、帰宅。



火曜日

朝Marquês de Pombalで待ち合わせて、Estufa Friaという植物園に、カップルとPabloに混ぜてもらって行く。



もう、言葉を失う凄さだった。









マドリードに植物園ってあるの?と聞いたが、あるけど、こんなに凄くないよと言っていた。
Gulbenkianも勿論そうだが、日本にもこんな凄い植物園はない、、、





リスボンの豊かな地形を植物園内にまで。さすがランスケ先進国、、、

遠目に見たとき木に直接屋根を乗せているように見えた温室の柱。





温室で、親子連れのお父さんと目が合ったので、Boa tardeと挨拶したのだが、物凄い苦笑されたので、ええ><?と思っていたのだが、後でその家族連れが話しているところを通り掛かったら、思いっきりフランス語で会話していて、ああ、これは失礼なことをしたな、と合点が行った、、、笑


植物園を後にして、PabloたちをMarquês de Pombalまで送り、この後行くというSão Jorge城の行き方を説明する。



正直、スタジオの当時はこの2日間のような深い話を、そして近い価値観で話すことができなかったから、この2日間は物凄く濃密で面白かった。
川添スタを選んでよかったと今になって強烈に思ったし、留学して再びこうして話が聞けて、本当によかった。

別れる間際、See you in Spain!なんて言ってくれた。
来月、今度はみんなの出身の街を見るのが楽しみ。
勿論、Pabloが連れて行ってくれると言っていた、チュロスも!笑
マドリードの見え方も、今回話したおかげで随分と変わるんだろうな。

3月28日〜4月2日:ミラドウロとエシュトレラ庭園

2017-04-02 | LISBOA・FAUL
3月28日


旅行明けで疲れていたので、少し早いお昼ご飯くらいの時間に目が覚める、、、
お昼を食べてから、ドローイングの授業のためにMiradouro de Santo Amaroまで。
実は、寮から徒歩5分ほどなのに、今回が初めて。



フランス語話者の観光客がいっぱい写真を撮っていて、フランスからの帰国後すぐだったので、フランス語がリスボンで聞こえてきていつもより不思議な気分。

最初は、例によって人の集まりが悪く、Fernando先生とほぼマンツーマンだったのだが、やがてハンガリー人チームの2人も合流。
フランスどうだった?なんて聞いてくれた。

もう少し他の学生も増えてから、綺麗な青空で、4月25日橋を拝みながら、絵を描く。



遠くに行くほど白黒はフェードするだろ、と少し修正されたりもしたのだが、最終的には、毎回改善されてるじゃないか、と言ってもらえたのがちょっと嬉しかった。





一度家に帰ってから、ももにもらったバーモントカレーで夕食をカレーにしたかったので、カレーの材料を買いにPingo Doceまで。



3月29日

お昼ごろから、久々にGulbenkianへ。



図書館で少し作業したり、カフェでポルトガル語をおさらいしたりした。
最初はエスプレッソとちっちゃいミルフィーユだけ頼んでいたのだが、お昼を食べていなかったのでやっぱりお腹が空いて後でチョコケーキも追加で頼んだ。



3月30日

まず朝、A Padaria Portuguesaに行き、アメリカ―ノと、ザラメのついたクッキーのようなケーキのようなお菓子で午前中を粘る。

お昼に、みずほさんにインターン用の書類を託す予定があったので、カレーをお弁当箱に詰めて、Jardim da Estrelaへ。

みずほさんと、スタジオムンバイにいたというFebioさんが合流。

事務所のことなど、色々話したのだが、最後みずほさんに、とりちゃんにお使いをお願いしていたOHASHIのお茶を渡したりして、ポーフォリは多分また別の機会かいいですよねと話すと、Febioさんが見たいと言ってくれて、見てもらった。

