小泉総理が靖国神社を参拝した朝。公用車で車列を組んで走る姿をずっと
カメラが追っていた。
「どこから行くのかなぁ」と思っていると、すぐさま首都高に乗り入れた。それは
先日の湾岸MIDNIGHT読んだ際に思い出したエリアだった。ヘリからの映像は
霞ヶ関のトンネル部分で車列を見失い、その
出口をずっと撮り続けていた・・・。
オイラはその出口のところでバイクで死にかけたことがある。
忘れもしないあの瞬間。あそこはトンネルの出口が右へ湾曲しているんだけど
そのブラインドコーナーを出たところにびっしりと渋滞の車列が止まっていた。
初めて通るわけじゃない、そこで渋滞が起こっていたら危険、それらすべてを
判っている状態でもそのとき起こった事実にめまいがするくらいひどい偶然が
重なっていた。
もう10m先が渋滞のしっぽだったら問題なく回避出来ている。逆にもう10m
手前がしっぽだったらトンネル内の壁にテールランプの赤が反射して見えて
いたはず。そのどっちでもない、究極にやばい位置関係で車線上に先行車が
見えた。
さらに悪い条件は重なる。オイラがいたのは2車線あるうちの右側の車線。
右コーナーのイン、当然左車線にいたケースより渋滞車両の発見は遅れる。
しかもオイラの隣、左車線にはやけに押してくる長距離トラックが併走の勢い。
実はこのトラックの存在が一番イヤだった・・・首都高って道路は何があるか
わからない危険な道なのでブラインドコーナーに進入する際は常にレーン
チェンジの出来る保険をかけている。だが、その日、その時にかぎって横から
かぶせられるような勢いを感じたままトンネル出口に向かうことになった。
出口の明るさと共に現れた渋滞車両・・・それを見た瞬間「一瞬の猶予も無い」
と悟り回避体勢に入った。2車線ともにふさがっているが左側は3台は余裕が
ある、しかし真横にはアウト側をかぶせてくる勢いの大型トラック。自分の車線
でなんとか出来れば良かったのだが、前との間合いが近すぎて無理と判断。
即座に加速、ギリギリのラインどりでトラックの鼻面をかすめて前へ向かう。
背中にクラクションを受けながら「そんなの鳴らす余裕があるなら大丈夫だな」
と、妙な安堵感を持ちながら今度はブレーキングですよ。なにしろ前がびっしり
詰まってますから・・・しかも回避行動のせいでオーバースピードだわ、車体は
寝てるわで、必死に体勢をつくり路肩に突っ込みかけたところでなんとか逃げ
きった。(止まったあとは後続車両に突っ込まれる心配もしたぞ(笑))
そしてその後は冒頭に登場の小泉さんと同様、竹橋JCTで5号線に進路変更。
そこから池袋経由で帰途に着いた。
帰りしな、さっきの場面を思い出しながら「一番怖い思いしてたのはあの位置で
渋滞のしっぽになってしまっていたあのクルマだったんじゃないの」って思った。
自分からはトンネル内部が見えず、いまさら進路変更も出来ないくらいの近い
間合いで止まるはめになってしまった。「ここはやばい」って思いながらも前は
動いてくれない。きっと逃げ出したくなるような嫌な時間だったと思う。
ま、オイラはそこで事故に至らなかったけど、こういう危険が首都高には常に
存在するってこと。見えない先で渋滞とか、もうちょっと電光掲示等で随時把握
できるような仕組みを作ってくれてもいいんじゃないかな。あんなとこで後続車両
に追突されて死ぬのも本意じゃないし。(^-^;)