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金曜プレステージ・堂場瞬一サスペンス 執着~捜査一課・澤村慶司2

2014-03-07 22:49:29 | 日記
なかなかの豪華キャストに惹かれて見ることに。

以下ネタバレ。

予想が外れてしまいました。

私の予想では、忍成修吾さん演じる吉野が犯人かと。吉野がストーカー被害にあっている竹山を救うために、個人的に連絡をとっていたところで、吉野は怪しいな、と。ストーカーから守ることがいつしか恋に変わり、彼女を苦しめるストーカーを殺したくなった。だけど、ストーカーを殺しても自分のものにならなかった竹山もろとも殺してしまった、とか。しかしそれだと吉野が本当に悪者になってしまいますよね。それはそれで狂った忍成修吾さんも見てみたかったけれど。

予想は外れてしまったけれど、藤巻の狂いっぷりがなかなか良かった。極度なまでの潔癖症と、それを裏付ける過去。そしてラスト、まるでお面をかぶっているかのような痛々しい人相。迫真の演技でした。しかし、いくらなんでもあの爆発で昔の父親の遺体と自分をすり替えるなんて出来ないのでは。フィクションだから仕方ない、と妥協せざるを得なかったところが残念。

反町隆史さん演じる澤村、比嘉愛未さん演じる永沢が、お互い相変わらずのキャラすぎて笑った。ところどころ挟んでくるコメディータッチには些か興醒めしてしまったが。生きたまま焼き殺すという残虐な殺害方法と妙なコメディータッチはやはりミスマッチかと。

澤村の言っていた「正義のためなら死ぬ覚悟がある。」という台詞、全く好きになれなかった。正義のために死んでくれるな。命をお粗末にするな。私は何かに懸けて命を捨てる覚悟を持ってる奴らが大嫌いなんだ。どんなに惨めでも格好悪くても、たとえ己の信念を曲げることになっても、生きるのだけは諦めて欲しくない。

ところで本作品、重大な二大テーマを抱えていますよね。

一つ目は、ストーカー犯罪について。ストーカー規制法が出来てから、被害届を出すことも出来るようになり、警察や弁護士、企業などもストーカーに法的な対策を講じることが出来るようになりました。しかし、私は思うのです。ストーカーに「二度と彼または彼女に近付くな」という最終通告は、同時に殺意に変わってしまうのではないかと。もちろん全てがそうというわけではありません。"ストーカー"という言葉がきちんと認知されてから、ストーカー犯罪は確かに減ったのでしょう。しかしこの規制法で、ストーカーを本当の意味で封じ込めることが出来るのか。まだまだ法整備が甘い気がしてなりません。ストーカーには刑期付きのきちんとした罰を与えるべきではないでしょうか。

二つ目は、虐待について。あのような酷い虐待を受けてもなお、正しく生きろというのは無理というものです。しかし虐待が犯罪の言い訳になっていいはずがない。では、彼があのような犯罪者にならないために、どうしたら良かったのか。もちろん周りの大人が気付くべきだったのでしょう。火傷や血の跡から虐待は見抜けるはずだった。それを無視していたのならば大人の責任です。もし、本当に気付かなかったとして。父親が失踪したことについて、もっときちんと捜査をすべきだった。そこで彼を捕まえることが出来ていれば、起こった犯罪は未然に防げたはずです。

最後に、ムロツヨシさん演じる橋詰さんがなかなか良いキャラで好きだった。プロファイリングってすごいな。

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