やっぱりというか、卒制のドローイングを興味を持って見てもらえて、これって水彩?など聞いてもらった。


帰りにRato駅近くのインターナショナルショップで黒胡麻のお菓子を発見し、思わず購入して、国立図書館に向かい、作業して帰る。





3月31日

朝からPADARIA PORTUGUESA。
一回帰宅してお昼ご飯を食べて、国立図書館へ。
国立図書館のカフェでエスプレッソを飲んでから、作業。

夜は、20時半頃から佐伯さんと浜渦さんとミラドウロで外飲み。
お二人とも、外で飲むのは初めてということだったので、よかった。

ヨーロッパで見た建築のことや、将来の就職のことまで、色々と幅広く話した。
途中、ポルトガル人の男の子がいきなり会話に入ってきたのだが、日本語を勉強しているらしく、かなり上手だった。

そっか、、と相槌を打つのが可笑しい。
日本語を勉強している学生の交流イベントの存在を教えてもらう。



4月2日

土曜日に約束していたVanessaと15時頃Jardim da Estrelaで待ち合わせ。

まずPADARIA PORTUGUESAでお茶をして、庭で絵を描きながら、話す。



ポルトガル語と日本語の話が面白かったのだが、前にDanielaが、南仏旅行の感想を尋ねようとして、Was it funny?と聞くので、Interestingって聞きたかったの?と言うと、ああ、私の英語ほんとダメね、、と言っていたので、面白いってなんて言うの?と聞くと、日本語の面白いと同じように使う、Engraçadoという単語があるらしいのだ。

また同じPADARIA PORTUGUESAに戻って、閉店時間に追い出されるまでやりとりした。
絵は、Vanessaが描いてくれた。


3月11日~14日:リスボンに来たからには海に行かないと!

2017-03-15 | LISBOA・FAUL
週末


土曜日は国立図書館へ行って資料収集をするつもりだったのだが、土曜日は事前に予約しておかないと資料を読むことができないらしい、、、
予約の仕方だけ受付のおじさんに聞いて、帰ってきた。

資料収集の方法など相談させて頂いていた葛西さんに、古地図が手に入ったことなどご報告させて頂いた流れで、論文の内容についても少しアドバイスを頂いた。

試しに目次を作ってみると、案外やるべきことが整理された。
先生が出張から戻られたら、メールでエスキスをお願いしよう。



月曜日


先生に先日在籍確認書を提出した際に、先生とご縁のある小川晋一さんの事務所に、前に遊びに行ったときにポルトガル人のインターン生が来ていたから、もしかすると作風がポルトガルっぽいのかもしれないですよと教えて頂いた。
月曜日になって調べ始めてみると、装飾を削いだミニマルなデザインとボリュームが、確かにポルトガルぽい。

そう言えばLivraria A+Aで見かけたことあるかも、、と思って調べてみるとAMAGに掲載されているようだった。
今月は月末に旅行する関係で定期を買っていないからあまり電車に乗る距離の場所には行けないなと思っていたのだが、火曜日の授業の前後で寄ってみよう。



火曜日


週に一度のドローイングの前に、Livraria A+Aと古着屋に寄る。
本屋では、先述の小川晋一事務所やアトリエワンの作品が収録されたAMAGを購入、古着屋では薄目のアウターとシャツを購入。
シャツの方はビンテージなだけあって肩パットが入っていたが、はずして肩幅を詰めたらかわいくなりそう、せっかく持ってきたソーイングセットの出番かも。


ドローイングの授業、今日はCidade Universitáriaで木を描く。
これまでは建築を描いていたので、コントラスト重視!という感じだったが、今回はいかにその木の葉のニュアンスを影の丸みで出すか、というようなことを中心にレクチャーがあった。

1時間ほどしてから、市立美術館の見学に行くことになったのだが、移動するときÁgnesと同じくハンガリー人で今学期から来ているSanyiと話した。

Ágnesはもう今既にインターンが始まっているのだが、どんな感じ?と尋ねると、まだ事務所のことあんまり把握できてなくて、データとか見て把握しといてねって言われている段階だからあんまり仕事っぽい仕事はしてないんだと言っていた。
でも、彼女たちの大学でも、単位互換がされないらしく、大学の授業はあまりとっていないから、授業以外にやることがあって嬉しいと言っていた。

Rikakoはインターンもう決まってるの?と聞かれたので、5月からで、南スペインへの旅行から帰ってきたら始まるんだと話すと、南スペインいいよね、アンダルシアとかグラナダとか、、と盛り上がる。
日本の有名なポップスターの曲にアンダルシアを舞台にしたのがあるんだ、と教えた。

Campo Grande駅に降りると、ポップコーンの匂いがする。
リスボンでは、地下鉄駅でポップコーンを売っているところがチラホラあるのだが、Ágnesに、日本って、甘いポップコーンある?と聞かれる。
原宿やディズニーランドのポップコーンの味を思い出しながら、うん、いろんな種類あるよと言うと、ÁgnesとSanyiが口を揃えて、しんっじられない!!と、待ってましたと言わんばかりに言っていた。
ハンガリーには、塩味以外のポップコーンというものが存在しないらしく、定番の塩味をイメージしてリスボンでポップコーンを購入したら甘くて、これじゃない、、となったエピソードを話してくれた。

美術館に着いてから、随分外で待たされたのだが、私がAlcantaraのあたりに住んでると言うと、そう言えばAlcantaraって安いプールがあるって聞いたことあるんだけど、と言われたが、知らない、、、笑
私水着持ってきたのにまだ一度も海にも行ってないんだよねと言うと、これまた、信じられない!と、Come on, Rikako!!と言われてしまった。
Sanyiも、僕なんてこんな寒い時期に来て3日で行ったよ?リスボンに来たなら海行かなきゃ!!と。

海の話になる前に、ハンガリーでは美味しくない川魚しか食べられないから、あまり食べる習慣がなかったんだけど、リスボンは魚が美味しいのが最高だよね、昨日初めてフラットメイトのスペイン人にさばき方を教わったと嬉しそうに話してくれていたÁgnes。
そう言えば、Verenaもサーフィンに行きまくっていたし、ヨーロッパの内陸国家の人たちにとって、リスボンのエラスムス生活は海や魚のためにあると言っても過言ではないんだろうな。

今度海行くとき誘うから!サーフィンしよ!と誘ってもらった。楽しみ!

3月8日~10日:ひたすら翻訳な日々の中、リスボンに夏が訪れる

2017-03-14 | LISBOA・FAUL
水曜日


水曜日は、建築図書館が閉まっているので、学校へ行ってきた。
受付の方に、CADデータでアルファマ地区が欲しいのですが、と聞く。

著作権の関係で必要な書類を渡され、コエリョ先生にサインをもらいに行くが、授業中だそうだったので、お昼の後で直すことにする。

お昼の後で研究室に行き、サインを貰ったついでに、実はインターン先が決まったことを報告する。
色々と取り次いで頂いたのに、申し訳ないと思っていたので、すいません、ありがとうございましたと伝えたけれど、そもそも先生が若干疲れ気味だったので、大丈夫だったか、わからない、、、

図書館で書類を渡して、CADのデータを入れてもらう。

それから、古地図が必要なんですけど、、と言うと、データベースを見せてくれて、ちょっとこれ量が多すぎるから時間かかるね。今日は同僚が病院に行くから出来ないかも。明日でもいいかい?と言われたので、オーケーと言って開館時間を聞く。

君、どこ出身?と聞かれて、日本ですと言うと、図書館のおじさんは中国語のクラスは取っていたことがあるのだという。残念。


CADデータのアルファマ地区のところをいくつか分割してPDFにし、印刷室で刷ってもらう。



木曜日


前日に言われていた通り図書館に出かけて、地図データを見ながら、必要な資料をコピーしてもらっていたのだが、どうやら学校にあるパソコンからであれば自分でアクセスできるデータベースだったようで、後は自分でやりますと言って風邪気味だというおじさんに、Take care!と言ってCais do Sodréへ。




すっかり真夏の陽気で気持ちよかったので、作ってきたサンドイッチを川辺に座って食べる。

リスボンでは市長が変わった関係で私たちが来た頃くらいから街のあちこちで工事していて、一斉に石畳やちょっとした広場の整備が行われているのだが、ここも確かその一つで、日向ぼっこ用の背もたれの倒れた素敵なベンチが設けられた、きっとハイシーズンには観光客で埋め尽くされそうな広場が出来ていた。

お昼を食べた後は、例によって建築図書館で作業。



金曜日


朝から建築図書館へ行き、読みたかった章の全訳作業は終わったので、ちょっくらお出掛けしようと、本間さんに伺っていたPríncipe Realの雑貨屋まで行ってみることに。



図書館で調べたルートで行こうとするも、なんとその通りは一直線に全部階段!
リスボンでは、地図上で近く見えても階段地獄だったり急坂地獄だったりするので、真夏の本当に厚い時期や真冬の雨の多い季節はしんどい。

結局行ってみたPELCORというお店は可愛かったけれどCORK & CO.の今の品揃えを見てから購入したかったコインケースを検討しようと思ったので、Príncipe Realの庭の近くの今のところ一番可愛くてセットメニューが豊富だと私調べでなっているPADARIA PORTUGUESAで論文を読むことに。

そのPríncipe Real店は、店内が他店よりオシャレだし、トハータと紅茶とケーキで2.5€という破格のセットを置いているし、しかもテラス席までコンセント完備と、ここまで完璧なので油断していたが、インターネットの接続が悪い、、、
本当は、アーカイブの写真の選定まで行いたかったのに、泣く泣く断念する。


帰りにCORK & CO.に久しぶりに寄って、やっぱりこっちの方がカワイイ、とコインケースを購入。



私が購入しているタイミングで、日本人の男子学生集団が入って来た。
最近、テレビで取り上げられていたと親から連絡があったので、それでかも。

3月5日~7日:美術館無料日、LA LA LAND、美味しいチーズと、忘れられないスカイライン

2017-03-07 | LISBOA・FAUL
日曜日


ヨーロッパの多くの都市は、第一日曜日は主要な美術館や博物館が無料になる。
何故かこれまで利用してこなかったのだが、今月初めて利用してみようと、本間さんに教えて頂いた、Vieira da Silvaの美術館に行ってみる。

バス停から美術館までの道中に、チェックしておいたジェラート屋があったので、まだ少し肌寒かったけれど、ジェラートを片手に美術館へ。
美味しいけど、やっぱりDavveroの方が美味しいかな。



美術館の作品は、パースの効いた画面構成や、都市を題材にした作品が多く、面白かった。





ポストカードの1枚でも購入したかったのだが、どうも品揃えがいまいち。
Souto de MouraのPaula Rego美術館に行ったときも、そういえば品揃えが微妙で購入をやめたのだが、もしかして作品集を買わせるための戦略なのか、とちょっと思った。


カフェでエスプレッソを頼んで少し休憩をして、Sizaが改修したAtelier Museu Júlio Pomarへ。
前回来たときはみずほさんが一緒だったので全部受付などやって頂いていたのだが、どうやら建築と芸術系の学生は無料らしい。
ヴェネツィアに行ったときは結構そういった美術館に遭遇したが、リスボンではここだけかも?


話題のLA LA LANDを見るためAmoreirasにあるショッピングモールに向かうことに。

以前前を通りかかった雑貨屋が開いていて、しかも奥のアトリエが見えたので、見せてもらえますか?と尋ね図々しくも見せてもらう。



壁にはクラシックなアズレージョが施されていたが、聞くと、1896年から勿論修復はしているものの、オリジナルのままなのだそう。
また、奥には2つ窯があるのだが、片方は階段にして、既存の階段が別であるのだが、そちらを薪用の収納スペースにするらしい。

この街の、建築物を使い倒すような姿勢を市民から聞くことができた貴重な経験だった。

8月までリスボンにいるから、またきっと来ますと言ってAmoreirasの方へ。


途中、これまたチェックしていた、以前Santiniに連れて行ったSereneがここのは美味しかったわと教えてくれたNannarellaというジェラート屋の近くを通りかかったので、その日2つ目のジェラート。。



バジル味とレモン味。
バジル味と言っても色は白かったのだが、しっかりバジルの味がして、そしてクリーミーだった。美味しい!
多分、イタリアのジェラートの方がクリーミーなのかも?それで本場の味に近いからとSereneがオススメしてくれたんじゃないかなと思った。


Amoreirasのショッピングモールで、随分ぎりぎりに駆け込んでLA LA LANDを鑑賞。
アカデミー賞の発表直後だったのもあって、ほぼ満席で凄い人気だった。

日頃からミーハーで邦画や日本ドラマはよく見るので、正直お話の展開としては、あー○○ぽいな、ここは△△ぽいな、、なんて思ってしまったし、今や日本でもいいミュージカルはいっぱい見られるので世間で騒がれている程いいか?と途中までは思っていたのだけれど、ラストの疾走感と画の美しさはさすがだった。

悲しい、切ない場面ほど明るい場面を差し込むのは西洋作品ではド鉄板の手法だが、誰しもが思い描く、あの日、あの時、こうなっていたら、こうしていれば、こう言っていれば、、、なんていう日常の取り返すことのできない刹那、もうひとつの物語が痛かった。

今年は好きなミュージカル作品が劇場で見られなかったので、ちょっとその憂さを晴らせた気分。笑

ちなみに、こちらでは学生料金がたったの6.25€。
今の内に沢山見ておこうっと。




月曜日


ここ最近お世話になっているAndréさんが羊のチーズをお裾分けしてくださるということだったので、Andréさんの職場近くの駅まで。
パンに塗るタイプとのこと。





火曜日


朝メールを確認すると、父からメール。

プラハで一緒にお食事をさせて頂いた父と同期入社の方ご夫妻と会食をされたときの話や、ちゃんと勉強しろよ、というような話。

追伸で、その日父が訪問したという南新宿のビルから見える新国立の建設現場の写真が送られてきた。
「なんだかやるせない気持ちです」と、、、

父にも返信したのだが、思えば、私の建築観のようなものが芽生えたきっかけは、旧国立競技場で見た景色が、もう一生見ることのできない景色になってしまったことだと思う。

4年生の時のスタジオではなんだか偉そうにエスキスで語ってしまった記憶があるけれど、大野先生の講演会を昨年福岡の学会大会で聞いたり、ザハの名建築を体感してしまった今は、こんな若輩者の私にあの時誰が結局悪かったのか、だなんてわからない。
(ちなみに自分としては、ザハの建築に対する情熱や論理に実際の建築を見て触れて、彼女の建築が凄いのはわかったし、現実に建っていたら素晴らしかったけれど、メディアも十分意地悪だったと思うけれど、袋たたきに遭ったあの時期に出されていたあのパースが、その情熱と論理で黙らせることができるような画ではなかったということも事実であると個人的には思っています)

誰が悪かったかなんてわからないけれど、たまたま好きなアーティストのコンサートがそこで行われて、たまたまその空間を両親とも共有して、好きなアーティストや両親といった、私にとって大切な人たちの、その「なんだかやるせない気持ち」という言葉や、懐かしいような、悲しいような、もどかしいような、残念なような、あの表情が、苦しい。

自分がいずれ作っていく建築やその先の街に生きる人たちに、そんな想いを、表情を、させたくない。

建築の道にいざ進まんとした2013年のあの一連の出来事を、多分一生忘れることはないだろう。
そして私がこれからどんな建築家になっていきたいのか、何者になっていくのか、自問しながら歩まないと、思わぬ方向に進んでいってしまうような気がして恐ろしいような、留学期間折り返しの今、改めて身の引き締まる思いがした。